私の価値ってなんだろう?自己肯定感という株式会社。
「私自己肯定感低いからさ」
そう私の友人は言った。
なんで自己肯定感は高さと低さで計られんだろう。
「自己肯定感って、上がったり下がったり株価みたい」
私は言った。
「じゃあたくさんの人が私の株を買えば高くなるのかな?」
「でも、人があなたに興味を持たなくなったらいつか倒産してしまうよ。」
「じゃあどうすればいいんだろう。私の価値って誰が決めるの?」
そう友人は不安げに私を見つめている。
「うーん。私はあなたの価値は決められないけど、一回廃業してみるのもいいかもしれないね。そして遠くに旅をしよう。そしていろんなマーケットを見てきて。」
と提案してみた。
友人はそれを聞いて満足して、翌日飛行機に乗ってパナマに行った。
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三ヶ月後、友人が日本に帰ってきた。すっかり陽に焼けてこんがり、少しふっくら、健康そうな見た目になって。
「おかえりなさい。パナマはどうだった?」と私が聞くと、友人は嬉しそうに答えた。
「あのね、私居なくなっちゃったみたい。言葉も通じなくて、お味噌汁も飲めないし、パナマに着いた時はなんでこんな遠くにきたんだろうって思ったの。でもね、なんか時間が経つにつれてパナマに慣れて、海が大好きになって人も優しくて明るいの。それで思ったの、私ってこんなに変わるんだ。ほ本当は私なんて居ないんじゃないかって。」
私は友人の言っていることがなんとなくわかる気がした。
何より、友人が楽しそうに元気でいることが嬉しかった。
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