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サッカー分析をもっと気楽に

はじめまして。

このnoteは普段からJリーグが好きな方、興味を持っている方に向けて作られています。

Jリーグに興味のある方はだいたいどこかのクラブのサポーターになっているかと思います。そしてそのチームの試合を毎回追っていると思いますが、そうしているとなかなか他のチームの試合まで見ている時間はありません。

これから対戦する時のために他のクラブのことも詳しくなりたい

そう思っている方は多いのではないでしょうか。

僕自身がそうでした。

地元クラブの応援をきっかけにJリーグの楽しさに目覚めた僕は自然と他のクラブのことも勉強してみようと考えました。
ただ、すでに社会人だったためすべての試合を見ている時間は作れません。
その代わりに解説記事を読んでみるのですが、そこには難解な戦術論やフォーメーションの話が並んでいてサッカー初級者の僕には歯が立たないものでした。

そもそも僕はサッカーというよりもJリーグについて詳しくなりたい。
もっと手軽にJリーグに詳しくなれるテーマはないものだろうか。

そう考えて独自にあれこれデータを集めるようになります。
そして今回、その結果を他のJリーグ好きの人たちにも共有してみようと思い立ち、このnoteをはじめた次第です。

さて、自己紹介はこれくらいにして、さっそく昨年のJリーグのデータを元に具体例を見ていただきたいと思います。

分析の具体例


まずはお馴染みのリーグ順位表です。

これだけを見てもなんとなく各チームの傾向はわかります。

「点をたくさん取っているチームは攻撃力があるんだな」
「逆に失点数が少ないのは守備力が強いんだろうな」

こんなところでしょうか。

今回はこの「攻撃力」とか「守備力」についてもう少し詳しくなるために新しい表を使います。

この表は僕が独自に集計して作ったものなので、まずは説明をさせてください。

これは2023年のリーグ戦の試合内で各チームが「あるシチュエーションになった回数」を集計した表です。

一番左の列「Lead←」は、
同点の状況から勝ち越し点を決めた回数

その次の列「→Even」は、
勝っている状況から同点に追いつかれた回数

一つ飛ばして一番右の列「→Behind」は、
同点の状況から相手に勝ち越し点を決められた回数

その左の列「Even←」は、
負けている状況から同点に追いついた回数

と、なります。

集計例は以下の通りです。(読み飛ばしても大丈夫です)

ある試合で、チームAが先制点を取ったとき、チームAの「Lead←」にプラス1、相手のチームBは「→Behind」にプラス1。
そのあとチームAが追加点を取っても試合の状況は変わらないのでどちらのチームも加算は無し。
そこからチームBが1点を返してもやはりチームAのリードは変わらないので加算は無し。
さらにチームBがもう1点を返して同点になった時には追い付かれたチームAの「→Even」にプラス1、追いついたチームBの「Even←」にプラス1。

といった具合です。

この表から何が読み取れるのか。
まず分析を見やすくするために表の左側だけを取り出します。

一番右に足された列は「→Even」を「Lead←」で割った数字。つまりは「勝っている状況から同点にされた率」となります。
この数字が低いほど「リードした状況を保てる守備力の高いチームである」ということができます。
神戸は計25回のリード中4回しか同点にされていません。王者にふさわしい守備力です。

一方、悪い意味で目につくのが横浜Fマリノスです。

追いつかれた回数が11回と、他の上位チームに比べて守備力に問題があることがよくわかります。

他のチームはどうでしょうか。

優勝した神戸に続くのは浦和、川崎、福岡の3チーム。
この3チームは「守備力がある」ということができます。
ただしそれと同時に「攻撃力に問題がある」ことも実はわかってしまいます。

この表において「Lead←」から「→Even」を引いた数はそのままリーグ戦の勝利数とイコールになります(神戸なら25引く4で21勝、浦和なら20引く5で15勝)。

もし仮にチームが優勝を目指すのであれば、計34試合のリーグ戦の場合、だいたい勝点70、勝利数では20勝以上が目安です。

そう考えると、そもそも川崎は勝ち越した回数が19回と、この時点で物足りない数字です。
浦和や福岡にしても同点弾はほぼ許されないという厳しい数字であることがわかります。
この3チームが優勝を目指すのであれば、今の守備力を維持しつつ「勝ち越し点をさらに5点以上取れるような攻撃力」が必要ということができます。

逆に横浜Fマリノスは、同点弾を一回だけ防ぐことができれば20勝に到達できたため、上の3チームよりも優勝に近かったということができるでしょう。

さて、今度はシチュエーション別の表の右側部分を見てみましょう。

今回はそれぞれのチームのボール保持率を加えています。

この表は「負けている状況から同点に追いついた率」の順に並んでいて、つまり上に行くほど「劣勢をはね返せる攻撃力のあるチームである」ということができます。

注目してもらいたいのはボール保持率です。
二番目の浦和から新潟まで保持率の高いチームが上位を占めています。

これはつまり「ボールを保持する」ということは、守備を固める相手から点をとる状況で重要であるということがわかります。
逆に、保持率が高いわりに同点率の低い大阪の2チームや札幌は、効果の低い保持をしている、いわゆる「ボールを持たされているチーム」であるということになります。
特に札幌は得点数が高いので攻撃力のあるチームのように見えますが、実は守備を固めた相手からはあまり点が取れていないことがわかります。来季に向けて大きな課題となるでしょう。

さらにもう一つ、
川崎の数字を見てみると「→Behind」の数字が27とリーグワーストであることがわかります。同点にした数もリーグトップですがこれはさすがに点を取られ過ぎです。
先ほど川崎を「守備力のあるチーム」としましたが、その評価を修正しなければなりません。
川崎の守備力は「リードした状況では盤石だが、お互いに点を取りに行くオープンな状況では脆い」ということになります。

終わりに

いかがだったでしょうか。

今までぼんやりとしていた各チームの印象が、この記事を読むことで少しだけ詳しくなれたような気がしませんか?

もちろんサッカーについて詳しくなりたいのならば、実際に試合を見ながら日々更新されていく戦術論を学んでいくしかありません。
このnoteはそこからもう少し肩の力を抜いて、気楽に楽しめるようなサッカー分析を目指したいと思っています。


改めまして僕の名前は「こたつ」と申します。

こたつが恋しい冬休み。Jリーグが開幕するまでの冬のあいだに今回のような記事をいくつか書いていく予定です。

noteどころかブログを書くのも初めてでお見苦しい点が多々あるかと思います。それでも面白かった思っていただけたならフォローや高評価などをしていただけると嬉しいです。

それではまた次回の記事で。

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