医療人の前に まず人として

私には目指す医療人の像があります。
医療とは全く関係のない
とある方の話を聞いて同じだなと思いました。

仮にあなたが八百屋さんだったとして
お客様から
『そのバナナを10万円で売ってくれ』
と言われてどうしますか？
『凄く美味しそうだし、お金は沢山持っているし値段はいくらでも良い、10万円で売ってくれ』
と言われた時、みなさんなら売りますか⁈
『実際10万円の価値はないから、そんな値段では売れない』
『確かに良いバナナだから安くは売りたくないけれど…プロとしてこれは良いバナナだということは保証する、あなたはお目が高いです。でもこのバナナは他のバナナよりは高いけどどんなに高くても500円だよ』
と言えるかどうか...
その通りだと思った。

軽い風邪で病院に来所した患者さんに
不必要なお薬をだすより
『帰って寝てたら治る』と何もしない医者ほど
私は名医だと思います。
（世の中的には薬くれる医者の方が評価が高そうだが）

私もそうでありたいし心掛けています。
私はあん摩マッサージ指圧師という
医療系の国家資格を持って仕事をしていますが
『気持ち良い時間を下さい』と言われる方には
『何分マッサージお願いします』にお応え致します。
しかし
『健康になりたい』と言われる方には
『60分もいらない、あなたの今日の状態であれば30分で十分ほぐれますよ』と正直に言いたい。
ただ単純に5000円を4000円にと値段を下げるだけの割引は
絶対にしたくはありません。
サービスの安売りになるから。
でもプロとして
30分の施術で効果は十分なのに
＋30分なんとなく時間を伸ばして多くお金は頂くことは嫌なのです。

極端なことを言えば
マッサージでも楽にはなるけど
もし病院の方が適切だと判断すれば
お金も頂かず施術もせず
直ぐに病院に送るべきだと思っています。

『肩コリ治ります』とか『腰痛治ります』
『骨盤がどうとかこうとか』
街中の看板等に書いていたりしますが
みんながみんな、それで治る訳がありません。
人それぞれ原因は違い
マッサージが適してるのか
病院へ行くべきなのか
安静にしとけば治るのか
生活を変えないと治らないものだってあるはずだし
残念ながら絶対に治らないものもあるはずです。

看板に治ると書いている訳が分かりません
（ビジネスと考えるなら分かりますが...）
私からしたら患者様の話をまず聞いてみないと分かる訳がないのです。
『それは治らないよ』
と正直に言える方がよっぽど良い治療家と思っています。
ビジネスを度外視して物が言える治療家・医療人は
なかなかいないと思いますが
私はそうでなりたいと思っています。

医療人の前に　まず人として
当然のことだと私は思うのです。