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#1★ 良きドールとは、人が話している言葉の中から、伝えたい本当の心をすくい上げるもの。

私が大切にしている作品の中に
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
という物語があります。

“心を持たない ただの 戦う武器(どうぐ) “
として

戦争へ駆り出されていた 少女
ヴァイオレット・エヴァーガーデン。

自らの手で
多くの命を奪ってしまった彼女は

自分を庇護してくれた “ 少佐 ” からの

「あいしてる」

という言葉を耳にすることで
物語は進んでゆきます。

彼女にとって、
正体不明だった “ それ ” が

次第に凍り付いた心を融かし、
音を立てて燃え盛ってゆくことも知らずに。

これは、
そんな感情を持たない 少女 が
人を結ぶ手紙の 代筆 を生業に
愛を知るまでの 物語 です。

今回紹介する言葉は、
アニメ2話より、
ローダンセ教官という女性が
ヴァイオレットへ送った言葉について。

幼い頃から、
戦争の武器(どうぐ)として

ただ、
命令に従うだけだったヴァイオレットは

「あいしてる」 を届ける
" 自動手記人形(ドール)"
という 生業 に出会い、 

その 資格を有するために
学校へ通うことになるのでした。

はじめて、
自分の意思を主張して___

学科やタイピングでは
優秀な成績を修めていた彼女でしたが

軍人として
戦況の報告ばかりしてきたためか、

はたまた、
戦争が想いを伝える意味を
奪ってきたためなのか。

自動手記人形として大切な
 ” あること ” 
がすっぽり抜け落ちていたために

呆気なく、
試験を不合格になってしまいます。

その、” あること ” について
教えてくれたひと

それが
かつてヴァイオレットを指導してくれた女性、
ローダンセ教官であり、

今回、私が紹介したい
大切にしている言葉です。

ローダンセ教官

のちに、
ヴァイオレットは、
彼女から受け取ったその言葉を
心のコンパスに

ある女性の想いを
手紙にのせて届けることによって

自動手記人形としての一歩を
踏み出すことになりました。

その旅立ちのシーンにて、
ローダンセ教官が
ヴァイオレットへ送った言葉です。

良き 自動手記人形(ドール)とは
人が話している言葉の中から
伝えたい 本当の心をすくいあげるもの。

あなたは今、
その一歩を踏み出したのです。

ヴァイオレット
あなたが 
良き 自動手記人形(ドール)になりますように

ローダンセ教官/ヴァイオレット・エヴァーガーデン2話


私がこの言葉の一端を
初めて耳にしたのは、
アニメが放送される前のことでした。

いま思うと、
予告で流れてから
アニメが放送されるまでの間、

くりかえしくりかえし
擦り切れるまで観ていたことが

数多の言葉の中でも
特に大切になった 所以 のように思えます。


この言葉に出会う前の私は、
劣等感や 寂しさで 混沌とした
心の中の”もやもや”を
霧払いする術もさっぱり分からず
 
「相手の気持ちがわからないヤツ」
というレッテルを
自分に塗りたくってくる
親からの圧力も相まって
 
自暴自棄かつ 満身創痍に陥る日々を、
長い間、繰り返してきました。
 
「相手の気持ちが分かる」
という表現に違和感を持つようになったのは、
大学生の頃からだったと思います。
 
自分の気持ちですら、
説明がつかないものなのに、

ましてや、
相手の気持ちなんて
分かるはずもないだろう、と。
 
たとえ、
いくら相手のことを想ってみても、
こちら側の憶測の域を出ることはなく、
 
「”人の気持ちが分かる” なんて、傲慢だ。」

燻り続けるそうした想いを
抑えられずにいました。

そんな頃でした。
この言葉に出会えたのは。

良き 自動手記人形(ドール)とは
人が話している言葉の中から
伝えたい 本当の心をすくいあげるもの。

なんてやさしくて、品のある表現。

かつて、惚れ惚れした想いは
この言葉へ触れるたびに
今でも色鮮やかに蘇ります。

人が話している言葉の中から
伝えたい 本当の心をすくいあげるもの。

物語のはじめ、
ヴァイオレットに足りていなかった
自動手記人形(ドール)としての心得、

 ” あること ” 
とは、このことでした。

同時に、
いまを生きる私達にも当てはまる
大切なメッセージにも思えます。

先述した通り、
「相手の気持ちがわかる」という表現に
違和感を抱いていた 私は、

この言葉との出会いを機に
「相手を想う」ということのあり方、
心の” もやもや ”を昇華する術を
自分なりに見つけ出すことができました。

自分のnoteを
「 言葉=器 」
というタイトルにしたのも、
この言葉からの着想です。

カタチの定まらない何かを
「すくいあげる」ものとして、
器(うつわ)を
連想するようになったからでした。

人の想いとは
目に見えないけれど

例えるなら
色がついた霧のように
様々な想いが混じりあって
心の中を漂っている

そこに コトン と
言葉を据えてみると
想いの粒たちが吸い寄せられてゆく

そんなイメージを持っています。

相手を想う ということは
相手の想いを 一方的に
決め定めることではなく、

相手が話した言葉の中から
本当に伝えたいことは何なのか
相手に寄り添って考えて

その心をすくいあげられるよう
相手のそばに 言葉を据えてみたりして

言葉に想いをよそってあげること
なのかもしれません。

もし、
そのように考えられたなら
素敵だろうなぁと、私は思っています。

そして、
本当の心をすくいあげたことに
実感のなかったヴァイオレットへ
ローダンセ教官が伝えた言葉。

あなたは今、
その一歩を踏み出したのです。

そっと背中を支えられながら
一緒にスタートラインへ
立ってくれるような言葉に

ローダンセ教官の
優しさと凛々しさが
詰め込まれているように思えます。

そして、
自動手記人形の証として
紋章が授与されるものの、
きょとん とするヴァイオレットへ
最後に伝えた言葉。

ヴァイオレット
あなたが 
良き 自動手記人形(ドール)になりますように

彼女の名前を呼ぶことで
ゆっくりと顔を上げる演出や、
厳しかった教官の 優しい声色が
このシーンをより一層、素敵な
ワンシーンへと昇華させていました。

もしも、皆さんだったら
旅立ちのヴァイオレットへ
どのような言葉をかけますか。

私だったら、
「おめでとう。これからも頑張ってね。」
なんて、声をかけるかもしれません。

私が今回紹介する言葉の
前半だけを切り取らなかったのは、
後半にも 表現の美しさを感じたためです。

ローダンセ教官は、
ヴァイオレットのこれからを祈った。
ただ、それだけ。

でもそこに、
とても美しさを感じました。

もしかすると、
相手を想う というのは
こういうことなのかもしれませんね。

時に私たちは、
相手のことを想っているはずが
自分の思い通りにいかないと
不満を抱いてしまうことがあります。

give & takeでないことに、
不公平さを感じてしまったり。

けれど、
この言葉に出会えて、

少しでも、
ほんの少しでも、

相手を想うことについて、
振り返るきっかけになっていたら

私の文章が
その一助になれていたら
大変嬉しく思います。




あなたの想いに
ぴったりの言葉(うつわ)
が見つかりますように。

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