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大切な人を亡くしたときにしたこと(自分の場合)

夫が亡くなってすぐの頃、眠れないことが続いていました。ご飯の味がしなかったり、現実感がなかったり、自分の身体と心に色々なことが起こりました。
その頃やっていた事を書いてみたいと思います。

個人的な事なのですが、この記録がフォロワーさんや誰かの役に少しでもなれたらいいなと願います。

・死別による悲しみについての説明を読んだ。

亡くなってすぐの頃は、どうしたらこの辛さから逃れられるのか、私はこのまま狂ってしまうんじゃないかとずっと思っていた日々でした。
英国王立精神医学院(The Royal College of Psychiatrists)というイギリスの精神科医の先生方が所属する組織のサイトで、自分にしっくり来る説明を見つけました。この説明を物差しにしていました。

自分がおかしくなりそうな時、これを読んで、これは誰にでも起こり得る感情なんだと知る事で少し安心できました。

死別の経験をした人に一般的に起こり得る事が書いてあります。


それでも毎日続くと辛かったり、いつ終わるのか先が見えなかったりして、診療内科の先生に話を聞いてもらったり、家族や友人に寄り添ってもらったり、気持ちを吐き出すためにnoteを始めて、そしてここの皆さんにお世話になり励まされたりして、やっと今があります。

おかげさまで今2年を過ぎたところなのですが、直後よりはだいぶ回復してきました。

人によって効くことは違うと思うので、あれなのですが…色々書いてみたいと思います。

・グリーフケアについての記事を読み漁る。

どうやって私以外の人達は回復しているのかを知る為に、グリーフケアの記事をインターネットで探して読みました。

「グリーフケア」というのは、死別の悲しみを抱える遺族をケア、サポートすることです。

これについて詳しく書いてあるものを読んだりして、回復して行く事に希望を持つことができました。

喪失の体験を話し合ったりするグループワークなどもあるみたいです。私は経験した事は無いのですが、体験を共感しあえる人と話し合える場があるのはとてもいいなと思いました。

・レジリエンスについて調べた。

グリーフケアについて調べていた時に見つけた「レジリエンス」という言葉にもとても力をもらえました。

人間がもともと持っている回復する力の事をレジリエンスと呼ぶそうで、自己回復能力があるのだから焦らなくてもいいと思えました。

・養老孟司先生の動画を色々見た。

これは一般的なことじゃないのかもですが、、何故か私は養老先生のお話を聞くと心が落ち着きました。

解剖学の先生として、ずっと「死体」と向き合ってこられた養老先生のお話はユーモアも交えた感じのものも多く、深刻な気持ちではなく、自然に死を受け入れている感じがして自分の考えには合いました。

最後に自宅で夫が自分の目の前で息を引き取り、火葬されて骨になった事について、何とか自分を納得させるために、その事を受け入れるために見ていた気がします。

人間は自然の一部であり、生きている人はいずれ自然に還っていくものだと思うと、生と死が分断された特別なことでは無く、全ては繋がっていて自然な事なのだと思えるような気がしました。

・仏教関係の朗読の動画を聞いた。

こちらも何か今起きている自分にとって異常な事(死別)に対して答えを求めたくて、流し聞きしました。この世界をどう捉えるべきかと。

難しい話も多いので、結局、寝落ちできる事ができて笑(ほとんど眠れなかったので逆にいいという…)それも良かったかなと思います。

例えばこちらの方の動画とか興味深いです。
でも私はいつも寝てしまいます笑

・とにかく何かに没頭して忘れようとした。

異常に身体が疲れるのに眠れない状態が続いていて、起きていると考えてしまって、辛い時間が続いていました。

仕事をしていたらそれに没頭するのがよかったかなと思うのですが、私は無職で、すぐ働くにしても頭も身体もうまく動かない状態で自信がなくて、とりあえず前向きな事をしよう、外に出る機会を作らなきゃいけないと思ったのと、何かに没頭する事で忘れようと資格の勉強を始めました。

楽しめそうな事があれば、それに没頭するのもいいなと思ったのですが、何かを楽しいと思える感情すら持てない時期だったので、これはこれで私にはよかったのかなと思います。

・感情を吐き出す(書いたり、話したり)

死別時に周りの家族を気にして思う存分悲しめなかったりすると、複雑性悲嘆といって、後々押し込めていた悲しみが後を引いてうつ症状となって現れたりする事があるようです。

私は夫の実家の家族とたくさん話をして、皆の話を聞いたり、時に泣いたり笑ったり、こちらのnoteで頭と心の中のごちゃごちゃを書き出したりして吐き出させてもらいました。

「ジャーナリング」という書く瞑想というものがあるらしいのですが、それに近いことをこのnoteで自然とやっていた気がします。

これは心の回復に大切なことだったかなと思います。私は2年経っても未だに受け止められない悲しさもありますが、確実に回復はしていて、時間が経って気持ちが整理されてきたのは、感情を表に出す事で自然と整理する事ができたからのような気もします。

今、辛い人はできるだけ抱え込まずに、色々な方法で、少しずつ自分の中の辛さを手放していけますように。

・祈る

私は無宗教で夫の実家が浄土真宗大谷派なので、それにならってお仏壇を購入したり、回忌法要を行いました。

法要を行っていくと、不思議と気持ちが楽になりました。特に信仰心が強い方ではないのに。

大谷派のご本尊は阿弥陀如来様で、普段は簡単なお念仏を唱えているのですが、最近、高野山に旅行した義父にいただいた南無大師遍照金剛様のご本尊も加わって、お仏壇の中が賑やかです。
お念仏も2種類唱え始めました。

いつもそこで幸せであるようにと願ってみたり、自分の事を報告してみたり、ちゃっかりお願いしてみたり、謝ってみたり、感謝してみたりしています。
先に向こうに行って見守ってくれているんだなと思うといつもありがとうと思えます。

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死別後すぐの頃、眠れなかった時に聴いて楽になった気がするもの、眠れたものをシェアしてみます。

・くりすたり庵-クリスタルボウルサウンドヒーリングさんの倍音浴シリーズ

くりすたり庵さんと言う方達のYoutubeチャンネルのクリスタルボウルの演奏がすごく身体に働きかけるようなヒーリング効果を感じました。

死別後すぐの頃、ほとんど眠れてなかった時に聴いてて眠れなくても身体が少し楽になる気がしました。何も考えないで、イヤホンやヘッドホンで聴くとよりいい気がしました。

・NHK ラジオ深夜便

夜の11時頃から明け方まで、365日休まず放送している眠れないひとに優しい番組です。

激しいBGMが無くて、ナレーターの方の話し方も静かでいいです。内容も静かな感じの何としてでも起きて聴きたい!というような、楽しくて逆に覚醒してしまうようなものはあまり無く…笑、心地いい興味深さで流して聴けるほどのほのぼのさがあり、ちょうどいいです。

私の場合は、ラジオ深夜便を聴いていると半分寝てるような起きてるような感じではあるけど、なんとなく身体が休められるかな?って感じで寝れます。

ラジオアプリの「らじるらじる」で聴いてます。アプリでは、過去回も聴けたりします。

・help meさんのプレイリスト

まず、一個の動画がすごく長いです。
この動画が終わる前には絶対に寝てるだろうと思える長さです笑。
何故か全て緑色の幻想的な画像で統一されていて、幻想的な音楽のプレイリストが付いています。
題名も眠れそうな題名のものが多い気がします。


・thermosentoさんのプレイリスト

この方のプレイリストの映像(画像の時もある)と題名と音楽の雰囲気がノスタルジックな感じがして、安心感を覚えるのか、何故か眠れます。

特にこちらのプレイリストの動画は、夜の海の波の音(静かめな)と音楽が相まっているのが素敵です。波を照らす月がやさしく光っているのも孤独を分かち合えるみたいで良いです。

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死別の受け止め方、対応の仕方は人によってそれぞれなので、特効薬といえるものは無いのかもしれませんが、一個でも効くものがあったらいいなと思います。

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