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自然に負けた

2024年4月に発表した「Earth Walker」は、「地球を冒険する」をコンセプトにしている。

マイナス20度以下の極寒の地や積雪が4mを超える豪雪地帯。スコールが起こる亜熱帯や湿度100%に近い場所でも、安全に滞在できる居住空間を提供する建築プラットフォームだ。

どんなに過酷な環境でも快適に過ごせるよう、日々さらなる研究や実験を続けているが、それでも自然の力は強大だ。これまでの経験も知識も通用しないことが多く、ADXのプロダクトチームからエラーの連絡が入るたびにアップデートを重ねている。

そして、どんなに念入りに計画を立てても、敗北することがある。

最近では、亜熱帯地域に建築したとあるプロジェクトで、エアコンを冷やすための冷媒管(ホースのようなもの)に計画に沿って断熱材を巻いたものの、予想以上の高湿度のために冷媒管が結露してしまうことがあった。

結露は特に木造建築にとって致命的で、あらかじめ断熱や空気対流の専門家を交えて設計段階から計画を立てていたが、それでもたった30cmのホースから1日でバケツ一杯分の結露水が出てしまった。

その瞬間、「自然に負けた」と感じた。

しかし、ネガティブなことばかりではなく、その時に、水がない場所でも水を得ることができるというアイデアを得た。強力な除湿機のようなものを使えば、水道がない場所でも、人が1日生活できるくらいの量の水を大気中の水から確保することができるかもしれない。

こうして、少しずつ知見を溜めることで「Earth Walker」は成り立っている。
冒険は、まだまだ続く。

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