見出し画像

まる1日、夫と過ごした日の夜のこと。

夫と私はほとんど毎日同じ時間にふとんに潜り込む。厳密には私の方が少し早い。でもだいたい同じだ。12時を迎えるまでには私はベッドに入り、12時を少し回ったタイミングで夫が寝室にやってくる。だからだいたい同じ。

昨日は土砂降りの雨が続く土曜日で、だから日がな一日自宅にこもってだらだらと一緒に過ごした。録りだめしている朝ドラや、レンタルで映画を楽しんで、わーわーと内容について感想を言い合って、もちろん食事も一緒にとった。夜はいただきものの餃子を焼いて、2人で芋焼酎のお湯割りを味わった。

就寝時刻はやっぱり12時前後。私がベッドの中で youtubeをみながらゲラゲラ笑っていると、夫が横で洗濯物をたたんでいた。(役割が違うだろうと言われても、そうなのだから仕方ない)かれこれこの日は15時間ほど夫と過ごしたことになり、私は一緒に過ごした時間の長さに改めて驚く。

「これではイノベーションが起きない」と頓珍漢ながら、ちょっと危惧した気持ちがよぎる。こんな土日を過ごして、気付いたらよぼよぼしわしわげほげほみたいになってるのかも、とほんの少しちらりとブルーになってしまう。私はこういうちょっとネガティブなところがあって、それはいいところでもありものすごく悪いところでもあると自覚している。物事をまっすぐに受け止めずに、何らかの解釈や結末(あまり良くないこと)を想像して、心配してしまうのだ。

果たして、ちょっとばかり「うーむ」と思いながらもうとうとし始めた私に、夫はこう言い放った。

「まさか、もう寝るつもり?もっとしゃべろうよ!遊ぼうよ!」

うそやろ。まさか。そんなわけない。もしかしたら他所の人が聞いたら体に戦慄が走るかもしれない衝撃のひとことかと存じます。でも私は動じない。なぜなら彼は寝る前、だいたい毎日こういうことを言うからだ。

最初こそ「なんでやねん!」ときちんと生粋の大阪人としてつっこんでいた。しかしもはやそんなエネルギーは使いません。なんでやねん、と返すときちんとボケが成立して夫を救うのはわかっているけど「また明日ね」とおさめることにする。

気付くと、さっきまで薄く私を襲いかけていたネガティブな気持ちが、さっと無くなっていて、幸せな今日に満足し翌日に向かってわくわくしながら眠りにつくことができている。「また明日しゃべろうね」と言わせてくれる夫は、すごい。もしかして私の一瞬のよどんだ気持ちを、察知しているのかも。いや、スマホをいじっている夫の気楽な顔にはそんなものもみじんも見えない。本当に、「まだしゃべりたい」んだろうとあきれながら、気付くと眠りに引きづり込まれていた。

目覚めて、朝。今日は日曜日。また就寝する12時までだらだらと夫と一緒に過ごすことにしよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?