「どけクソババァ」というアイデンティティー
「うるせぇコノヤロー!バカヤロー!」
玄関の前に到着した車の助手席から窓越しに聞こえてくる怒号。
今日の体調が伺える。絶好調のようだ。
朝の挨拶は人によって様々でいいと思う。
「ご機嫌麗しゅう」でも「どけクソババァ」でも、朝、相手に対して言葉をかけることが大事なのだ。挨拶の良し悪しは受けてに委ねられる。僕はその人の挨拶を面白がっている。
威勢のいい挨拶を聞いて、僕は助手席のドアを開けた。
競走馬のごとく勢いよく飛び出すかと思えば、足元は赤子のようにヨチヨチだ。背丈は僕の