見出し画像

子どもの聴力を見える化

皆さん、こんにちは。岩尾です。
さて、今日は、子どもの聴力を見える化していきます。
 
ご存知の通り、難聴は体験できません。
子どもがどのような聞こえなのか、疑似体験できません。
 
そして、難聴の子どもも、聞こえる体験ができません。
なので、「聞こえるかどうか?」ということに関しては、双方の捉え方が全く違います。
子どもに「聞こえる?」と聞いて、「聞こえる」と答えても、それが本当に子どもにとって最適な聞こえ方かどうかはわかりません。
だって、聞こえる経験をしたことがないんです。
 
なので、ここはやはり、データという数字で客観的に見える化しておくことも非常に大切です。
つまり、聴力をしっかり把握しておくことです。
 
聴力の把握には、補聴器などを外して測定する裸耳聴力
補聴器などをつけて測定する補聴聴力の2種類があります。
(補聴聴力と呼ぶかは不明です(笑))
 
補聴器などをつけての検査は、ヘッドホンで測定できないので、専用の測定器が必要になりますが、補聴聴力を把握しておくことは非常に重要です。
 
なぜなら、補聴した聴力が生活している聴力なので、聞こえているかどうかチェックしておく必要があります。
 
単純に裸耳の聴力が変化することもありますし、補聴器も機械なので、故障もあれば、何らかの要因で設定が微妙に変わってしまっていることもあったりします。
 
なので、定期検査は非常に大切ですね。
 
さて、うちの娘の定期検査結果が以下です↓

これは、補聴器をつけて、右耳、左耳、両耳の3パターンで測定した結果です。
 
この表をオージオグラムと呼びます。
 
オージオグラムの中で、バナナのような形を書いていますが、これを「スピーチバナナ」と呼びます。
この枠で囲まれた部分に、人の会話の音の成分が入っています。
つまり、スピーチバナナの枠に聴力が入ってないと、人の会話は聞き取れない、聞き取りが困難ということになります。
 
その中で、リング6音というのがありまして、この6音を聞き分けることができれば、聴覚を活用できるスタートラインに立てるというイメージのようです。
 
字が見にくくて申し訳ないですが(笑)、
a、i、u、m、s、shの6音です。
 
日本語のリング6音のようなものがあるのかはわかりませんが、日本語の発音の周波数と聴力の位置もざっと書いています。
ひらがなの部分ですね。
 
ただ、このひらがなの位置は、資料によって結構違いますので、なぜかはわかりませんが、詳しくはSTさんにお尋ねください。
 
これで見ると、気になるのが、500Hzの聴力ですね。
リング6音のaがどうも聞こえていないよう。
 
実は、これは定期検査の結果で、リング6音を記入していませんでした。
娘も特に聞こえにくいとかはありませんでしたが、ちょっと聞き返しが多くなっていたのは、気になっていました。
 
それで、ちょっと前に最近の補聴器は実はもっと聴力を上げられるということを教えてもらい、少し上げてみようと改めてこの検査結果でリング6音を当てはめたら・・・
500Hzが聞こえてないようだと発覚。
他にも、もう少し上げたいところがあることがわかりました。
 
実はこの500Hzあたりのところ、フォナックの補聴器は、出力?がちょっと落ちる特性があると聞いていたので、下がるのはしょうがないかなとは思ってたんですけど、そもそもリング6音を下回っては元も子もない。
それで、言語聴覚士さんと補聴器の設定を見直しました。
 
本当は、調整後の右耳、左耳、両耳のデータを取るべきですが、娘の集中力はまあ、持ちません(笑)
両耳のみ確認した結果がこちら↓

わかりやすいように緑色の▲で記入しています。
(実際のオージオグラムでは緑色は使いません)
 
リング6音は全てクリア。
(sのある8000Hzは測ってませんが)
 
日本語も、「ざ」と「さ」は届いてないかもしれませんが、こちらは、実際に話せるし、聞こえていることは多いです。
でも、サ行は難しいので、わからないときもあって、ここは仕方ありません。
 
本人、最初は、
聞こえ方変わった?同じ?と聞くと
「同じ」
「うるさい」
と言ってました。
少しうるさいとは感じているよう。
 
で、しばらくしたら、
「聞こえやすい」
と言っていました。
 
1日後は、うるさいとは感じてないし、聞こえやすい印象のようでした。
 
オージオグラムが全てではないですし、本人の感想が全てでもないです。
両方を見て、聞こえの状況をしっかり把握しておくことは非常に重要なことです。
 
▲や○の表(オージオグラム)が出てくると、「わー!わからない!」となってしまう人もいるかもしれませんが、全然難しいことはありません!
非常に単純ですよね?
 
検査結果が、リング6音を上回っているか?
聞こえにくい日本語があれば、そこをカバーするよう出力を上げてもらうか。
裸耳聴力の半分しか上げられないというわけではないので、少し出力を上げることを試してみるか。
定期検査でしっかり考えられるといいですね。
(もちろん、必ず6音を上回らなくてはいけないわけではないので、STさんとしっかり話し合ってください)
 
というわけで、定期検査は非常に重要です!
子どもといつもと同じように会話ができているから問題ないではなく、定期的にやることが大切なので、ここはしっかりやっておきたいですね。
 
自分にも言い聞かせつつ(笑)
 

よかったら、ぜひフォローをお願いします!

言葉のかけはしの記事、活動に共感いただきましたら、ぜひ、サポートをお願いします! いただいたサポートは、難聴の啓発活動に使わせていただきます。 難聴の子どもたち、難聴者と企業双方の発展、そして聞こえの共生社会の実現のため、どうぞよろしくお願いします!