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『作品撮り』の重要性

暇があったら作品撮りすべし!

商業カメラマンにとって、作品撮りはめちゃめちゃ大事です。

僕と関わりのある若手には常々、「作品撮りしなよ!」って口を酸っぱくして言ってます!

どんな仕事でもそうだと思いますが、今ある仕事をこなしているだけでは成長できません。特にカメラマンのメインどころの取引相手「出版業界」は右肩下がりの業界です。

雑誌は年々減っていき、ギャラも下がっていく。年寄りカメラマンは今の仕事にしがみついて、結局若手には仕事が回ってこない。若手に回す仕事がない。ともいえます。

編集者も失敗したくないから、チャレンジしたくないんです。だから新しいカメラマンを使いたくない。無難に今までのカメラマンを使って、今まで通りの本を作っていればいい。

それが現状です。

そんな中で、あなたはそこを切り開いて食い込んでいかなければダメなんです!
そんなに簡単なことではないですよ!これは。

だからとっても大事な作品撮り。

自分はこんな写真が撮れるんだ!
俺の表現したいものはこれだ!

「自分の個性と技術を形にするのが作品撮り」

これをサボるカメラマンに将来はありません。

作品撮りが大事な理由

その1・営業するためには作品が必要

カメラマンが仕事が欲しければ営業するしかありません。待ってるだけでは仕事は来ないからです。

その営業をするためには「作品」が絶対不可欠です。

仕事ください!

じゃああなたどんな写真が撮れるの?

これです!

極端な話ですが、あなたが居酒屋で編集者と出会って意気投合して、「君どんな写真撮れるの?」って言われた時に見せる作品を作っておけ!ってことです。

僕は現在、HP制作会社を経営していたり、スタジオ運営もしたりしています。
フリーのカメラマンを募集することもあるんですが、ビジネスの撮影だっていうのに、風景写真や料理写真を持ってくる人もいます。それを見せられてもその人が人物写真を撮れるかどうか判断できません。

だから当然、仕事はふれません。

だから、ファッション写真を撮りたいと思うならファッションの写真を。
建築写真を撮りたいなら、建築写真を。
仕事で撮った写真じゃなくていいんです。

僕はこれが好きです!だからこの雑誌でこんな写真を撮りたいんです!僕なら撮れます!チャンスください!そんなアピールの根拠となる作品を用意しなさい。ってことです。

その2・作品撮りは挑戦

若手が初めにもらえる仕事は予算も少なく、時間もあまりないことが多いです。

その中で使える写真を撮らなければいけません。100%の力が発揮できるのは稀で、7、8割の力が出せれば十分合格だと思います。

その中で仕事が忙しくなってくると、とにかく「こなす」ってことだけで精一杯になります。

でも「自分ができること」だけをやっていては成長しません。
だから、作品撮りなんです。

・時間をたっぷり使える
・色んなコトにチャレンジできる
・いい写真撮れなくても失うものはない(金と時間以外は)

作品撮りをすることで、新しい機材、新しいライティング、新しいアプローチの仕方など自分の撮影の幅をひろげていくことができます。

僕の主戦場の「グラビア」でいうと、そのグラビアアイドルのいろんな魅力を引き出さなければなりません。

可愛くて、スタイルいいのはもうみんなわかってるんです。
そこから、「この子ってこんな表情もするんだ!」「知らない子だったけど、ちょっと調べてみよ」みたいに、魅力を引き出してあげるのが大きな仕事になります。

それは、ライティングを変えてあげることだったり、場の空気を変えてあげること、女の子との距離感を変える。そんないろんな要素が必要になってきます。

ない引き出しは開けることができません。この引き出しの数を増やしていくことが若手のカメラマンにはとっても大事なんです。

その3・モチベーションが上がる

仕事が忙しくなって撮影に追われると、目の前にあることをこなす毎日になりがちですよね。忙しいことはとってもいいことなのですが、
撮影が、クリエイティブな活動から、作業になってしまうこともある、、、、

そんな時に作品撮りをすると、自分の好き勝手に撮れるので、クライアント好みじゃなく自分好みの写真が撮れるんですよね。

やっぱり自分の好きな写真が撮れるとテンションが上がるので、

「ああ、こんな写真が撮りたくてカメラマンやってるんだったわ」
って初心に帰ることができます。

このモチベーションの維持はとっても大事です。

新しい機材を買った時。
いい仕事ができた時。
美術館でいい作品に触れた時。

そんな時と同様に作品撮りをしたときはモチベーションが上がります。
だから積極的に作品撮りをすることをお勧めします。

作品撮りってしたことないんだけど、どうすればいいの?

基本的には自分の撮りたい写真を撮るだけです。
でも具体的にどう動けばいいかわからない方のために、次回、作品撮りのやり方を、お伝えしようと思います。

このコラムは毎週火曜日と金曜日に更新していますので、ぜひチェックしてください。

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