マガジンのカバー画像

言葉の企画2019

269
言葉って何だろう?企画って何だろう?半年間、考え続ける。形にしてみる。BUKATSUDO連続講座「言葉の企画」にまつわるnoteです。
運営しているクリエイター

#コラム

生きている限りバッドエンドはない。だから明日も走り続ける。

ひたすら部屋の中にいてもわかるほどに、季節はめぐった。 部屋着に降格したTシャツに着替え、生ぬるい空気を外に放つ。窓を開ければもう、すっかりと夏のにおいだ。 感性が死ぬ危機感というのはこういうものかと、宙を見つめていた数日前。 もう久しく、自分のための文章を書けずにいることに気づいてしまった。 仕事で書くこととは別に、溢れ出す感情を好き勝手に言葉にして残してきたこのnoteも、最後の記事を書いてからもうすぐ半年がたつ。書けなくなったのは、書きたいことがなくなったということ

なんでもない日常に戻らない。

10月も半ばを過ぎて、すっかり街は秋の装いだ。しとしとと降る雨には少しうんざりするけれど、ときおり漂ってくる金木犀の香りに気分がやすらぐ。 ついこの間まで春だったのになぁ。 「言葉の企画」の振り返りをすると、時の流れの早さに気がついてしまう。 先日ついに、半年間の講義の最終回が行われた。 最終講義は、立候補した26人の企画生が前に立ち、「自分の企画」〜どんな企画をする人になりますか?〜をテーマにプレゼンするというもの。 わたしはちょっと悩んだものの、立候補をしなか

飛び越えた先には、何があるかな。

学んだことはたくさんあるのに、いや、ありすぎてなのか、どうにも消化できていなくて思いっきりnoteの締め切りを過ぎてしまった。ごめんなさい。 最近、わたしは第二次思春期なのではないか?と馬鹿みたいなことを思ってしまうくらい、自分について考えつづけている。 でもまずは、学んだことをちゃんと自分の言葉にしないと。そこからまた、ヒントが見つかるかもしれないから。 *** 言葉の企画第5回では、映画をテーマにした「NAVERまとめ」をつくるという課題が出ていた。 わたしは映

お願いだから、もう少しだけ。

「真夏のピークが去った 天気予報士がテレビで言ってた」 フジファブリックが歌うこの曲が、9月に入ってから頭を離れない。 先週の土曜日の最高気温は33℃。去ったと思った夏は、意外としぶとく居座っている。まだまだ終わりたくないらしい。 この日のみなとみらいは、アカペラを歌う大学生や、よさこいの衣装を身にまとった人たちがたくさんいて、にぎやかだった。先月来たときは、ピカチュウがたくさんいた。月に一度来るだけだけど、この街はいつも楽しそうだ。 いつも通り崎陽軒の炒飯弁当を買い

わたしは、何に怯えているのだろう。

「素敵な人」がわからなくなってしまった。 素敵だなと思う人はたくさんいるはずなのに、「素敵な人」は誰かと聞かれると、さっきまで浮かんでいた顔たちはぼんやりと霞み、思うように言葉が出ない。 胸がざわざわとして不安になる。 わたしはいったい、何に怯えているのだろう。 ◆ ◆ ◆ 第4回目の「言葉の企画」の課題で、「あなたの素敵な人について書いてください」というお題が出たとき、思い浮かんだ人は何人かいるのに、いざ書こうとすると誰についてどう書いたらいいかわからなくなってしま

嬉しくて泣いた日。

わたしは、めったに嬉し泣きをしない。 嬉しいことがあっても、心のどこかに「冷静にものごとを見ようとする自分」が鎮座しているからだと思う。 おそらく、自分の心を守るために。 ただそれは、自分の心の奥底の気持ちにちゃんと向き合えていない、ということの証左でもある。 今回の「言葉の企画」の講義。 わたしはこっそりと泣いていた。 ほんとうに嬉しかったからだ。 冷静な自分は、そこにはいなかった。 *** 「私の素敵な人」をテーマにエッセイを書くという課題。 わたし

本と、港と、素敵な人と。

台風が来ているのでは、と恐るおそる起きた土曜日の朝。 わたしの心配をよそに晴れ間の出た空を見て、予定通り三崎に行くことを決めた。 せっかくのお休み、海、恋人とのプチ遠出。 すっかり夏休み気分で、このあいだ奮発して買った真っ赤なワンピースをはじめて着てみた。ついでに髪の毛もちょっとかわいくしてもらった。胸が高鳴る。ふふふ。 この小さな旅のいちばんの目的は、憧れの素敵な人とその人が作った場所に会いに行くことだ。 ◇ ◇ ◇ 東京から2時間弱、電車に揺られて着いたのは神奈

いつか、とびきりスペシャルな名前をあげる。

もうすぐ、梅雨明けだ。雨のにおいから、すこしずつ夏のにおいに移り変わっていくのを感じる。 帰宅後、昼間にたまった部屋の生ぬるい空気に耐えられず、エアコンをつけて涼んでいたら、だんだん寒くなってきて電源を消した。するとたちまちむわんとした空気が身体にまとまりついてきて、また電源をつけた。でもまた寒い。 つけては消して、消してはつけて…… 小一時間、そんなことをもう何度も繰り返しているのだけど、この現象に名前を付けるとしたら、いったい何だろう。 ◇ ◇ ◇ 先日、みなと

言葉の「意志」を考えられる人になる。

「なにかが言語化された時の感覚」がとても好きだ。 それは短い言葉でもいいし、文章でもいい。 なんとなく感じていたことをずばりと言い表してくれる言葉に出会えると、感動をおぼえる。 自分の頭の中でだけ、ふわふわと存在していたものが、くっきりとした形になる。 それは自分でそのものごとを意識できるということだし、人に伝えることができるということでもある。 短歌を読んでいると、その感動に出会えることが多い。 わたしの好きな短歌のひとつがこれだ。 「もういやだ死に

よくばりだから、学びたいし、友だちもほしい【言葉の企画コラムvol.4】

「学びたいし、友だちもほしい。よくばりだから、どっちかだけなんて無理」 今月の頭、酔っ払いながらほぼ無意識に発した気持ちが自分的にめっちゃハッピーな考え方で、我ながら最高!?と思った。一緒にいた言葉の企画生も「めっちゃわかる〜」と言ってくれて、みんな結局は同じことを感じているんだとうれしくなった。ひとりでアレコレ考えるよりも、人と接して気づくことのほうが何倍も多い。 ここ数年、学びの場に足を運び続けているけど「学びの場で友だちをつくる」ことにハードルがあがってしまうときが

もっと深いところで、他人を理解できたら。【言葉の企画コラムvol.3】

2回目の講義後に書いたコラムを下書きに放置していたので、いい加減アップします。ひと月前に書いたものだから心持ちがずいぶん変わって、読み返すと「暗っ!」って思うところもあるけど、あえてそのままで。 ↓ いい企画がつくりたい。悔しさまかせに、そう思った。 「わたしは他人に興味がある」と自己評価をしていたけど、本当のところでは大雑把にしか人のことを見れていなかったんじゃないか。 第二回目の講義で企画書をつくる課題に取り組んで、そのように自問し、情けなくなった。 今回のお題

嘘と後悔を積み重ねたらいつか心が死んでしまう。

平日よりも少し早く起きて、ひと月ぶりのドキドキと少しの不安を胸に抱えながら、副都心線に乗り換える。 運よく目の前の席が空き、うとうととしながら電車に揺られること1時間。 大粒の雨が降りしきるみなとみらいは、いつもより蒼く見えた。 ◇ ◇ ◇ 先週の土曜日、BUKATUSDOで「言葉の企画」の2回目が行われた。 今回のテーマは「企画書に触れる」。 事前課題で提出した71人の企画生の企画書をはじめ、講師である阿部広太郎さんがいままで作ってきた企画書にとにかく触れまくっ

課題だからやるのではない。本気でやりたいから企画するんだ。

言葉の企画第2回の、振り返り。 1ヶ月なんてあっというまだ。 第2回の講義のあと、近くに座っていた企画生と部屋に残ってごはんを食べた。朝、崎陽軒のお弁当売り場を探す時間がなく、コンビニで適当に買ったちょっと佗しいごはん。 スリーエフってローソン系列なんだな、と思いながら手に取った「悪魔のおにぎり」をもそもそと食べながら、会話に参加する。 「企画生のレベル、高いですよね」「すごすぎて、焦る」「もう第2回まで終わっちゃいましたね」「全部の講義が終わるまでに、何かを自分のも

【言葉の企画コラムvol.2】課外活動で、学びも楽しさも倍に!

コラムは月一です!講義後に書きます!って言ってたけど、第二回の講義を前にして待ちきれず書いちゃったので、投稿します。 5月27日(月)からはじまった課外活動のこと、聞いてください! 課外活動の内容は、第一回目の課題「一生忘れられない経験の企画」の優秀作「ことばの日をつくろう」を実現させよう!というもの。 「ことばの日をつくろう」は、わたしたち企画生が出会った5月18日を「ことば(5+10+8の語呂合わせ)の日」として記念日の制定を目指すプロジェクト。考案者は、企画生の立