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「コンセプチャルと柔軟性」

今年の2月に「不完全という機能」と題してこのカバンをここで紹介しました。要は『ふつうカバンに求められているだろう様々な機能をすっ飛ばしてスッキリした格好をしています。』という話を書いたわけです。

『実際にお使いください。』とトライオンさんから黒い布袋に入れられた製品を拝領しましたが、ちょっと有り難すぎて本人も「びびって」なかなか実際には使えなかったのであります。

数ヶ月前から意を決して(?」自宅と事務所の行き帰りにカバンを使うようになりました。
ちょっと擦れた跡も出来るようになりましたし、硬い硬い持ち手もすこし「こちらの都合に合わせて」くれるようになりました。

『カバンを持たない人が持ちたくなるカバン』と言う禅問答のようなコンセプトで出来たカバンですが、実際に使い出すとそのコンセプトの「意味」に即しているというか、見た目の「人を寄せ付けない気迫」と裏腹によく物が入る入るから入れたくなる。

言えるのは「持ち物が少ない人」には適していません。なぜならカバン自体が重いし持ち手もガッチリしすぎに感じます。

他方、持ち物が多い人にはちょっとした「奇跡」が経験できます。

なぜなら、中身が重くなるほどに軽く感じるんです。理由は硬い革のおかげで荷物の重さが分散される事としっかりしたハンドル自体が荷物を持ってくれているからです。

これをわたしが最初から「計算」していたらたいしたものですが、結果論です。

ただ毅然とした全体の「風情」については計算通りです。

秋田道夫
2023/11/2






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