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「性差別と戦う女性たちと連帯するために、自分の持つ特権と加害性と向き合う日」

今日(3月8日)は国際女性デー。年々企業やブランド、インフルエンサーがこの日に女性を讃えてSNSや広告で今日を支持している。

1904年、ニューヨークで婦人参政権(現 : 女性参政権)を求めたデモが起源となり、国連によって1975年に3月8日を「国際女性デー(International Women’s Day)」として制定されました。(引用:https://happywoman.online/festa/iwd/)

SNSを見ていると、今日をセレブレイトし、女性たちの活躍や進出をサポートする声がたくさん溢れている。(僕の周りにはフェミ戦士*①がたくさんいるからっていうのもあるけど。)この景色は年々増えていき、今年2月3日に起きた東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発言や、選択的夫婦別姓の制定を求める運動の動きもあって、今年は例年よりも多くの企業がこの国際女性デーに関して発信しているように思う。
これらの動きは喜ばしいことだし、企業やブランドが広告というマスに向けた大きな力を使うことで、より多くの人に「国際女性デー」について知ってもらい、連帯を呼びかけるきっかけにもなる。こうした動きはジェンダー平等においては絶対的に必要なフェーズだと思っている。
(*①友達が教えてくれた家父長制や男性優位社会と戦うフェミニストの仲間たちのこと♡)

ただ、今日1日SNSで国際女性デーに関する発信を見ている中で違和感を感じることもある。
個人的見解だが、まずそもそも国際女性デーは「女性に感謝を伝える日」ではない。もちろん、日々社会の不平等と向き合いながら戦っている女性たちには感謝しているし、多方面から槍を投げられ、傷だらけになりながらも平等のために声を上げている女性を見るたびに、胸が痛くなりながらもともに戦っていくからね!と強く決心させられる。
ただ、今日という日が生まれた背景を見ずに、今日という日を支持できるであろうか。

国際女性デーは先述したように、ニューヨークで政治参加の権利を与えられていなかった女性たちが女性参政権を求めて起きたデモが、世界各国へと広がっていったことがきっかけに生まれた。今日という日はジェンダー平等のために立ち上がり、戦った女性たちを讃える日である。そうとも知らずに「いつも気配りありがとう😊💐」や「自分の周りにも素敵な女性たちがいます😌」といったシスヘテロ男性*②からの言葉たちは女性たちが受けている不平等な現状を、そして日々戦っているフェミ戦士たちの存在を覆い隠してしまうことになりかねない。
(*②シスジェンダー…身体的性と性自認が一致している人のこと、ヘテロセクシュアル…異性に対し恋愛感情と性的な感情を抱く人のこと)

企業やシスヘテロ男性が国際女性デーについて発信することは良いことだし、それをやめてほしいと思っているわけではなく、なぜ「国際男性デー」ではなく「国際女性デー」がこれほどにも重要視され、世界的にこの日に多くのイベントや広告、社会運動が行われているかを考えてほしい。

僕個人として思うことは、今日多くの女性が発している声は今日だけの声ではない。毎日感じていることであり、毎日戦っていること。本来ならいつだってその声に耳を傾け、ともに戦っていくことが必要。もちろんこれはまだまだ理想論だってされることも分かっている。毎日弱者とされてきた人たちのことを考え、自分の持つ特権性や加害性と向き合うのは正直しんどいだろう。だが、僕らが目をつぶってきた間、女性たちは毎日不平等な社会の中生き抜いてきた。見ないふりをしたくてもできなかった人、慣れてしまった人、男性優位社会の持つ加害性によって傷つけられた人。たくさんの女性が毎日戦っている中で、僕らはいつまで目をつぶり続けるのか。
今日という日が女性に感謝をする日であってもいいが、僕は今日という日が「性差別と戦う女性たちと連帯するために、自分の持つ特権と加害性と向き合う」日であってほしい。

僕が日頃性差別について声を上げたり、女性差別が起こった際に、被害者である女性たちと連帯しようと思う理由は、僕がノンバイナリーだからというのはとても大きい。性差別といったって、女性だけでなくノンバイナリーやジェンダークィアはそもそもいないものとして語られることが多い。僕の場合、体は男性なのでノンバイナリーの中でも特権を持つ人間だろう。しかし男女二元論で成り立ってしまっているこの社会の中では僕は圧倒的にマイノリティであり、社会から排除されてしまっている存在だ。同じ境遇だなんて全く思わないが、男性優位社会や家父長制が残る現代社会において、それらによって不平等な扱いを受けている者として、僕は女性たちと連帯することを決めている。これは男性VS女性ではなく、男性優位社会VSそれを許容しない全ての人の話だから。

何度も言うが、別に企業やシスヘテロ男性が国際女性デーにポジティブな発信をすることは全く悪いことだとは思っていない。しかし今日という日を使って"今日だけ"女性支持な発言をしたり、作品を出すことには疑問を感じてしまう。今年の国際女性デーはあと数時間で終わるが、女性の権利について思考し、話し合い、行動し、変革していくことは明日からも続いていく
いずれ女性だけでなく、全てのジェンダーが平等になる社会を目指して。

※本文中に記載している「女性」にはトランス女性も含む。(Obviously🤷🏻)

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