金色だけど白ビール?原料から考える白ビールの定義を解説します!
こんにちは!光太郎です。
ビール好きの皆さん、突然ですが、「白ビール」ってご存知でしょうか?
「黒ビール」という言葉は結構有名で、ビールを飲まなくても耳にしたことがある人はなんとなく多そうです。
それに対して「白ビール」の知名度はなんとなく低そう・・・(^^;
ということで、この記事では「白ビール」について解説いたします。
なお、記事の後半では原料から考える「白ビール」のビアスタイルについても触れていますので、広義の意味で捉えていただければと思います(^^)
「白ビール」として考えられるビアスタイルは2つに大別される
まず、ビアスタイルについてです。
ビアスタイルとは、ビールの製法や使われている原料、見た目の色などで種類分けした呼び名のことです。
その中でも「白ビール」と呼ばれるビアスタイルは大きく分けて2つ。
それは
ヴァイツェン
ベルジャンホワイト
という2つです。
ヴァイツェンはドイツ語の「ヴァイス(=白)」という言葉から来ています。
ベルジャンホワイトは「ホワイト(=白)」ですから、どちらも「白ビール」と呼んで差し支えないですね(^^)
「白」の理由はそれまで主流だったビールとの違いから
しかし、これらの白ビールは「白い」とは言い難い色をしています。
銘柄によって多少色の濃さは違うものの、基本的には金色〜黄色といった色味であると感じますね。
これのどこが「白い」のでしょうか・・・
実はこれらのビールが誕生し流行した19世紀ごろまでは、暗い色のビールがよく飲まれていました。
ペールエールやIPA、スタウト、ブラウンエール、ベルギーのトラピストビールなど、多くのビールが明るい茶色〜黒っぽい色味をしていました。
それらに対して白ビールの金色〜黄色という色味は「色が薄い(=白い)」という認識。
こういう部分から「白ビール」という言葉が使われるようになったそうです(^^)
白くないけど「(今までのビールと比べて)白っぽく感じる」から白ビールなんですね〜!
2つの白ビールについての比較解説
それでは2大白ビールとも言える、
ヴァイツェン
ベルジャンホワイト
それぞれについて比較して解説いたします。
ドイツ生まれのヴァイツェン
まずはヴァイツェンから。
先ほど少し書いたように、ヴァイツェンの語源はドイツ語の「ヴァイス」です。
ヴァイスは「白」の意味でしたね。
ヴァイツェンを名乗るには、醸造に使用している麦芽に50%以上の小麦麦芽が入っていることが条件。
バナナのような甘いフルーティな風味があり、ホップの使用が控えめで苦味がほとんど無い(または少ない)ビアスタイルです。
日本のブルワリーで造られるビールにもよく見かけるビアスタイル。
苦味が少ないのでビールが苦手な人にもおすすめできますね(^^)
ベルギー産のベルジャンホワイト
続いてベルジャンホワイト。
こちらは「ベルジャン」の通り、ベルギー発のビアスタイルです。
原料に小麦麦芽を使っているのは同じですが、それに加えて
オレンジピール
コリアンダーシード
といったものも入っています。
このおかげでヴァイツェンの時に感じたバナナっぽさは控えめになり、代わりに
オレンジピールの苦味と酸っぱさ
コリアンダーシードのスパイシーさ
がプラスされています。
この「酸っぱさとスパイシーさ」はややクセがあり、好みが分かれるのも事実。
しかし世界中に多くのファン(特に女性ファン)がいることもまた事実のビアスタイルです(^^)
コリアンダーシードはタイ料理などによく使われる「パクチー」と同じですから、好き嫌いが分かれるのも仕方ないですね。
ヴァイツェンとベルジャンホワイトの共通点
以上がヴァイツェンとベルジャンホワイトの違いです。
これら2つのビアスタイルの共通点は、どちらも「小麦(小麦麦芽)」が原料に使われているという点にあります。
小麦を使ったビールは、
見た目がやや濁ったようになる
泡立ちが良いビールになる
口当たりがまろやかになる
といった特徴がありますね。
つまりこれらは白ビールの特徴でもあります。
豆知識として覚えておくと良いかもしれません(^^)
補足:白ビールに対して黒ビールがある?
白ビールについて少し解ってきましたが、「黒ビール」はどうなんでしょうか?
これは言葉の通り「黒色をしたビール」で、実際の見た目も黒(または非常に暗い色)をしたビールです。
有名どころでは、ギネスなどに代表される「スタウト」というビアスタイルがありますね(^^)
ビールの色味は使っている麦芽の色で決まります。
黒ビールと呼ばれるビアスタイルには、主に焙煎した麦芽を加えているので黒っぽい色味になるんですね。
そういった意味では、「小麦を使っている=白ビール」と「焙煎した麦芽を使っている=黒ビール」で、「使っている原料によって決まる」という本質的には同じような意味合いだと言えるでしょう(^^)
共通の原料を使っている「その他の白ビール」について
最後に、原料の「小麦(小麦麦芽)」から考える白ビールを2種類追加しようと思います。
それは、
ホワイトエール
ウィートエール(ウィートビア)
と呼ばれるビール(ビアスタイル)です。
ホワイトエールは「ベルジャンホワイト」とほぼ同じ意味で、単純に呼び方が違うものと思って差し支えないと思います(^^)
※キリンビール『キリンビール大学 BEER STYLE NOTE「ホワイトエール」』を参照
ただ、ビールの銘柄にも「ホワイトエール」という名称が使われていたりしますから、一応ここで取り上げてみました。
一方のウィートエールですが、これはアメリカ発祥のビアスタイルで、正確には「アメリカンウィートエール」と呼ばれます。
このビアスタイルはアメリカで1970年ごろに興った、「画一的なビールから脱却しよう」というクラフトビールムーブメントから誕生したそうです。
画一的なビールとは、バドワイザーやクアーズのようなライトラガーのこと。
これらの企業が造るビールとは一味違うビールを造ろうという流れから、ウィートエールができたんだとか。
その時点でヴァイツェンやベルジャンホワイトは存在していました。
しかしそうした伝統的なビールを造って広めようというのではなく、自分たちの自由な発想から小麦のビールを造ってしまうあたり「さすがアメリカ・・・!」と思ってしまいます笑
これらの小麦を使っているビールも、やはり白ビールと呼んで差し支えないと僕は考えています(^^)
公式な解釈ではないかもしれませんが、大きく外れていることもないと思います!
※ちなみに、「アメリカンウィート」という名称そのままの銘柄もあります!
白ビールをもっと広めるとビールの飲み手が増えるかも!?
この記事では、「白ビール」という言葉について解説いたしました。
基本的に白ビールと呼べるビアスタイルは、
ヴァイツェン
ベルジャンホワイト
の2種類のことを指します。
僕の解釈では、これにホワイトエールとウィートエール(アメリカンウィートエール)を加えて「白ビール」としています。
これらは小麦を使っているビールで、色味は金色〜黄色がほとんど。
それまで主流だったビールと比べて色が薄いということで「白ビール」と呼ばれるようになりました。
白色をしたビール、というわけではないんですね(^^)
白ビールは全体的にホップの苦味が控えめで口当たりが良い、フルーティなビールが多いです。
ですから、白ビールがもっと広まると、ビール嫌い(苦手)な人でもビールを飲む気になってくれるんじゃないかな?と思ってます。
ビールの飲み手が増えることはビール業界にとって嬉しいことだと思います。
「白ビール」、もっともっと広めちゃってください!
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