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難聴学級新設申請マニュアル

皆さんこんにちは!
岩尾です。

今日は、たまたまTwitterでご質問をいただいこともあり、難聴学級の新設申請の仕方をお話ししようと思います。

まず、前提ですが、文科省の方針としては、保護者が希望すれば、基本応じなければいけないということになっているとのことです。
ただし、部屋がないとか、予算が取れないとかで申請が通らないこともあります。

1人でも申請できますし、手帳がなくても申請できます。

というわけで、手順と言うほどではないですが、以下のようなやり方になります。

⓪年少~年中で小学校見学
①年中の1月~2月ぐらいに、発達教育センターに新設希望を伝える
②年長の7月頃にある就学相談を受け、その時にも伝える
③11月に最初の「判断」が通知される
④2月ぐらい(入学2ヶ月前)に正式決定の連絡

となります。
以下、詳しくお話しします。

⓪年少~年中で小学校見学


これはまずは、学校を調べるということです。
地域によって違うでしょうが、例年11月に学校開放週間というのがありました。
感染症のせいでほとんどが中止になってますが、今年はあるのかどうか・・・
このときでも、この時じゃなくてもいいんですけど、一度通う予定の小学校に行き、校長先生に以下を聞いてみてください。

「難聴学級を作りたいと思っていますが、余分の部屋とかはありますか?」

学校の先生もどうやって作るのか知らないケースの方が多いと思いますが、学校側に作ることの決定権はありません。
なので、作ってもらえるか聞くのではなく、ただ、部屋の空きがあるかどうかの確認だけです。

学校によっては、プレハブまで建てて人数パンパンのところもあり、そのような状態であれば、物理的に厳しいと思われます。

部屋の空きはあるとわかれば、新設の可能性は高まります。

余談ですけど、今小学校は、空調がついていることなども条件にあるようで、部屋はあるけど、空調を付けられるかどうかはわからないといわれることもあるかもしれません。
でも、部屋の空きがあるのはかなり良い材料です。

もし、新設の可能性がなさそうであれば、難聴学級が既にある校区へ引っ越すのも一つの方法です。

子どもも大きくなり、引っ越しを考えているのであれば、難聴学級を尋ねて様子を見て、その校区へ引っ越しもありです。

ちなみに、校区外からも通えますが、親の送り迎えが必須になります。
帰りは放課後デイを利用すれば、夕方仕事終わりに迎えにいけますが、朝は毎日送りになりますので、場所によっては非常に厳しいでしょう。

難聴学級がない、校区の学校も人数パンパンの場合、空きのありそうな学校へ引っ越すという手もあります。
もちろん、必ず新設できるわけではないですが。

いずれにしても、早目の確認は大切です。

ちなみに我が家は、どちらか学校を選べる位置にありまして、2校見学に行きました。
言った結果、近い方の学校は、人数パンパンでもう部屋はない。というか、人数パンパン過ぎるので、建て替え申請を出しているとのこと!
これは聞きに行って良かったです。
毎日真横で建て替え工事してたら、難聴児には地獄ですね。
選択肢から外れました。

もう一つ余談ですが、部屋の心配を話したところ、
「部屋がないなら、僕(校長先生)の部屋を使えばいい。その間、僕は別のところにいればいいから」
と言ってくれた校長先生がいるんです!
何て漢な校長先生でしょうか!!
子どもにとって良いことなら、何でもやりようはあるんです!
「部屋がないから」なんて、本当はただの言い逃れに過ぎないと感じました。
ただし、ほとんどの先生はここまで言ってくれないとは思いますが、こんな方法も伝家の宝刀として持っておいて、いざというときは使ってみてもいいと思います。
使わなければ斬れませんけど、使ってみれば斬れるかもしれません。
いや、別に先生を斬るために使うわけじゃないですけどね(笑)

①年中の1月~2月ぐらいに、発達教育センターに新設希望を伝える


なぜこの時期に伝えるかと言いますと、入学の前年(年長児)の5月に次年度の予算が決定されます。
5月以降でも予算を少し見直すことはできるようではありますが、5月以前に確保してもらっておいた方が確実です。
これは、発達教育センターの課長さんも、「早めに言ってもらえるに越したことはありません」と言われてました。

さあ、福岡市ではこのような申請用紙があります。
受付票と書かれてますけどね。

発達教育センターに連絡して、この用紙を記入してメールで送ります。
「確かに受け取った」という返信を念のためもらっておきましょう。

人によっては、ここに書いてあることを電話口で聞かれて、「申請しておきます」というパターンもあるようです。
僕は、このパターンは心配なので、用紙をもらって送る方式にした方がいいかなと思います。

また、電話すると、「7月の就学相談で言ってください」と言われることがあるかもしれません。
これは、電話に出人があまりよくわかってない方だと思います。

「新設申請なので、早めに出した方がいいと聞きましたのでこのタイミングで申し込んでいます。申請用紙をお送りしますのでよろしくお願いします」
と言って送りましょう。

要望理由としては、聞こえにくいため、本人が学校生活を送るうえでの具体的な困りごと(懸念事項)を書きます。
推測ですけど、一番説得力があるのは、聞こえないことでの学習の遅れが懸念されるということかなと思います。

②年長の7月頃にある就学相談を受け、その時にも伝える


ろう学校、難聴学級、通級などを利用したい場合は、必ず前年の7月に就学相談を受けなければいけません。
5月ぐらいに保育園や幼稚園で申込用紙をもらうと思いますので、記入して提出します。

このとき、希望を第3希望ぐらいまで書く欄がありますが、難聴学級の新設を希望する場合は、難聴学級1本のみを書くことをお勧めします。
結局、第2希望で既存のものを書くと、第2希望にされてしまうことがあります。
人の多い市町村だと、新設は面倒だとなる可能性も結構あるなと思います。

と言いますか、実は、難聴学級を作りたいという目的であれば、難聴学級がだめだった場合の代替手段は、就学相談の選択肢にはないと言っていいでしょう。
(よっぽど条件が合えば他の特別支援学級という手もありますが、この話はまたの機会で)

難聴学級を作る目的は、勉強環境を整えることです、
ですので、難聴学級新設がだめだった場合は、支援員さんを付けてもらう、もしくは校区外の難聴学級に通うぐらいしか代替手段がありません。

通級教室は療育をする場所なので、勉強環境を整えられませんので、難聴学級を作りたい人の第2希望にはなり得ないのです。
この件については、また詳しくお話しします。

ここで、新設を諦めさせるような話を就学相談時にされるかもしれませんが・・・

もし、「学習が遅れてもっと大変な人はいるんだ」ということを言ってきた場合は、それは障害の種類が違うのであって、こちらはあくまで、聞こえないがために学習の遅れが懸念されるので、情報の保障のための難聴学級申請だということを伝えてもらえればいいと思います。

また、第一希望だけ、しかも新設申請なんて通るかどうかもわからないのに、もし通らなかったら、支援がなくなってしまうから第二希望を書けと言ってくるケースがあると思います。

これに関しては、療育する場所はやはり確保しておく必要がありますが、難聴学級が通れば、通級には行けません。
なので、難聴学級を選んだ時点で、他の療育する場所を確保しておく必要があります。
地域によって選択肢は変わってきますが、この話もまた別の機会に詳しくお話しします。

ですので、「療育は、○○でやる予定です。難聴学級ができなかったら、支援員さんを付けてもらう方向で考えています」
というような感じで答えてもらえればいいかなと思います。

あと、新設がだめなら、校区外の難聴学級に通うという選択もできますが、この場合第二希望に書いてなければいけないのか、新設が却下されたら校区外へ通うということもできるのかは、要確認ですね。
第二希望に書いてしまうと、校区外に回されてしまう可能性も高くなるかもしれないので、難しいところではありますね。

③11月に最初の「判断」が通知される


11月ぐらいに判断通知が来ます。
難聴学級が却下された場合、別の選択が書かれているはずですが、不服な場合は再相談ができます。
もし、部屋がないとか予算がないとかでどうしてもだめだとなれば致し方ないかもしれません。非常に悔しいですが・・・
もし、部屋がないという理由のみであれば、校長室を使う件を再相談でぶっこんでみることもできます。

そして、ここで難聴学級と判断が出ても、新設が決まったわけではありません。
最終的には2月ぐらいにやっと決定されます。

④2月ぐらい(入学2ヶ月前)に正式決定の連絡


うちの場合、1月ぐらいに、「希望は変わってませんか?」と確認の連絡が入りました。
そして、2月ぐらいに決定ですという連絡が来ました。

11月に難聴学級の判断が出て、2月に新設できなかったとなれば、希望があれば校区外の難聴学級に行くことは可能だと思います。

まあ多分、11月に判断が出れば、ほぼ決まりじゃないかなとは思うんですけどね。
行政は慎重に慎重を重ねることが多いので、ここまでギリギリの確定となります。


大体、このような流れになりますが、各自治体で微妙に違うこともあるはずです。
これは福岡市の例を出していますが、細かくは各自治体で確認してもらえればと思います。

ご質問などありましたら、お気軽にご連絡ください!
応援しています!(^^ゞ


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