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【アメリカで定義】クラフトビールってどういう意味?誰が決めたの?知ってて損しないウンチク講座

こんにちは!光太郎です。
この記事では、「そもそも、クラフトビールって何?どういう意味?」という疑問について回答しています。
普段からクラフトビールを愛飲されていても、

  • なんとな〜く流行っているから飲んでいる

  • クラフトビールの意味について深く考えたことはない

という方も多いはず。

しかし、です。
きっと今後もクラフトビールを楽しむんですから、せっかくなので豆知識と思って覚えておきましょう♪

この記事では、

  • クラフトビールの定義とは何か

  • クラフトビールの定義について光太郎の考えや想い

について書いています。

クラフトビールって何なのかをもっと詳しく知りたいという方、良かったら最後までお付き合いください(^^)


クラフトビールを定義する3大要素

「クラフトビール」という言葉はアメリカで生まれたとされています。
となると、当然クラフトビールの定義についてもアメリカが定めたことになりますね。

実はクラフトビールの定義は、アメリカのビール団体「ブルワーズ・アソシエーション(Brewers Association:通称 BA)」が定めました。

BAが定める定義となる要素は以下の3つがあります。


  • 小規模であること

  • 独立していること

  • 伝統的であること


それでは、それぞれについて見ていきましょう。

1、小規模であること(Small)

「小規模であること」ですが、要するに「大手ビール会社か、そうでないか」ということです。
アメリカの大手ビール会社といえば、

  • アンハイザー・ブッシュ(バドワイザーなど)

  • モルソン・クアーズ(クアーズライトなど)

などがあります。


これらは大衆ビールの最大手で、日本のビール会社でいえば

  • アサヒビール

  • キリンビール

といったところでしょう。

これらの会社がイメージ的にも大企業(大手)というのは何となくわかりますが、イメージで小規模かどうかを決めているわけではありません。

小規模の条件。
それは、「年間のビール製造量が7億リットル未満かどうか」という水準です。

・・・まぁ、7億リットルと言われてもピンとこないと思いますが(^^;)

比較のために別の数字を調べました。

先ほどのアンハイザー・ブッシュ社の年間製造量ですが、なんと、「約430億リットル」です!!!(2017年)
まさにケタ違い。
ちなみに、日本のアサヒビールは「約60億リットル」となっています。(同じく2017年)

この数字を見たら、年間7億リットルがあまり多くない数字だというのが感覚的にわかるかと思います。

クラフトビール好きの僕たちは、普段からクラフトビールに接する機会が多いと思います。

ですので、「クラフトビールもけっこう流行ってるから、消費量もだいぶ多くなったんじゃない?」みたいに思いがちですが、こうして数字を並べてみるとまだまだ小規模な市場だということが分かりますね。

※そういえば、東京ドームをビールで満杯にすると「約12.4億リットル」になるそうです(^^;)

年間430億リットルのバドワイザーはまさに「King of Beer」

2、独立していること(Independent)

「独立していること」ということですが、これは「自社の所有権を他の企業や個人が持っていないか」という意味です。

所有権の割合は25%未満。

つまり、発行している自社株のうち、25%を超える株式数を1社(または1個人)が保有していると、それは独立性を保っていないとみなされるんですね。

少し話はそれますが、株を持っている人には株主総会における議決権というものが与えられます。
議決権を簡単に説明すると、会社の経営に口出しできるかどうかという意味です。
50%を超える株式を持っていると、多数決の原則により、会社の経営方針を自分で決められるようになる(=実質的に会社を保有している)ということになります。

当然ですが、株式の発行で資金を集めようと思うと保有権を25%を超えて株を取得する企業・個人も現れます。
そうならないように、各ブルワリーは健全な経営ができるように努力する必要もあるんですね。

そのためには単純にクラフトビールを造るだけではなく、集客・販売の方法(いわゆるマーケティング)にも注力しているんだということも覚えておきましょう。

僕もクラフトビールのブルワリーを応援する意味でも、noteやSNSを使って美味しいクラフトビール、素晴らしい活動をしているブルワリーを広めていきたいですね!

3、伝統的であること(Traditional)

「伝統的であること」とは、ビールの成分の50%以上が伝統的な成分で造られていることを言います。

伝統的な成分とは、「水、ホップ、大麦麦芽、酵母」といった、基本的な素材のことを指します。
(ドイツにおけるビールの法律「ビール純粋令」に通じますね。)

これら伝統的な成分を用いて造られているビールがクラフトビールということになります。

『じゃあ他の成分が多く入っているビールは「クラフトビール」じゃないの???』って、気になりますよね(^^)

近年では別の要素も定義づけされるようになった

実は、これらの定義づけをしているのは前述したアメリカのビール団体「BA」なのですが、このBAが2014年、3つ目の「伝統的」という定義に代わって別の要素を定義づけしました。

ブルワーであること(Brewer)

「伝統的」に代わって定義されたのは、「ブルワーであること」です。

ブルワーとはビールの造り手であること。
造り手である証明はTTBという酒類の営業許可証を保有しているかでわかります。(日本語訳した正式名称は「米国財務省酒類タバコ税貿易管理局の営業許可証」といいます)

「小規模で独立性を保っているブルワリー」で、このTTBという許可証を持っているブルワーが造っているビールこそが、クラフトビールということになるんですね(^^)

アメリカでは昔から「ホームブルー」といって、個人が自宅で好きなようにビールを造れるようになっています。
この仕組みは「小規模」で「独立」していて「伝統的な」製法でビールを造れる→【個人でもクラフトビールを名乗れる!】ということになりかねません。

しかし、「ブルワー」という条件に変わったため、前述の免許を持っていない個人ではクラフトビールを名乗れなくなりました。

といっても、このために3つ目の条件を変更したわけではないと思います。
その理由は次の項目で(^^)

BAが「伝統的であること」を廃止した理由

BAが「伝統的であること」をクラフトビールの要素から外した理由は単純で、それは


何世代にもわたってビールを造っている企業や醸造所が、使っている原料が伝統的でないという理由でクラフトビールと呼ばれないのはおかしい


というもの。
言われてみれば、確かにそうですよね。

もし長いこと品質の良いビールを作ってきた歴史のある醸造所で、いろいろな原料を使ってチャレンジングなビールを開発したとしても、それは「伝統的でないからクラフトビールとは呼べない」となってしまうのは非常に残念。

しかしこの定義改定のおかげで、僕たちはより美味しいクラフトビールを飲むことができるようになってきています。
本当に嬉しいことですよね♪

消費者は美味しいビールが自由に飲めることを求めている!

なにがクラフトビールかは飲み手次第でOK!と考えています

この記事では、「クラフトビールとは一体どんなビールのことを指すのか?」ということについて解説してきました。
おさらいすると、クラフトビールであると定義する要素は3つです。


  • 小規模であること

  • 独立していること

  • ブルワーであること


この3つの要素を持つブルワリーで造られるビールこそが、僕たちの大好きなクラフトビールということです!

ぜひ豆知識として知っておいてください(^^)



とはいえ・・・

実際にクラフトビールを楽しんでいる僕たち消費者にとって、そんな定義づけって本当に必要なの?という部分はあります。

「大手ビールだからダメ」「クラフトビールだから良い」ということではなく、僕たちが求めているのは「美味しいビール」であるはず。

例えば日本の大手ビール会社サントリーの「TOKYO CRAFT」シリーズからはペールエールやゴールデンエールが、キリンビールからは「GRAND KIRIN」シリーズとしてIPAやホワイトエールが発売されています。

SUNTORY TOKYO CRAFTシリーズ

これらはクラフトビールの定番スタイルの1つで、味もとても美味しい。
一昔前のおみやげ用の地ビールのように、ただ高くて珍しいだけで美味しくないビールということでもなく、しっかりと作り込まれているのは間違いありません。

僕個人の考えとしては、造り手から美味しいビールを造りたいという気持ちが伝わっていれば(そして美味しいと感じれば)、それはクラフトビールと呼んでもいいんじゃないかなと思います(^^)

クラフトビールを愛する僕たちとしては、アメリカのBAが提唱する3つの要素は理解しつつも、美味しいビールは美味しいと広めていきましょう♪

もちろん、僕は日本の大手ビール会社の造る第3のビールも好きですよ(^^)

キリンビール GRAND KIRINシリーズ

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