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7月19日(月) 最後とは知らぬ最後

 娘(3歳)が唐突に「娘ちゃんはパパと結婚する」と宣言した。

 感動もしたが混乱もした。「これがあの伝説の・・・」という気持ちを抱いた。一方で発言の脈絡の無さに心のもっていきかたを見失った。

 見失っている間に娘は踊り出す。当然のように僕は王子さまだ。娘をくるくる回す。すると次男がくっついておんぶをせがむ。長男がパンチを繰り出す。結婚はどこに行った。

 子どもの成長には脈絡が無い。こちらが気にもとめない子どもの気まぐれが実は決定的な成長であったりもする。いつしか長男の風呂は烏の行水になった。次男は1人でベッドから降りるようになった。娘が目覚めて僕を呼ばなくなるのはいつだろう。娘の一日の最初の一言が「パパー」である喜びをかみしめられなくなる日はきっとくる。

 最後とは知らぬ最後が過ぎていく。俵万智の子育ての歌を3日に一度は思い出す。切なさと嬉しさが混ざり合う。コーヒーに注ぐミルクのようにぐるぐると渦を巻く。焦りの香りも浮かぶ。ぼくはきちんとやれているだろうか。

指先で吾子の形を確かめてその鋭敏の役割を知る


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