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Gと刻印された弓の話

若い頃…と書くと自分が歳を取った気がするので24年前…いやいや、こう書いてもかなり時間の経過を感じる。
まぁ、いいか(笑)。

昔の話です。
音楽の仕事を始めて間もない頃、まだ実家で暮らしていた頃、お金が猛烈にない頃、インターネットがISDN、ADSLになる前の電話回線で夜中だけかけ放題みたいなプランがあった頃、に自分で弓を買いました。
それがこの弓。

グラッサーというカーボンの弓で、当時で3万数千円。弓によって重さもバランスも異なるユニークな弓でした。10数本の中から選んだ弓でした。

この弓には「G」と刻印されています。
グラッサーの「G」なのですが、元サンライズの社員でありアニメオタクとしては「G」と表記されるとガンダムになります。
よって僕の場合はこの弓は「グラッサー」ではなくて「ガンダム」。テンションが少しだけ上がります。
そして僕とカーボンの弓の付き合いはここから始まりました。オリジンです。

10数年ぶりに新横浜の弦楽器工房拓藏で弓の毛替えをしてもらいました。
http://vn-takuzo.com
※ホームページは更新されていませんが住所は変わりませんし、ちゃんと営業しています。

なんだか弓が生き返った感覚です。
弓の毛替えはお店と言うよりも職人さんによって大きく変わりますね。改めて実感しました。
この弓は来月のエストニアへ持って行きます。ガンダムの弓なので強そうですしね。

そしてこちらのチェロ。

しばらく出張することになりました。
拓藏でペグをウイットナーのファインチューニングペグに交換してもらいました。
https://amzn.asia/d/hsIMGV9
※Amazonでも売っている…
調整もしていただき良い音になってました。

このチェロの仕事は僕の代わりに人を元気にしてくれる事。僕の生まれ故郷に送られるけれど、頑張ってきてね!!!


諸々の修理、改造、運搬の手配など全部拓藏の店主である中川さんにやっていただきました。いつもお世話になりっぱなしで…本当にありがとうございます。


僕の代わりに僕のチェロが元気にしてくれる…ほんの少しでも寿命を延ばしてくれる…こちらはお勤めが終わって帰ってきたチェロ。

おかえり。
そしてありがとう。
当たり前のことだけれど、二度と会えないというのは寂しいです…。