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魔々勇々 1巻 ジャンプ本誌掲載時感想

みなさんこんにちは。
ジャンプ歴20年Vtuberの寿司いくらです。
普段は毎週火・水曜にジャンプの感想を語り合う配信を行っております。

配信で話す内容をまとめたものを毎週記事として公開しておりまして、今回の記事はその中から魔々勇々 単行本1巻収録分の内容を再編集したものとなります。
ようはジャンプで読んだ当時の感想ですね。

それではどうぞ!



●1話

表紙
ジャンプ+2022年10月『へのへのもへじと棒人間とパンツ』、2022年43号『絵に描いた餅を描いた餅』の林快彦先生の初連載作品!
どちらの読切もめちゃくちゃキャラとドラマが優れていたので期待度高め。
表紙はいかにもな"勇者"っぽいキャラと、近頃は逆によく見かける"魔王"っぽくない可愛い魔王キャラ。
画力しっかりあって絵柄も人気出そうで良いですね。
巻頭カラー
あらすじ兼世界観を一気に読者にわからせる3ページ。人と魔人が共存してる世界。
魔王の美少女と勇者の少年の物語はよく見るけど、母子ってのは珍しいね。
「うっせェババア!!」は将来的にキャラ固まってなかった初期しか言わんセリフとか言われてそう。
本編
「勇者」がいらなくなった平和な世界で己の存在について悩む現勇者コルレオが主人公。
生まれたのと同時に平和が訪れてるから戦乱の時代は知らないわけだ。
対して母親にして魔王のマママ(魔ママ?)は38歳。このビジュアルで38歳、たまらん合法ロリだな。
……というのはさておき、38歳ってことは先代勇者と戦った張本人ってことになるよね。その辺の事情はおいおい触れられるんだろうな。
アイデンティティについて悩むコルレオの前に現れたのは別の世界からやってきた勇者エヴァン。別世界でも紋章は共通してるんだね。そういうもんなのね。
コルレオとエヴァン、この2人が互いに互いの姿を見て"勇者"とは何かを知るのが第1話。
思えば2人のチャンバラのシーンからすでにエヴァンはコルレオを殺そうとしてたけど"勇者"というワードで手を止めてるんだな。
「"勇者"とは何か」
という主題に対して、"ラスボスすら簡単に倒せる勇者"と"一度も戦ってない勇者"の両側からアプローチするわけだ。
その答えが描かれるのが後半、魔王エンドの襲来からのパート。
味方も敵も大勢殺し、最後の最後には自分が生きるために無辜のコルレオをも殺そうとしたエヴァン。
それに対し、自らを殺そうとしていたエヴァンですら身を挺して庇い、絶対敵いっこない魔王の前に飛び出していけるコルレオ。
ここまで見事にコルレオが"勇者"をその身で体現しているので、エヴァンが心打たれるのも説得力がある。そもそもチャンバラで手を止めたあたり、エヴァン自身自らが"勇者"にどんどん相応しくなくなっていっていることに自覚的で罪悪感らしきものを感じていたことは伺い知れていたわけだしね。
「勇む心を持つ者を 皆は "勇者"と呼んでくれるんだ」
「誇れコルレオ お前は紛れもなく 勇者だ」
コルレオは強き勇者のエヴァンを見て一歩踏み出す勇気を得て、エヴァンは若き勇者のコルレオを見て自分の原点だった勇気を思い出した──という構造。うーん、綺麗だ……
1話だけで読切としても完成度が高くて個人的にはかなり高評価。ちょいちょい読みづらいコマとか分かりにくいシーンとかはあったけど。初連載に伴う張り切りの裏返しな気はする。徐々にこなれてくるでしょう。
あと今のところマママはお母さんでしかないんだけど、必ずあるであろう魔王としての掘り下げにどんなドラマが潜んでいるのかが今から楽しみですね。


●2話

センターカラー!
何もおかしなところはないんだけど、なんかライオンが勇ましすぎて逆にすごいシュールな気がするイラスト。
本編
1話の3日後。
あんな出来事があってもなお勇者の実感は湧かんか〜…と思ってたら1話で助けたいじめられっこからの感謝。
思わず駆け出しちゃうくらい嬉しかったらしいの、ちょっとほっこり。
中盤からは今回の本題、コルレオとマママの対話。先代勇者ハロハロの話。
過去回想での距離感といい「交際経験あり」だったり、マママとハロハロかなり良い仲だったんすねえ。
ハロハロとコルレオを重ねてぽろぽろ泣いてるマママめっちゃ可愛い。言ってることはすごい親らしいけど。
そして今日初めて勇者として感謝されたことを話すコルレオ。
「俺は 勇者で良かったって」
わぁハロハロと全く同じこと言ってる。
これマママはともかくハロハロとコルレオがリアルに親子の可能性かなりあるな。
ラストにはもう1つの言うべきこと。
……を伝える前に異形のバケモノ登場。
コマ枠を手で引っ張り上げてバケモノ目白押し!って演出、異質感すごくて良いな。
最初は逃げたコルレオ、マママの片腕が持ってかれてるのを見て速攻で拳叩きつけに行ったの爽快感あって良いねえ。コルレオの勇者らしいとこ出てるよ出てるよ〜〜
左腕持ってかれたのは紋章が取られたってことなのかな。

●3話

急にバケモン出てくる緊急自体、マママ……腕が……!!
すると突然イケオジが救援に。
イケオジ、的確な指示も剣さばきもカッコいい。コマ割りで太刀筋を表す演出良いね。
意外とあっさり解決し(腕いかれてるけど)場面は病院へ。
イケオジことパンネロさんにより語られる事実。
「現在 異世界から来たと見られる魔王と勇者の目撃情報が 少数ながら報告されている」
うおお〜〜それらしくなってきた!それからどうするのかはまだよくわからんけど!
パンネロさん、傷心のコルレオへの接し方が近すぎず遠すぎずでマジで良いイケオジだな〜。
後半はマママとコルレオの対話。
マママとハロハロ、やっぱ付き合ってたんすねえ。先週の距離感が明らかにそうだったもんな。
「ワシ達以外誰も知らん」
って言ってるけど多分周りにはバレてたと思うよ。
そしてマママの話を聞いた後のコルレオの決意の表情。この表情の描写はグッときたな〜。
「あ、面構えが変わったな」
ってのが絵の力だけで伝わるのすごい。
てなわけで最後はコルレオがパンネロさんについていくわけだけど。
……これもしかして次回から全然マママ出てこなくなる!?ヤダーーー!!

●4話

修行がてらコルレオvsパンネロ。
コルレオが弱いこと、パンネロが強いこと、そして紋章術がなんだか凄そうなことはわかった。
20mを2秒……50m5秒、100m10秒って考えるとビミョーに真面目な速度感だな。
「右腕を使わせてみなさい」
で最後石炭に落ちそうなコルレオを助けるために右腕使わせるのに成功してるんだけど、こういう条件付き戦闘では大体ある勝利報酬(なんかもらえるとか試験合格とか)がないから締まりが悪いな。
ラストにはなんと新ヒロインが登場。
このぽやっとした感じで24歳……おっぱいもめちゃくちゃデカいし良いねえ……!!
マママ出なくなって溜息だったけどこれならいけるか……!?
コルレオくんも「ん んお ああ」と思わず願瀬くん(鵺の陰陽師)になっちゃった。

こいつこれ以来出てない

●5話

新キャラのエリシアちゃんとコルレオの本格的な交流の回。
エリシアちゃん、臆病な小動物系の性格してて可愛い。…し、毎コマ目が行ってしまう圧倒的存在感のおっぱいも最高や……
最初こそ追いかけっこだったものの、勇者なのに弱くて不安を抱えてるというどことなく似た境遇なので結構すぐ普通に話せるようになったなーって感じ。
そして中盤には敵襲。2人の間にいたのに気取られなかったハットのおじさんは魔王かな。安野雲みたい。
こないだのと似たようなバケモンの襲来に対しエリシアを抱えて逃げるコルレオ……お姫様抱っこたぁなかなかやるやん!!と思ったけど
「重いけど大丈夫!問題ない!」
やっぱダメだコレ!?エリシアちゃん真顔になっとるし!!
紋章術「剛豪力々」
意外にもゴリゴリのパワータイプだったエリシアちゃん。
「これで弱い…!?」ってコルレオと同じ感想抱いちゃった。
魔々勇々と同じ構成の四文字だけど他の紋章術も全部この感じなのかな。
そこからコルレオも根性見せて浮遊…からの街灯に敵を突き刺して勝利!
街灯急に出てきたから一瞬なんだかわからんかった。見返したら魔物登場シーンで街灯描かれてたのか。
そこからエリシアちゃんのおっぱいでキャッチされ、突然の逆プロポーズでシメ!
おっぱいキャッチのコマ、「オッシャア」ってオノマトペ出てて笑った。わかる。
キャラも絵も魅力的ではあるんだけど、イマイチ話が進んでる感じがしなくて大丈夫か…?となるな。
それに何よりコマ割りが凝りすぎてるのがだいぶ気になってきた。250ページとか253ページとか。
工夫してるつもりなんだろうけどそれで見づらくなってたら本末転倒だよなー。
それでいて245ページとかは右側のコマだけ先に読んじゃうレイアウトで困惑。
ちょっとコマ割りが独りよがりになってる気がするのでもう少し読みやすさ重視でいってほしいかもなあ。

●6話

コルレオとエリシアの初めての共同作業(バトル)後。
コルレオ、お前今どき難聴系主人公て……!!
今回のメイントピックは新キャラ、異世界の魔王エスカバ。
カッコかわいい顔に影のありそうな雰囲気と人気の出そうな良いデザイン。
「僕の方がアウェー」、「僕も今怖いんだぜ」、「皆が待ってるんだ」と全体的に信頼させようさせようという意図がかなり強く見えて、怪しいなコイツ…猫かぶってるんじゃないか……??あまり信用しすぎるのは……
……と思っていたらラストで早速エリシアが餌食に。
本性開示するの早いな!!
ここまで早いと逆にこれは狂言で本当は良いやつなんじゃないかって気がしてきちゃうんだけど、「遅いよ!コルレオ」のページ見る限りエリシアの指ヘシ折れてるっぽいからそれもあんまりなさそうなんだよな。
話数的に仲間になるのか宿敵になるのか読めない面白いタイミングかもね。
あと今週は特殊なコマ割り少なくて読みやすかったな。

●7話

コルレオvsエスカバ、勃発…!!
エスカバ、とことんコルレオの怒りをかき立てるような言動をし続けてるし、その割には致命傷は与えてこないし、やっぱりあえて憎まれ役を買って出てるというかコルレオを覚醒させるために演技してる節あるよね。
なんなら「指南役」って言っちゃってるし。
そうなるとエリシアが吐血自体は本当にしてるっぽいのが気になるんだけど、エリシアは別にグルってわけでもないのかな。
今週はバトル自体も分かりやすくかつ面白くて良かった。
紋章術がストック制なの、昔のRPGみたいでいいなって思った(MP制じゃなくて一つの魔法ごとに回数制限だった時代があったのじゃ)。
影を利用する敵→影を無くすために街灯を壊す→敵の攻撃と自分の紋章の勢いを利用する…もシンプル&スマート。
"コルレオの紋章術は特別"とか"タフ過ぎないか?"とか"二つの能力"とか、コルレオの伸び代をとにかく感じさせられるのもワクワクしたし……いいよ!いい感じだよ!しかも次センターカラーだよ!
ここで一発でかいのかまして作品好感度をグインッしてほしいところだね。
てか8話でセンターカラーってめっちゃ早くね???

●8話

センターカラー!
コルレオとエスカバの対決絵。かなりバトル漫画っぽい扉絵だ。
綺麗な絵だけど、躍動感はあんまりないかなー。
カラーだから線画でブレを描けなかったのかな。
てかアナログなの意外。
本編
扉絵の通りコルレオvsエスカバから。
前回読んでる時に、こんな事態になってるのにパンネロさんが把握してなかったらちょっと格下がるよな〜って思ってたので当然把握してて安心。
さらに新キャラ、大アイドル魔王ことミネルヴァ登場!
黒髪のロングツインで人気出そうなデザイン!
林先生の描く女の子めちゃくちゃ可愛いので女の子増やすのは大正解だと思うな。いいぞいいぞ。
絶妙に性格悪そうで一筋縄じゃいかなそうなのも良い造形。
能力は「綺羅綺羅星」。
○○××の命名法則じゃないだと……!?
敵の意識を星に集中させてズラすっていう、ややクセのある能力。でも輝く星に目を奪われるってのはアイドルというキャラ性と噛み合ってて良いな。
ミネルヴァとエスカバの戦闘は、コルレオの時と違って能力使い慣れてる同士のドッカンバトルって感じで絵面は派手でやり取りも高度だったのて見応えあったね!
それでいてトドメはコルレオとエリシアってのも少年漫画的カタルシスがあって良かった。
ラストにはさらに早くも黒幕が登場。
カラーに合わせて新キャラ2人投入な上に話も一気に進めてきた。果たしてこれが吉と出るか凶と出るか……
「"刻印"解…」とか「いや…一人やばいのがいたな」とか伏線もチラホラ撒いてきててちょっと気になるね。

◇振り返り

新連載表紙にはみんな騙されるよね。
まさかマママが早々にフェードアウトするとは。なんなら単行本1巻表紙もそう。
1巻範囲だとまだ爆発力はそんなにかなという印象だけどここからグイっと面白くなってくるからね。
コマ割りの見づらさも今思うと割と速攻で改善されたなー。
1話にはまだまだ重要な伏線が貼ってありそうな気配なので今後がなお楽しみですね。

というわけで魔々勇々1巻の感想でした!
次巻の感想でまたお会いしましょう!
よければコメントやスキの方よろしくお願いします!
それではまた!

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