昨シーズン振り返り 鹿島アントラーズ編
今回は鹿島アントラーズ編です。
ここ数年の鹿島を表現すると「悪くはないんだけど……」という感じです。
各種の成績スタッツはそれなりに良く、最終順位も上のほう、だけどトップに立つにはどれもが少しずつ足りてない、そんな状況が続いています。
かつて当たり前のようにタイトルを獲得してきた過去があるからこそ、ひとたび歯車が狂うことの恐ろしさを感じます。
昨シーズン振り返り
リアリストかロマンティストか
まずは近年の監督別成績です。
低迷したと言えるのはザーゴ監督二年目くらいで、あとは「それなりに良いけど満足はできない」そんな成績が続いています。
監督の選考を見てみると、ザーゴにヴァイラー、岩政大樹と「Jリーグの実績はないけれどある種のカリスマ性を持った監督」という点で共通しているというのが僕の見立てです。
まず改革を志したザーゴ監督は道半ばで夢破れました。
一方でヴァイラー監督と岩政監督は、その佇まいとは裏腹に堅実なリアリストの顔を見せることが多く、共に消化不良のままチームを去ることになります。
そして今シーズン、鹿島フロントが白羽の矢を立てたのはランコポポヴィッチ氏でした。
彼の場合は「Jでの経験値は充分だが、実績はほどほどのためカリスマ性には欠ける」タイプです。つまりは今までとは真逆の指揮官になります。
果たして今回はリアリストなのかロマンティストなのか、新指揮官の選択が注目されます。
WhoかHowか
ほとんどのチームと同様に鹿島の課題も得点力です。特に2022年シーズンから点が取れなくなっています。
得点者の内訳です。
ポジション別に見てみると、MFとDFについてはほぼ同水準でした(※ただし2021年のみDFの町田と犬飼で計10点とセットプレーで荒稼ぎの年が有り)。
今の得点力不足の問題はやはり最前線にありそうです。
鹿島は伝統的に2トップを採用していますが、右の表を見てみると二桁を取った選手が2022年から一人だけになっています。エースにボールを集めることはできていても複数の得点パターンが作れていない問題が浮き彫りになります。
ちなみに今シーズンは1トップを採用するということなので、二列目の選手による得点パターンを構築できるかが鹿島の浮沈を握っていると予想します。
助長か補短か
2023年の鹿島は攻撃の戦術に得手不得手があったようです。
敵陣内でのポゼッションとショートカウンターはゴール率が高く、自陣ポゼッションとロングカウンターはゴール率が低いです。
鹿島はアスリート能力の高い選手が揃っているので、いわゆるインテンシティが高く、相手を押し込んでチャンスを作るのが得意です。
逆に自陣奥から組み立てる攻撃はDF陣のパスの質が問われます。植田と関川のCBコンビはデュエルでは無類の強さを誇りますがボールの扱いに難があります。
ポポヴィッチ監督が今シーズンにおいてこの苦手克服を目指すつもりならばある程度の期間を見守る必要があるかもしれません。若手CB津久井佳祐の抜擢などは個人的な期待もあって応援したいところです。
選手動向
最後に選手の入れ替わりをチェックしてみましょう。
これは、それぞれの選手がシーズンをまたいでどれだけリーグ戦の出場時間を増減させたかを表にしたものです。
(※基本的に増減が500分以上の選手のみを抜粋)
(※オレンジ色の枠は、シーズン中を含めたその年の新加入選手)
(※紫色の枠は、前シーズン中を含めた退団選手)
最近目立つのは欧州からの帰還組です。帰還組が多いということはそれだけ送り出している数が多いということでもあります。
鹿島は伝統的に高卒の逸材を育て上げることが上手いクラブです。そこには自分たちのためだけではなく日本サッカー全体に寄与することを目的にして育成をしている自負を感じさせます。
名門の復活なるか、今シーズンの鹿島アントラーズも注目チームの一つにあげられます。
今回は以上です。
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※記事内データ引用元サイト紹介
FootballLABさん
Sofascoreさん
https://www.sofascore.com/tournament/football/japan/j1-league/196
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