佐市

秋田県在住/ピアニスト・作曲家 読書感想や日々思ったことをだらーっと、たまに書きます

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最近の記事

イデアを探って

以前妻と共にスペインのグラナダに旅行に行った時、折角なので夜にフラメンコを観に行った。 グラナダにはアルバイシン地区という白壁と細い道で出来た迷路のような丘の街がある。その奥へ奥へと迷い込んでいくと、やがてサクロモンテという、丘の壁を掘って作った沢山の洞窟でできた居住区がある。 ジプシー達が住んでいて、毎夜毎晩フラメンコのショーが行われているのだ。 留学時代散々通った場所ではあったが妻にもフラメンコの技を共有したくて連れて行った。 フラメンコの華麗なギターの指捌きや足のス

    • 貧しい土地に咲く花

      「俺、この街にずっと住みたいっす」 先日、夜、家近くにある田んぼの畦道を部下と散歩していたら、ふと彼がこぼした。 そうかと頷きつつも、なんでまたと思っていた。 彼は沖縄という遠い南の地から秋田に学びに来て、偶然が偶然を呼んで、共に仕事をする仲になったのだ。 勿論、ずっとここで過ごして欲しいし、ずっと共に働けるに越したことはないと思っている。 しかし、そうは言ってもなかなかそう思い続けることは難しいだろうと思ったのだ。 僕自身、パリにいた時、ずっとここに住みたいと思った。 「も

      • 月と六ペンスを読んだ

        社会的枠組みの中で作った芸術は「芸術」になり得ないのだろうか。 最近よく自問自答していることだ。 自分は企業や学校、個人と様々なパターンでの作曲・編曲依頼を受けて創作活動することが多い。勿論、それと全く関係なく想像のインスピレーションを得てただ作曲をするということもあるが、それが絶対的に自分だけのためのものかと言われると簡単にそうとも言い難い。 結局のところ、誰かに献呈したり、知ってもらいたい欲求を我慢できずにどこか演奏会で初演してもらったりしている。 月と六ペンスで出てく

        • 砂の女を読んだ

           西洋音楽がそうであるように人生もまた緊張と弛緩の連続で成り立ってるという考え方がある。 そして、その振れ幅が大きい人とそうでない人の2種がいる。それが本人の意思であれ、外的要因であれ、ね。それを解決したいならその振れ幅を少なくすればいい。その対処法としては西洋医学では対症療法なんだろうし、東洋的思考では、そのどちらも感じない極地「悟り」を促すのだと思う。とはいえ、そのアプローチでの「悟り」は結局のところ二項対立思考から脱するための目的が見えてるから本来の本義から外れてるもの

        イデアを探って

        マガジン

        • 音楽
          1本

        記事

          吃音宣言を読んだ

          僕は「ディスカッション」という言葉が大嫌いだ。いや僕自身ディスカッションすることは得意だが、何かにつけてこの言葉を使いたがる種族を嫌いなのだ。 先日住んでいる市の社会教育委員会の総会で、今年度の計画を見ている中で「読み聞かせ」ということについての試みが沢山あることに感心したのと同時に、逆に「朗読」のような表現の場の計画が無いなと気づき、提言してみた。すると返答が、本を読んでその本について「ディスカッション」バトルする場を設けているので心配するなとのことだった。大の大人が集ま

          吃音宣言を読んだ

          無調の誕生を読んだ。

          <無調>の誕生 柿沼敏江著について。 ラジオの番組の中で「無調音楽」って何ですか?という質問を受け、回答に困った事がある。クラシック音楽を聴かない層に向けての番組なので難しい説明はできず、その時は、「無調音楽の父」とシェーンベルクについて軽く触れ、音楽の例を流して、相方になんだかホーンテッドマンションみたいな音楽ですよねと視聴者視点でまとめていただいて無事?終えることができた。実際「無調」がなんなのか説明するのは難しくて、なんだかんだ分かったようで分かってない人が多いと思う

          無調の誕生を読んだ。

          徒然読書日記開始

          日々読んだ本などのを概要を紹介していこうかな、と思っております。 とあるファンの方から何でもいいのでブログを書いて欲しいと要請を受けましたので、1週間に1回程のペースで載せられたらなと思ってます。 気軽に、暖かい目で読んでいただけると幸いです。

          徒然読書日記開始