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ネットマージャン「まるじゃん」で特徴的な「人和」の話

またまた「まるじゃん」のお話に少々お付き合いください。


まるじゃんでの人和のお話

「まるじゃん」のプレイヤーの間で議論が多いルールとして、人和の取り扱いがあります。もともと、「人和れんほー」は、ローカルルールになっており、成立条件が曖昧な役のようです。

ただし、多くの方が認識している標準的な成立条件は、「鳴きの無い1巡目で、配牌の状態から、あなたが自模る前に他家から当たり牌が出たとき」だと思います(※ここでは手役に関する詳細な説明は割愛させていただきます)。

まるじゃんの場合、「1巡目」の解釈は、「鳴きのない状態で全員が1回自模って捨てるまで」です。したがって、あなたが、1巡目で1回自模って、運よく聴牌した後、まだ1巡目の他家が当たり牌を出してくれると、まるじゃんでは「人和」になります。そのため、時折、ダブリー一発が「人和」になってきますので、プレイヤーの間で違和感を持たれる方が多いようです。

もともと偶然性の高い手役ですが、通常より1巡目を拡大解釈することにより、「人和」のチャンスが大幅に上昇しているということです。このルールに対しては、標準的なルールへの変更などを求める声は多かったのではないでしょうか。しかし、最近では、そういう議論の盛り上がりはなくなり、古参のプレイヤーは、その話題に飽きてしまっているようです。

そんな中、まるじゃんの掲示板に以下のような動揺した書き込みがありました。

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早速、牌譜を確認すると、まさに人和の手牌だったのです。しかも、特徴的なまるじゃんルールでしたので、ご紹介したいと思います。プレイヤーは、「まるじゃんで起こりそうなことVol.01」でも登場したプロリーグA2で強豪のかすみさんです。

まるじゃんで特徴的な人和の事例

かすみさんの牌譜をお借りして、まるじゃんで特徴的な人和の事例を見てみましょう。かすみさんは、配牌で七対子のイーシャンテンです。▼

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すると、1巡目の自摸で「中」を引きこみ、もう聴牌です!▼

1巡目自摸

ここでリーチをすれば、ダブルリーチです。しかし、この時点でかすみさんの持ち点は200点だったため、かすみさんはリーチをかけることはできませんでした。

かすみさんは「3萬」を捨て「1筒」で構えることにします。すると、次の下家が、数多い手牌の中から「1筒」を捨てたのです。ロン!▼

当たり牌出る

七対子1,600点と思いきや、その役は「人和」の役満! たしかに「何がおきたかわからなかった」瞬間でしょう。おめでとうございます。▼

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このようにかすみさんは1巡目を終えた後で、下家の1巡目の捨て牌を当て、まるじゃんでの特徴的な「人和」をあがることができました。

まるじゃんでの「人和」ルールのこだわり

一時期、よっぽど「人和」の取り扱いについて、プレイヤーやまるじゃん運営のシグナルトーク社の社内外において議論がなされたのか、栢(かや)社長自らが、麻雀百景という開発コラム「第7話 人和が役満になっている謎」にて、このルールである背景や理由を語っています。

詳細はコラムに譲るとして、簡単に言えば、栢社長の学生時代の麻雀ルールが思い出と共に現在のまるじゃんに残っているということのようです。

まるじゃんのリアル店舗での「人和」の取り扱い

まるじゃんの運営会社であるシグナルトーク社は、ネットマージャン「まるじゃん」だけでなく、2020年12月11日にまるじゃんのシステムを応用展開したリアル店舗「Mahjong+(マージャンプラス)」を渋谷道玄坂に開店させます(注:2021年11月6日 閉店)。私もいつかは来店したいと考えていますが、そのルールを確認しますと・・・

人和はありません
リアル店舗では「人和はありません」とのこと。

う~ん、実際のお客さんが対面しているリアル店舗では、人和を導入することはトラブルの元になりますし、ましてや特徴的なまるじゃんルールですと、なお一層でしょう。諸般の事情を鑑みて、リアル店舗で人和を採用しなかったことに理解したいと思います。

ルールは胴元が決める

まるじゃんでの「人和」の成立条件には、標準的なルールと異なると思われることから、賛否両論があると思います。しかし、結局、ルールは胴元が決めるということです。

ネットマージャンの中においても、そのルールの中で賛否両論の議論を交わし、お互い理解しながら交流できるとすれば、ある意味でリアルな麻雀に参加している、と言えるのではないかな?と思えてきました。ただ、私はまだ1度も「人和」をあがったことがありませんが。

おしまい

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