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次女がもつ、先天性心疾患との向き合い方。

※娘の病気についての内容を含みます※

「ねぇ、ママ。どうして、私はお姉ちゃんと同じ幼稚園じゃないの?」
次女の突然の質問に、私は言葉を返せませんでした。

次女の病名は、先天性心室中隔欠損症。生まれつき心室に穴が開いている病気です。次女の場合は、手術や投薬は今のところ不要で、日常生活の制限も一切ありません。ただ、(恐らく)生涯穴が塞がることはなく、年に1度の定期検査がマスト。気をつけるべき事項はいくつかあれど、長女と何ら変わらない生活を送っています。

病気が判明したのは、新生児の退院検査の時でした。他の赤ちゃんが次々と自室に戻って来ているのに、娘だけがいくら待っても帰って来ない。嫌な予感は的中し、別室に呼ばれ、「心雑音がするので、精密検査を受けるように」と言われました。

新生児の心雑音の原因は様々で、病気ではないケース、病気でも自然治癒するケースなどがあるそうなので、その可能性に期待しましたが、残念ながら娘は該当せず。そこから現在まで5年半。少しずつ向き合ってきた記録をまとめてみようと思います。

① 親である私が病気を認めること。

病気が判明した当初は、自分自身を責めに責めました。それと同時に、自分以外に原因を求めたくて、親戚に同じ疾患を持つ人がいるか探ったことも。「なぜそうなったか」を考えても仕方がないのに、そちらにばかり思考が向いていた時期でした。時間と共に徐々に気持ちの整理がつき、「これからどうしていくか」の方を考えられるように。

② 病気を理由に、何かを断られるケースがあると知ること。

これに直面したのが、次女の入園手続きの時。長女と同じ園に願書を提出し、準備を進めようとしていた矢先、「この疾患があると、プールの授業には参加できない。それを了承した上で入園していただきたい」との連絡が。

「主治医は問題ないとの見解なので、プールに入らせてほしい」と、何度も園に掛け合いましたが、規定を変えることは難しく、結果はNO。幸運にも、他の園児と同じように過ごせる園が近くに見つかったので、そこでお世話になることに。

この時初めて、病気を理由に断られるケースを経験し、愕然としたのと同時に、「娘の可能性を狭めてなるものか…!」と躍起にもなりました。

稀かもしれないけれど、断られる場合があることを見越して、先方に事前に確認をしておく。代替案を用意しておく。そうすれば、理性的にベストな対処ができるはず、という学びがあった一件でした。

③ 本人に病気の話をすること。

初めて娘に病気の話をしたのは、言葉の理解が進んだ2歳頃だったと思います。ただ、5歳になった今でも、彼女の中では、「髪の毛が短い」とか「背が高い」といった、個性の1つという認識のよう。親が考えるよりも、だいぶライトに捉えている様子です。先日、全速力で走った後に「あたし、心臓に穴開いてるから、きっついわー!」と笑顔で言われた時は、返答に困りましたが…。

④ 病気を理由に、何かを断られるケースがあると、娘に説明すること。

これが冒頭の、「どうして、私はお姉ちゃんと同じ幼稚園じゃないの?」という、次女の素朴な疑問から始まった件です。

病気が理由でできないことがある、という事実を娘に伝える行為。これは、想像以上に辛く、「自分が拒絶された」と感じてしまうのではないか、という恐怖もあり、何度も言葉に詰まってしまいました。「本当は、みんなと同じことができるんだよ。だけど、心臓に穴が開いてると先生たちが心配しちゃうから、プールにだけは入れないんだって。お母さんは、◯◯(次女の名前)にも、みんなと一緒にプールに入ってほしいから、お姉ちゃんとは違う幼稚園にしたんだ。」慎重に言葉を選びつつ、娘が理解できるように考えた精一杯がこれでした。

「ふーん、そっか。大丈夫。ちょっと遠いけどね。」とだけ答え、それ以上は何も聞いてこなかった娘。どれだけ理解して、何を思っていたのかまでは分かりません。

この時まで、①~③のステップは、既にほぼ克服したものと思っていました。ところが、先日のこの一件で、過去のことをウジウジ考えてしまう自分が再び顔を覗かせたり…。

成長と共に病気に対する娘の認識も変わってくるはずなので、都度向き合って話をして…というプロセスはこれからも必須。その過程で、進んだり戻ったりを繰り返しながら、全体として少しずつ上向いていければ良し、という気持ちで、娘と一緒にゆっくり病気とつき合っていこうと思います。

少し重たい内容を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

★見出し画像は、Maruさんの作品をお借りしました。ありがとうございます。

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