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映像と原作と聖地巡礼

山中 ひさし氏の著作

         『おれがあいつであいつがおれで』

を読んだことはありますか。


ユング心理学

この本を最初に知ったのは心理学者の河合隼雄氏の著書なのですが、引っ越しのときに売り払ってしまい書名を忘れてしまいました。
その本の中では『とりかへばや物語』をユング心理学からの視点で解説していて、その類書としてこの本が紹介されていました。
『とりかへばや物語』と『おれがあいつであいつがおれで』に共通したテーマは男女の入れ替わりです。

この頃は河合隼雄氏の影響で、フロイトからユングに興味が移り、河合隼雄氏の著書を片端から読んでいました。その影響で児童文学も読むようになり『モモ』そして著者であるミヒャエル・エンデのジム・ボタンの2作品も読みました。テレビアニメーション『ジムボタン』の原作です。
なお、エンデの著作ではありませんが

      『エンデの遺言 ― 根源からお金を問うこと』

は視野を拡げる本の一冊です。


きっかけとなった映像作品

閑話休題。原作『おれがあいつであいつがおれで』を読むきっかけになった映像作品は何だと思いますか。


新海誠監督のアニメーション映画『君の名は。』も男女の入れ替わりをテーマにした作品なので、これを観たときには原作は『おれがあいつで・・・』なのかなと思いましたが原作ではありませんでした。(wikipediaによる)


広島県の尾道おのみちを舞台にした大林宣彦監督の映画『転校生』の原作ですがこれでもありません。
『おれがあいつであいつがおれで』は1979年から1年間「小6時代」という雑誌で連載され、『転校生』は1982年の映画で原作を映像化した最初の作品です。この映画を観たときにはこのことを知らず、エンドロールに原作も紹介されていたはずですが本を読む習慣はありませんでした。

40年も前の映画なので観たことのある人は少ないかもしれませんね。1年くらい前にも観ましたが素敵な作品に違いありません。舞台となった尾道の景色はすっかり変わってしまったかもしれませんが、訪ねてみたいくらい街の雰囲気が素敵です。尾身としのりさん、小林聡美さんが主演されていて、当時、小林聡美さんに惹かれたのを覚えています。その後も『やっぱり猫が好き』『かもめ食堂』でその魅力は発揮されていました。
※ 『かもめ食堂』の原作は群ようこさんの同名の作品です。


きっかけとなったのはNHKドラマ愛の詩『どっちがどっち!』です。
いまは将棋の藤井聡太 竜王名人(八冠) で知られる愛知県瀬戸市が舞台で、夏の再放送を観ました。その後しばらくしてからその瀬戸市を訪れあちこち見回りました。現地で知り合った人はこのドラマのことを知りませんでした。その方は瀬戸物の瀬戸なのに観光客が少ないことを憂いていましたが、いまは将棋の天才少年がそれ叶えてくれて喜んでおられると思います。


『おれがあいつであいつがおれで』を原作とする映像は他にもあり、その中の3作品を観ています。映画『君の名は。』がおもしろいと思ったのなら、原作も映像も楽しめると思います。


読書の拡がり

次に読んだ山中恒作品は

     『新聞は戦争を美化せよ! 戦時国家情報機構史』

でした。とても分厚い本なのですが、『おれがあいつであいつがおれで』を書いた山中恒氏に興味があったのです。どのような少年時代を過ごし何を考えていたのか気になったのです。この後しばらくは日中戦争・太平洋戦争関連の本をいろいろ読み漁りました。


気に入った・気になったことがあると自分が納得するまで関連本を読み進めるのは昔から変わっていません。みなさんもされているかと思いますが、読むだけでなく、舞台となった現地訪問(聖地巡礼) もいいです。でも長期休み中の観光地は混んでいるでしょうね。▢


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