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【お通夜旅】留萌本線 石狩沼田―留萌、増毛リベンジ編

前回のあらすじ

 留萌ー増毛間の廃止直前に乗るには乗った留萌本線。しかし、乗ったというには状況が悪かった。2022年度末の廃止前に、もう一度リベンジのために赴くのであった!

訪問データ

行った日:2022年10月9日(+前泊)
当該区間廃止日:2023年4月1日

 留萌近辺は有数の豪雪地域であるがゆえに、冬場の運休リスクを避けたというと聞こえはいいが、長期研修の合間で行けそうなタイミングがここくらいであったため、この日に赴いた。

前泊

 10月8日、大阪で職場関連の試験を済ませ、そのまま関空へ直行。ビジネスでも問題ないだろう服装を検討した結果、部活の遠征に行くブレザー制服の高校生みたいないでたちになってしまった。今回は往復peachを利用。落ち着いて第二ターミナルへ向かう。一回目の増毛の時も、peachであったことを思い出す。
 どこまでも続く夕焼けの中を飛んで、20時前に新千歳空港に到着。翌朝は始発に近い電車に乗る予定だったため、今回の宿はススキノ近辺のネットカフェ。ラーメン横丁で晩ご飯。
 ラーメン屋のお兄さんによると、北海道のお土産は、色んな種類が入ったじゃがいも一箱を職場などに持っていって、好きなの持って帰ってね、というのがコスパが良いそうだ。食後はバニーのお店のガラス越しに見えるセクシーな光景と、その料金の安さに驚きつつ、目的地に到着。就寝。鍵付き個室が予約できるのは大変ありがたい。

Sきっぷ、再び。

 翌朝。セイコーマートで朝ごはんを調達し、地下鉄で札幌駅へ。往復乗車券+自由席特急券がセットで、その上安い「Sきっぷ」を利用して、6時30分発(だと思う、スマホの写真から推測)特急ライラックに乗車。途中濃霧による遅れもあったが、無事に深川に到着。留萌本線へと乗り換える。まだ早い時間ということもあり、乗客は余裕で着席できるくらいの人数だった。
 一部廃止後の終着駅となる石狩沼田駅は、駅リノベーションプロジェクトで他の駅とはちがった空気感があった。そして平野部から山あいへ。
 前回乗ったバスと、留萌本線は途中異なるルートを辿るが、景色に大きな違いはなかった。線路と並走する道路の車のスピードの速いこと。出発時間は自由自在、その上所要時間も短い。そんな相手と鉄道の勝負。結果廃線、その考えが頭をよぎった。

留萌のその先へ

 そんな感じで留萌駅に到着。前回、1時間近く列車を待ったコンコース。SLすずらんのヘッドマークなど、前回から変わらないものもある一方で、廃止後を見据えてか、すぐに店じまい出来るような雰囲気があった。
 全開訪問時にはなかった「北の大地入場券」を忘れずに購入してから駅を出て、付近を散策。新たに車止めも設置され、線路は道路に分断されている。使われなくなった設備はあっという間に朽ちていく。



 近くの売店で、お土産などを購入し、増毛行きのバスに乗り込む。同じように増毛を目指しているであろう、鉄道好きも数人乗り込んだ。
 快晴の中、バスは日本海沿いを快調に走る。廃線跡ももれなく横を走っている。ああ、前回日中に訪れることが出来たなら、こんな景色が広がっていたんだな……、もう一度来ることが出来てよかったと思った。
 時折、買い物袋をさげた住民の方の乗り降りがあり、交差点から急に飛び出してくる高齢ドライバー運転の車も何回かあった。公共交通機関の役割とか必要性について考えさせられた。
 おそらく定番撮影地だったであろう、跨線橋を通って「あ、あの写真はここか!」と唸れば、バスはまもなく増毛に到着した。

 元増毛駅は観光スポットとなっており、中には記念撮影コーナーや、軽食の販売が行われていた。この日はたまたまイベントだったのか、最北端の酒蔵である国稀酒造さんの有料試飲コーナーもあった。

 満員近い駐車場。あまり確信を持っては言えないが、
 ……営業してた頃より賑わっているんじゃ…………?

 水産物と氷水でパンパンの箱が行き交うのを眺めながら、タコザンギで小腹を満たす。
 再びバスに乗り込み、留萌駅へ。留萌では、道の駅にも足を伸ばした。その一角で、留萌本線の懐かしの写真が展示されていた。

帰路

 留萌駅に戻ると、帰りの列車の改札を待つ人が整列していた。足元には整列の目印となるテープが貼られていた。20~30人程度だったと思う。ほとんどが、鉄道マニアらしき風貌であった。
 お昼時だったので、駅構内で名物のにしんそばを頂く人も多かった。そばアレルギーのため、実食には至らなかったが、構内に漂う出汁の香りを鼻に刻んだ。

 改札が始まる。並んでいた人のほとんどが着席できた。廃線間近あるある、めっちゃ車内うろつくマニアもいたが、とりあえず廃線になるらしいから乗りに来ましたというようなライトな層もちらほら。車内は快晴の車窓のように、終始穏やかな雰囲気で、列車は滝川駅に戻った。

 もう少し留萌本線沿線を探訪しても良かったのだが、本数が少なく飛行機の時間との兼ね合いが難しかったため断念。縁もゆかりも無い北海道に就職した後輩を見舞ってから、飛び立った。

 廃線にはなってしまったものの、沿線の雰囲気がなんとなく好きなので、多分また行くと思います、留萌と増毛。

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