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芸術学研究のアトリエ

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その時々での月詠の芸術観や、 実績を重ねる毎に学び得たことの記録。 人に公開できる分だけの研究日誌のやうなもの。 /研究中のぼやきは #研究者見習い月詠のヒトコト日誌 か…
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2019年10月の記事一覧

芸術にあたるということ①

芸術にあたるということ①

イギリス海岸を訪ねて 花巻に向かったのは学会に参加するためだったのだが、それだけではもったいない気がしていた。すると、『銀河鉄道の夜』の"プリオシン海岸"のシーンが何故だか頭をよぎった。恐らく、学部の卒業制作において、そのシーンに出てくる博士を宮沢賢治自身の写であると主張したことが印象的だったのだろう。そこまで気になるのならば、とモデルとされているイギリス海岸に向かうことにした。
 9月24日は、

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芸術にあたるということ②

宮沢賢治「イギリス海岸」を読んで 賢治の時代から、件のイギリス海岸の白い地層が与える印象はさほど変わっていないように思う。地球の歳月と人の間の歳月とは、比べようがないくらいに挟まっている時間の収縮度が違うのだから、驚くことではない。それでも、多少なりとも似たものを共有できるということは嬉しいものだ。
 石巻の学校を比較対象に持ってくるあたり、イギリス海岸は花巻にとって海のような存在でありながら川遊

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