世の中の会話には、とにかく“言わなくていいこと”が溢れていません?人と成熟した関係を築きたい。
童話とは逆パターンになりますが、自分も同じ仲間だと思って白鳥の群れに入っていたら、実はアヒルだと気づいた経験ってありますか?
私はあります。女子会で、浮きに浮いた時がまさにそんな感じでした笑。
ある年のクリスマス。パーティに誘われて喜んで参加した私でしたが、メンバーが所謂“女子”の子達ばかりだったんですね。今思えば。
今思えば、と言うあたり、いかに当時自分はアヒルだという自覚がなかったか、という感じなんですが、空気を読めず、やらかしました。
1000円まででプレゼント交換をという話になり、何を買おうか楽しく考えて、これだ!というものがあったので、ウキウキして購入し持って行ったんですが。
私のプレゼントに当たったその子の引きつった顔、その場の何とも言えない空気は、今思い出してもいたたまれないものがあります。
もこもこパステル系の靴下やちょっとした化粧品、可愛い雑貨などが広げられる中、私のプレゼントは明らかに異彩を放っていました。
私が持っていったプレゼントはコチラ。
mixi(分からない世代の方は調べてね笑)のコミュニティで集められた面白い寝言が収録された本で、印税は全てボランティア団体に寄付されるというのも素晴らしいと思った本です。
これは面白い!喜ばれること間違いなし!と踏んだ私は、限度額を少しオーバーしてまで買ったのですが、結果は、今まででワースト1位を争うチョイスとなってしまいました……。
ということで、女子会にはこのトラウマを含め苦手意識があります笑。
前置きが長くなりましたが、そんな私が好きなTV番組として挙げようと思ったのは、フジテレビで日曜早朝に放送されている、はやく起きた朝は…です。
マンションコンシェルジュとしてシフト勤務していた頃、日曜日に早番が当たると、支度をしながら毎回見ていました。
最初見た時、なんだか分からないけどこれすごくいいな、また見たいなと思いました。
回を重ねるうち、自分は何が良くてこの番組を見てしまうんだろう、と不思議な気持ちになりました。
最新の流行を追うわけでもなく、特別目新しい情報を発信する訳でもなく、お腹を抱えてゲラゲラ笑わせるわけでもない。
派手な仕掛けもなくて、ただ森尾由美さん、磯野貴理子さん、松居直美さんの女性3人が、自然な雑談を楽しんでいる、という表現になるような番組で。
女子会が苦手な私だけに、尚更理由が分かりませんでした。
ある時ふと思いました。ああ、この番組って温かいんだ。皆さん三者三様でそのまま。
無理がなく、日常を自然体で語るところにきっとすごく親近感を覚えるんだ。
そして何より、3人がお互いを尊敬して大切に想い合っている姿が素敵で、自分は少し羨ましくも思っている。
例えば、何か新しいことを始めたと1人が話せば、他の2人は、それ何何?どうやるの?と興味津々で質問をし、これまでの互いの歴史の中にある関連事項に言及したりして、どんどん話が弾んでいく。
何より素晴らしいのは、相手をきちんと自分とは違う他人と認めていて、ジャッジを一切しないこと。成熟した関係でないと、これが難しいんですよね。
「そんなの始めたって遅くない?」と水を差したり、
「またすぐ飽きて続かないよ、どうせ」と足を引っ張ったり、
「しつこいところが〇〇の良いところよねぇ」なんて嫌味を言ったり、
「そんなことするお金がある人はいいけどねー」とあてこすったり。
世の中の会話には、とにかく“言わなくていいこと”が溢れていると思うんです。
心の中で思ってもいい。でもそれ、言う必要ある?気づいてないと思うけど、それは単に自分の憂さ晴らしでしょうよ、という一言。
今までに言われたこれらの言葉、トゲのように刺さって残ってるって方も、多くないでしょうか。
私は悩み事がある時、問題がよく分かっていて、感情抜きでズバッとした回答が欲しい時は男性に、堂々巡りをしてどこにも行きつかず困り果て、感情を受け止めて欲しい時は女性の友達に相談することが多いんですが。
相手の気持ちを汲み共感し、キャッチボールをしながら関連する話題に移るを繰り返すことで、相手を癒したり励ます女性のコミュニケーションって素晴らしいな、とこの番組を見ていて改めて思います。
自虐ネタとして女子会という言葉を引き合いに出しましたが、自分と正直に向き合うと、暫く前まではこの言葉に少し嫌悪の響きが乗っていたと思います。
大きな理由は、幼少期~思春期に女子グループの付き合いが上手くいかなかったこと。
気弱で地味ダサ系の自分を恥じ、今なら女子会に参加しているであろう、輝いている彼女達を羨ましく思っていたから。
自己分析の習慣がついてから、深く思考する、内省や感覚の情報処理で充電時間が必要、自立心が強く自由を好む、妄想癖がある、などの特性を理解し自分を好きになりました。
それからは、単に所属するカテゴリが違うだけなんだと納得がいき、女子グループへの妬みのような感情は成仏させることができました。
“はやく起きた朝は…”の彼女達を見ていると、大人の女性の友情の見本だなと思います。
加齢を楽しく受け入れながらのいろんなチャレンジ。
相手から受ける良い刺激への素直な反応。
前向きな声がけや激励。
そしてNO不要な発言。
何をしゃべるかが“知性”であって、逆に何をしゃべらないかが“品性”と、スピードワゴンの小沢さんが発言され話題になりましたが、このセリフを聞いた時、納得し過ぎて唸りました。
“品があって面白く、成熟した大人の女性”をこれからも理想とし、はやく起きた朝は…のお三方のように、楽しく歳を重ねていきたいと思っています。
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