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「変わってるね」は悪口

子供の頃、「変わってるね」が褒め言葉だと思っていた。
発想がユニークだね、みたいなニュアンスで言われてるんだと本気で思っていたので、悪口なんだと知った時は結構衝撃的だった。

決して自分から「あたしって変わってるから〜」などとイキリ芸を披露しているわけではないんだけど、「変わってるね」と人から言われる事は対人評価として加点されているものだと純粋無垢に思っていたので、言われるたび「ありがとう」と答えていた。
今はもう大人になってしまったので、それが俗に言う「引かれている」ことなんだと理解できる。


ここ数年は、自分のことを理解してくれている友達とばかり遊んでいたので「変わってるね」と嫌な意味で言われる事は全然なくて、すっかりこの感覚のことを忘れていたんだけど、
今日久しぶりに面と向かって「変わってんね〜」と言われてハッとした。


人間は、共通点が多ければ多いほど「仲間」という認識を持つため、他人との会話では基本的に「わかる〜」を引き出さなければならないのだが、つい楽しくなって自分のことを話したらかなり引かれてしまった。

相手は美容師さんだったので、別に引かれた所でちゃんと髪を切ってくださるし、べつに困る事はないのだが、わざわざ本当のことを言わなくてよかったのにベラベラ喋ってしまったことを後悔した。

一応記録として書いておくけど、引かれた内容としては、
「できるだけ行った事ない場所に行って、できるだけ知らないものを食べたいし飲みたいから、旅行先で現地の人が飲んでるわけわかんないきったねー酒を飲みたい」みたいな話をしたら、「うっわ、かなりアッチ系ですね、変わってんな〜」みたいな会話だった。

ちなみにアッチ系というのは東出とか窪塚洋介とかの、山奥でわけのわからない草を吸っているジャンルとのことで、
「この人から見ると、私ってそのジャンルにいるんだ…」と複雑な気持ちになった。ご本人達には大変申し訳ないのですが。


帰り道、この話を会社の人に言わなくてよかったな〜(私は会社のメンバーのことが大好きだから引かれたくはない)とは思ったが、
その一方で

別に、マジでどうでもいいな、とも思った。


人に「すごいね」「素敵だね」と褒められたくて生きてるわけじゃないし、心から現地の人が飲んでるわけわかんなくてきったねー酒飲んでみたいと思ったなら、金払って飲ませて貰えばいい。それだけじゃん。
嫌がってる誰かに飲ませてるわけでもないんだし、いいんだよ、これで。

人から言われる「変わってんね〜」は、「お前は異常者だから仲間にはなれない」という意味に聞こえて嫌な気持ちになるけど、
嫌われたくないという一心で余計なことを言わないように、黙ったり嘘ついて取り繕ったりしてたら、自分の本音がわからなくなってしまう。

会話はスポーツなので、
仲良くなりたいとか、仲良くやっていきたいと思ってる相手なら、平凡な会話の中から共通事項を探し出し、怪しいものではありませんよ、仲間ですよ、というアピールをして、あなたは最近どうですか?という世間話や身の上話を重ねていかなければならないが、
お前が出したいのはそのスポーツの高得点か?と問われたら、そうじゃない。

ありのままの感想を言う事がそんなにいけないことか???なぁ、違うだろ兄弟。これが、私の身の上話なだけだよ。

私は、前からずっと言ってるけどアマゾンとかジャングルに行ってみたいし、訳のわかんない現地の人が飲んでるどぶろくも飲んでみたい、いっぱいはヤダけど虫も猿もアザラシもウミガメも食べてみたい、「これ食べたらどんな味するのかな」って疑問を持ってしまったら、好奇心を持ってしまったら、知りたくて知りたくてたまらなくなる、ただ、それだけだよ。


変わってるね、はマジで悪口。
だけど全然どうでもいい。

人と比べても、何にもならないよ。
自分の胸の、ドキドキとワクワクだけ聞け。
他は全部、雑音。



※法と倫理の外側のやつと、迷惑かける系がダメだってわかってます大人だから。

このお金で一緒に焼肉行こ〜