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【お通夜旅】根室本線 新得~富良野編


訪問データ

行った日:2024年2月10日(前泊後泊等含めて2泊4日)
当該区間廃止日:2024年4月1日

葛藤を越えて

 廃線間近の訪問というのは、夏休みの宿題を期限ぎりぎりになって終わらせるようなものだと勝手に思っている。今回も行きたい行きたいと思案はしていたが、如何せん関西から渡道するのに都合が良い新千歳が遠い。往復するならフリーきっぷ利用になるのだろうが、乗り継ぎがあまりよくないとかなんとか、どこに宿をとるかとか、費用対効果とか色々面倒で正直諦めていた部分はあった。そんな中、2月10日に行われる推し・ヤバイTシャツ屋さんの札幌でのライブのチケットが全然売れないとの一報が入る。……行くか!!! 雪まつりで宿も飛行機もない!? 知らん!
 新千歳便は特典航空券ないけど、釧路便ならあるぞ! 羽田発だから名古屋から夜行バスで東京出るぜ!値段も所要時間もムーンライトながらみたいなもんだな!いけるいける! 帯広なら宿もあるし、根室本線も乗れそうだ! 札幌の後泊? 新千歳空港温泉泊まってみたかったんだよね!!!
 ということで諸々の手配を済ませておよそ1年半ぶり、また雪の北海道へ。(帯広までと、富良野からの旅行記についてはまた気が向いた時に別の記事で載せます。)

豚丼の余韻に浸る朝

 6:30帯広駅前。段々明るくなってきた空の下、温度計真ん中よりちょっと下くらいを指していた。0℃くらいかな?0℃が真ん中で上には40℃下には30℃。指していたのは-14℃。東横インの朝食を泣く泣く諦め、朝ごはんをどうするか悩んでいた所に漂う香ばしい香り。帯広駅構内に出店されている「ぶた八」さんのお弁当売りだった。まさに昨晩、その豚丼のおいしさに感動したところだったので、迷うことなく豚丼にぎりを購入。なんと追いタレの容器も頂いた。始発のとかち号に乗り込みほおばる。
 30分も経たない内に、新得の一駅手前十勝清水で下車。北の大地入場券と、十勝・釧路の40記念入場券を購入。そして「冬の鉄旅キャンペーン」でキハ183がデザインされた駅カードを受け取った。後続の普通列車を待って、新得駅に向かった。ちなみにとかち乗車から、同じような動きをしていた鉄道マニアがもう一人いた。
 新得での乗り継ぎは10分弱。その間に北の大地入場券を購入し、キャンペーンのカードを受け取る。こちらはキハ40のデザイン。そして急ぎ足で東鹿越駅行きの代行バスに乗り込む。


代行バス、そして朱色のヨンマル

(どこで何人乗り降りしたかのメモをなくしたので数字は大体です)

 新得からの乗車は15人ほどだったと思う。根室本線乗車のマニアばかりかと思ったがそうでもなかった。仕事っぽい雰囲気の方もいたし、ウインタースポーツっぽい方もいたし、インバウンドの方もいた。なお車内にはコンセントも設置されていた。
 発車するとバスは国道38号線へ。線路からは離れるがやむなし。新狩勝トンネルをバスが通る訳にもいかない、なんなら石勝線に乗れば上落合信号所から新得駅の20キロ程は通ることはできるのである。
 閑話休題。バスは30から40キロほどの一定速度で狩勝高原へと登っていく。穏やかな木漏れ日が気持ちよい。サホロリゾートに寄っていく。狩勝峠を越えてしばらくすると、線路が並走してくる。ところどころに踏み切りがあったが、どれも封鎖されていて、そこから見える線路は線間からたくさんの枝が生えていたり、折れた枝が降りかかっていたり。線路の様態こそしているが、もう既に廃線同様の光景であった。
 落合駅、幾寅駅、東鹿越駅。およそ1時間ちょっとの代行バスの旅であった。定速で乗り心地もよく、時にはうとうとすることも。そしてどの駅でも、駅のそばまで大型バスが入っていけるのはさすが北海道といったところか? だから、駅舎の写真もしっかり収めることができた。個人的には映画『鉄道員』のロケ地である幾寅駅近辺は、実際に車窓から、ロケ地のポスターなども見かけたので再訪してみたいと思った。ちなみに、サホロリゾート含めてどの駅でも数人ずつの乗り降りがあった。

 東鹿越駅からは、各種記念品の写真で多くみられる朱色のキハ40に乗り換え。十数人が全員問題なく座れる程度の混雑だった。東鹿越駅発車後は金山湖沿いを走り、越えて、空知トンネルをくぐり、しばらくの間山あいの中を走った。そうして(根)金山駅に到着。ここからは空知川沿いの比較的平坦な区間だった。たまたま、地元の高齢のご婦人が相席されていて「なくなるからやっぱり人が多いね」「代行バス、値段がねぇ」「やっぱり峠(多分狩勝峠方面)越えが大変になってくる」といったリアルな声を聴くことができた。通院などでどうしても住んでいる地域で暮らしが完結できない、車もない(手放した)、じゃあどうしよう。公共交通機関の役割は勿論、少子高齢化で衰退する地域の問題だとか、現代社会の問題点について考えさせられた車内であった。富良野から乗った富良野線は、インバウンドの方も少なくなく、H100系の2両編成で、駅の長さが足りず踏切に飛び出して停車しているから余計に、差がすごいなぁと。


8250円? 1万円くらい運賃かかると思ってたから安い安い!
(※東京京都片道で8360円だそうです)

 北海道の記念入場券類はなぁ、写真がなぁ、北海道らしい雄大な自然を感じられていいんだよなぁ…… この台紙も単なる紙じゃなくってビニールっぽい素材。収納部もビニールになっている。紙に切れ込みがあるとかそういうのじゃない。これがいいんだ。

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