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「想えば叶う」夢に迄みた箱根富士屋ホテル宿泊 ~ホテル決定編

T子は幼い頃に聞いていた,「箱根に富士屋ホテルというところ有るんだけど,日本では知らない人はいないほど由緒有る名高いホテルなんだよ。天皇様を初めとする皇族達の泊まるホテル。それだけではなく,ホテル側のおもてなしや部屋,周りの景色。何れをとっても素晴らしいホテル。でも,一般庶民はなかなか泊まれるホテルじゃないのよね~!何しろ宿泊代はそれなりに高額だから…。『泊まれる日は来るかなぁ~。』と言った感じかね!」周りの大人達の話を傍らで聞いていた。詳しい事は幼い私に良く分からなかったけど,「天皇様」「富士屋ホテル」「箱根」この言葉だけいつまでも脳裡に残っていた。長い年月は過ぎて私は結婚して,子供を授かった。二人の子供達も社会人なった或る日,思いもよらず勤続年数に応じた景品を旦那は貰って来た。渡された封筒開くと,目に飛び込んで来たのはそれはなんと「旅行券だった」それもかなりの金額だった為,T子は自分の目を疑って,もう一度改めて封筒の中を見ると,紛れなく「旅行券」だ。T子の脳裡を即座に霞めたのは,幼い頃に聞いた「箱根富士屋ホテル」の言葉だ。でも,この時のT子は実現するとは思っていなかった。社会人なっている娘へ一泊または二泊の旅行を持ち掛けてみると,「エッ!旅行~!?。良いね!一度も家族旅行無いものね。何処に?いつ?何泊?家族みんな?…家族旅行だぁ~!有給を取れるのは,12月になる。」「12月は暮れだから宿泊代割高なのよね!宿泊代によっては,交通費も旅行券で買えるからね。」私達は今年出掛けるつもりになってはしゃいでいた。それから数日間のT子は,暇さえ有れば様々な方法で調べた。この下調べを嫌う人達もいるのを聞く。T子にはさっぱり分からない。「楽しいのに。下調べから旅行は始まっている。電車の車種や時間またホテル到着時間,ホテルまでの過ごし方。翌日のホテル出発時間…は。夕食と朝食はどうなっているのだろ?お土産は誰に?いつ頃に買えば良いかな?…エッ!何を…買ったら良いかな?食べ物や置物も有るよね!身に付ける物は?どうしよう」」T子は想いを膨らませては,あれやこれや考えては…まるで乙女の心になってた。T子は今も尚,子供の頃の素直な気持ちを大切にしている女性で又,「人の喜びは自分の喜び。人の痛みは自分の痛み」と感じられる素敵なT子です。さてそんなT子は,まだはっきり宿泊先を決めて無い今から,この様に「ワクワクのソワソワ」をはたから見ると「今からそれじゃどうする?出掛ける前から疲れちゃうでしょっ!」なんて言われちゃう。調べる事は山積み大変だ!でも,楽しさは何十倍有るからまぁ良いかな!」T子は,一日の半分もの時間を費やしていた。あまりにも調べ物楽しくて仕方ない。「フッ!」と気付いて時計に目を向けたT子は驚き隠せずに。何度も時計とにらめっこ!純正さ此にも出ているんだ。オチャメで可愛らしいこの頃から,T子は宿泊先を幼い頃のまま脳裡に焼き付いている,「箱根富士屋ホテル」の言葉は脳裡過っている。暫く,じっと目を閉じると「一般庶民なかなか泊まれない由緒有る老舗ホテル。だからきっと「神様」授けて下さったのでは?」T子は,旅行券を見た時思っていた。「たまには,日頃の雑踏から離れて,ゆっくりする事も必要だし凄く大切な事。普段の生活から離れて,寛いでいらっしゃい!」見えない何か?誰かの囁く声聞こえそうだ。もし本当に聞こえたら一大事だ!T子は自分に問い掛けている。何度,問い掛けてみても「神様のお導き!」の他見つからない。家族旅行の経験のない私達家族。T子は娘よりも「ウキウキ」「ワクワク」だ。家族旅行一度もない家族も珍しい事だと,T子そう感じる。幼い頃から,就職する迄は,年に1~2回は家族旅行へ出掛けていたので,私達のこの家族は,1度も家族旅行には,出掛けていない事に不思議で仕方ない。「なぜ?」と改まって旦那へは聞いていない。明日は娘の仕事は休みだから宿泊先を決めたり,いろいろ調べる事をやらないと,今年中には出掛けられない「さぁ~,明日は楽しみだ。」と呟き,「ね~!明日は宿泊先をまず決めてからその後,旅行会社へ出掛けないとね!」「家族みんなで,出掛けるんでしよっ!パパ達は出掛けたい場所は有るよね」「取り合えず,話してみてみてから…」まるで,遠足の前日を思わせる様な二人興奮をしているのだろうか,夜もだいぶ更けるまで,話し込んでいた。とっても珍しい光景である。T子達親娘は,普段はそれほど,話し込むことはない。どちらかと言えばあまり話す事ははないのだ。高校生に始まった一般的に言うもので「反抗期」まだ引きずっている様で母親T子に対して,攻撃的な態度をばかり取り日頃,争いは絶えない親娘であるのだ。親に何か指摘をされるとプンプンになり,黙って外へ出掛けてしまう。もし,昼間家を飛び出した場合であっても,帰宅は深夜になったり,時には翌朝なる日も。これ等は極々一部の話で有って,日頃T子手を焼いている。「今時の子供は平然と親に対して,言いごたえをする。そして,お構い無しに娘の場合は態度にも出す。…と言ったわけでT子は,思うのである。「周りの家庭ではこうして親娘での話を楽しんでいるのだろうか?きっと私達は変な親娘なのだろう。久し振りに会話を出来た喜びで,翌朝の起きる時間などは問題視ではない。それを遥かに上回った時を過ごせた事の方,T子は喜びである。数時間であったけど清々しい目覚めだ。「さぁ~て!今日は楽しみだ。」朝から張り切る姿は,台所から聞こえる物音に表れている。朝御飯を済ませると娘は,父親へ尋ねる。娘も旅行についてとても乗る気でいる。「旅行券の事なのだけど家族みんなで出掛けるるんだよね!?」父親は暫く考えている様だった。初めに口から出た言葉は,「俺はいいや!家族旅行は」「『いいや』ってどういう事」「遠慮する」「なぜ?折角の家族旅行」「自由に出来ないだろう!」「エッ!」娘だけではなく,傍らで聞いていたT子も,不思議そうに聞いている。「自由に出来ないとは,どういう事?」「どうせ,俺の好きに行動出来ないだろう!」とそれを聞いていたT子は,「私達は今まで1度も家族旅行をやった事はない。こうして旅行券を貰ったのだから,家族みんなでの旅行やろう!1度位家族旅行出掛けた方,良いと思うけどね!『自由に出来ない』と言うのであれば,此所から解散,集合!をやれば良いじゃないのかな?学校の修学旅行でもあるでしょ!そういうの…」「…そういう旅行は家族旅行と言わないだろう!お前ら二人で,出掛けて来れば良いだろ!」「私達で旅行券の全でてを使いきって良いの?」「ダメに決まっているだろう!!」T子は心の中で呟いている,「なぜ,こうになる?普通は楽しい話になるはずなのに…。これじゃ,喧嘩売られたみたい。嫌だなぁ~~朝から。グレー気分,少しは空気をよんで欲しい」「男性陣はどうする?いつ頃に出掛けますか?」「これから考える!!」私はといえば,言い切った言い方で,「この話はもう止めた方,良さそうだ」と。そして娘の仕事休みの今日,じっくり話そう。その後すぐに娘へ,「何処へ出掛ける?ホテル何処に泊まる?」「何処に泊まろ!関西方面は難しいよね!」「…旅費も,含める場合は…こえいう方法め有るね。『近隣の場所に二泊するのは,どう?」「良いね~!それに決まり!場所は?」ここからT子は話術の見せどこだと呟き「あのね。箱根に凄く有名なホテル有るんだけど,値段もそれなりに高くて,日頃やたらと泊まれない所。折角だから,そういうホテルに泊まるのはどう?皇族の人達泊まるホテル」「良いね~!そこ決める?でも,今から空いてる?」「じゃ,今から旅行会社へ出掛けてみる?」珍しく娘は素直だ。旅行絡んでいるからだろう!とT子は例えこの一時で有っても,楽しもう心の中で呟いてた。旅行絡みの話だからだろう。それでも良い。私達二人は旅行会社へ出掛ける事になった。11月下旬の今日,「窓口」かなり混んでいる。待つ事,30分ほど。私達の順番になり案内の始まりだ。幾つかのプランを聞かされた。日にち的な事も有る。暮れも押し迫ると宿泊代も高くなる。高くなれば旅費の方響き,旅費も賄いたいのであれば,部屋のタイプを下げなければいけない。1時間も話し合いやり,旅行会社では得ていない情報の問い合わをせホテル側へ入れて貰い,私達の希望する日にち,少しずらす事で満足度の優れたプランを決められたのだ。「富士屋ホテル」幾つかの建物に分かれて各々に違った造りになっている。それは建物その物であり,また内部の構造自体,そして私達の一番きになる部屋だ。どの建物もそうである,ひとつの建物の中で有っても,様々なタイプになっているとの話だった。私達はかねてから泊まりたい強く望んでいた,「花御殿」に決まり!建物から一般的なホテルとは格別に違う。手の施しに目を見張る建物になっていて私達は二人供にまずそこに惚れ込んだ。クラシカルを好む二人には,ぴったりな建物。勿論,内部の造りやインテリア,そして一番の気になる部屋もクラシカルなっている。正に私達のために誂えて造られた?錯覚するほどに私達のための建物部屋だ。この「富士屋ホテル」には一般的に宿泊出来る建物は,『本館』『花御殿』『洋館』と1日一組限定で宿泊出来る唯一の和風タイプ造りの建物で,内部も純和風造らてる。『数寄屋造り』の建物だ。又,やはり1日一組限定で結婚式も執り行われ,かなり高額になっているんだろうな!ところでもう1つ気になるのは夕食のメニューの事。誰も気になるもので,T子も紛れなく気になる。旅行会社の話では,本格的なフレンチだと言う事だ。「フレンチですか?恥ずかしいので大きい声で言えないんですけど,私達二人は1度も食べた経験は無いので,少し心配。作法あまり知らないので…」「大丈夫っす。今はご希望されるので有れば,お箸をお付け致しますので御安心下さい。」「箸をですか?フレンチに箸では周りのお客様に笑われてしまいなすね」「ホテル側はお客様に美味しく食べて頂く只,それだけですから。御安心下さい」そして,私達はそれこそ日頃の距離感の開いた親娘に到底見えない二人として,周りには映っていたのだろう。あとは,当日を待つだけになった。「どうぞ良い御天気になります様に!!」

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