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子どもの発音の誤り:「キ」「ケ」が苦手なのは口腔機能発達不全症かも?②

前回に引き続き、最近かなり増えている印象の口腔機能発達不全症のお話です。

口腔機能発達不全症からくる発音の誤りは、口腔機能発達不全症のためのトレーニングで治せます。何をするのかというと「お口トレーニング」=マイヨ・ファンクショナル・セラピー(略して MFT)を行います。

MFTって何をする?

簡単に言うと、お口の筋トレです。口腔機能発達不全症は舌や唇の筋力低下によるもののため、筋トレして筋力アップを目指します。具体的な内容は例えば以下の通りです。

①唇のトレーニング:吹き戻し、吹き上げ、シャボン玉、ガム風船

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吹き戻しとはイラストのようなおもちゃのこと。唇に加えて息を吹き込み、紙の部分を伸ばしたまま保つことで、唇のトレーニングになります。シャボン玉も、噴き口をくわえてそーっと息を出すため、唇の微妙な力加減のコントロールになります。口腔機能発達不全症のお子さんはお口がぽかんと空いている子も多いので、唇の筋力トレーニングはとても大事です。

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ガム風船も立派なトレーニング法。こちらは舌の使い方のトレーニングにもなるのでダブルでお勧めです。

②舌先のトレーニング:スプーン舐め、スプーン押し

スプーンにジャムやチョコクリームをちょっとだけつけて、それを舌先で舐めとります。口腔機能発達不全症のお子さんは、舌先をぴん!と尖らせることが苦手です。舌先の力が弱いとタ行やダ行の音も苦手になってしまいます。舌全体でべちゃっと舐めとるのでなく、舌先を意識して舐めとるようにしてください。初めはできないかもしれませんが、徐々にできるようになりますよ。

舐めとったあとは、ついでにスプーンと舌で押しあいっこをするとよりgood! 保護者がスプーンを押して、お子さんは舌で押し返します。いい筋トレになります。

③舌全体のトレーニング:飴玉ころがし、ガムころがし

お口の中で、飴玉を右→左と転がします。保護者が子どものほっぺたを触りつつ「こっちに持ってきて」「次は反対側」と誘導してあげましょう。

ガムを噛みつつ、口の中で丸い形にするのも、舌のトレーニングとして有効です。

お口トレーニングで発音もきれいに

いかがでしたか。どれもお子さんが喜んでしてくれるトレーニングばかりです。

筋トレは5分でいいから毎日行うのが鉄則です。唇や舌のトレーニングを行い筋力をつけ、それらを器用に動かせるようになると、「キ」「ケ」を出すときの舌の使い方が改善して、綺麗な発音を獲得することができます。通常のトレーニングでなかなか改善しないという方は、MFTをお試しください。

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