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知的複眼思考の実践① ~電験三種の必要性をテーマにして考える~

こんにちは。
Kotaroです。
今回はいつもと毛色が異なりますが最後まで読んでもらえると嬉しいです。

まずは複眼思考とは何なのか?ということですが、この複眼思考を提唱しているのが知っている方もちらほらいるかと思いますが、苅谷剛彦先生です。
先生が執筆した知的複眼思考法は発売から22年が経とうとしているところですが、未だに売れている名著です。

物事を常識にとらわれた単眼思考で捉えるのではなく、自分自身の視点から多角的に捉える力を複眼思考と定義しています。
この力は社会人としての経験が蓄積されるにつれ、大切な力だと感じています。

どうすれば生産性が上がるのか?
どうすれば効率良く仕事ができるのか?
どうすれば革新的なアイデアを思いつくのか?
どうすれば論理的に物事を考えることができるのか?

などなど。
駆け出しの頃はテーマや目的が与えられ(またはすぐに見つかる簡単なものであったり)先人の知見を吸収し成長できた部分が多分にあるかと思います。
ただ、その模倣だけではいつか必ず成長が止まり、上手く仕事ができなくなると自負しています。
その際、今までの経験や新たな知見を基に自分なりの方法を確立させ、成長していくことが必要になりますが、この「自分で考える」のがキモになります。
自分で課題を見つけ、解決法を探し実践していく・・・

自分で考えることが癖になっていないといざ課題を見つける段階になった時、何も思い浮かばなくなることがあります。
僕も例外ではありません。

元からあるテーマや課題が全て解決できた時、今度は自分で新たな提案をしていかないと仕事が生まれませんし、また、今までと全く傾向の異なる難題が出た場合もあります。
今までの自身の常識で仕事に取り組むことができなくなった時、どう対処すればいいのでしょうか?

そういった危機に直面する前に常日頃から実践して思考力を身に着ける上で有効な方法が複眼思考だと思います。
僕もまだまだ未熟ですが、この複眼思考を使って思考力を鍛えていきたいと思います。

僕のNoteを読んでいらっしゃる皆さんは電験三種の取得に向けて日々勉強を頑張っている方が多いかと思います。
そこで電験三種という資格の重要性を切り口に色々と考えていきます。
こういった思考法に正解はありません。
あくまでも僕の切り口で展開していくので一意見として読み進めてもらえると嬉しいです。

電験三種は建設工事やビルのメンテナンスを始めとした電気設備の工事や保守管理に欠かせない仕事であり、大抵の電気設備には管理者が掲示されているかと思います。
現時点で需要がたくさんある上に、これから大型化していくプラントやインフラ構造物、複雑化していく建築物が増えていく中でますます需要が増大することが予想されます。

需要が多い電験三種資格者ですが、実際の供給状態(資格保持者の数)はどうなっているのでしょうか?
電験三種の需要と供給のバランス、そして今後どうなっていくのか予想してみたいと思います。

電気技術者試験センターのHPには昭和60年からの試験実施状況の推移が掲載されています。

昭和60年から令和5年までの合格者を合計すると173,870人になります。
有資格者の中には亡くなっている方もいらっしゃいますので概算にはなりますが、日本人の0.14%が電験三種の有資格者となります。

また機電系の学生(学部生)は下記サイトによると学部生全体の14.6%です。
また、経産省が取ったアンケートによると今後技術者が不足されると予想されている分野が機械工学、次いで電気・電子系とまさに機電系の学生の需要が高いことが読み取れます。

正確には機電系外の有資格者や工業高校、高専卒の方もいらっしゃるので実際にはもっと母数が大きいですが、機電系の人間であったとしても電験三種の資格を取る人間が非常に少ないことが読み取れると思います。

機電系学生の就職は多岐にわたるため、必ずしも電験三種が必要となる職に就くとは限りません。
ですがそれでも取得者が少ないと思いませんか?

取得者が少ない原因を考えていきます。

工学系の中でも特に機電系の学生は汎用性の高さから就職先が多岐にわたります。
僕の同期が進んだ先を見ても本当に多様です。
メーカー、インフラ、ゼネコン、IT、公務員、海運、コンサル、商社・・・
士業以外の就職先にもれなくいるんじゃないかと思っています。

ただでさえ貴重な機電の学生がエンジニア以外に就職先を手を伸ばしている。
さらにエンジニアの中でも電験三種が必要な業界って思っているより少ないと感じます。

以上から要因の1つとして、機電系の学生が必ずしも電験三種が必要な業界に入らないことが挙げられると思います。

今度は年収の面から考えてみましょう。
いくら難関資格でも高年収が見込めないのならコスパが悪く受験しなくなりますよね。

ユーキャンでは平均350万~500万と書かれておりあまり高くありません。。。

もちろんこれはあくまで目安です。
実務経験や他のスキルも併せて業務を行う方が大多数だと思うのでもっと高くなるとは思います。

次にコスパに近いですが業務量に関しても考えていきます。
電気設備の点検は1人が1つの電気設備のみを見るわけではありません。
自社内の管理エリアにある電気設備を何十、下手したら何百といった設備を保守点検します。
徒歩で行けるエリアならまだしも郊外や田舎ですと車で走り回る必要があります。
移動時間+複雑な保守点検作業を行わないといけませんから、当然業務量が多くキツくなります。
しかも、今後供給者が減ることからますます管理数が増大し更なる負担増になることが考えられます。
現時点でこのことが予想されることからなろうと思う人が減るんじゃないかなと感じます。

なぜ電験三種を保有する人が少ないのかを考えてみました。
①機電系の学生が多様な業界に進むことによる供給不足
②高年収が望めない
③業務量が多すぎる

ネガティブな内容が多くなりましたね。
では、このまま電験三種は不人気な資格となり先細りになっていくのでしょうか?
取るに値する資格では無くなっていくのでしょうか?

私はそうは思いません。
先に挙げた取得者が少ない要因のうち①と③は仕方のないことかと思います。
しかし、②の年収については今後も低年収をキープするとは思えません。

電験三種と同じような要因で成り手の少ない業界といたしまして
建設現場の作業員が挙げられます。
高齢化と成り手不足により、供給が足りていない現状があります。
こういった現状から現場作業員をまとめる中小企業もどんどん潰れていきます。
しかし、現場作業員の多くは技術があるため多くの方は今度は一人親方や少人数で再度会社を興して仕事を続けていきます。

大手ゼネコンでは高い技術を持つ職人を囲うために従来よりも報酬を上げて作業員を呼び込もうと躍起になります。
ゼネコン自体も案件が大型化および複雑化していく中で少しでも受注しようと躍起になりますので、当然報酬が吊り上がっていきます。

下記のサイトでは東京都の平均ではありますが、単価が高いことが分かります。
(事業主の扱いにもなるので色々と経費計上できるものがあるため年収以上に手取りが多いことが予想されます。。。)

電験三種の保有者が今後現場作業員と同じような環境になるのではないかと考えています。
年収の上がりやすい環境になっても、結局は個人の技術力やコミュニケーション能力によるところもあるので100%大丈夫だとは言えませんが。。。

また、業務内容が複雑でシステマチックにできないので、AIに取って代わる心配もほぼありません。
これは電験三種も同じです。
そういったことから急な供給増大による収入減が起こりにくいと言えます。

本当はマクロ経済を使って説明できれば説得力が上がるのですが、知識が乏しいので今後この辺りも勉強していきたいなと思います。

最後にまとめますと、

電験三種は現時点では高収入に繋がりにくくコスパの悪い資格だと言える。
しかし、自身の技術力を高め、コネクションを広げることで今後の需要拡大および供給不足になった際、高年収に持っていくことが十分に可能であると言え、取得するに値する資格に化けることは十二分にあり得る。

複眼思考を使って様々な側面で見たのですが、あまり独自の目線で評価することができずまだまだだと思いました。。。
今後独自の切り口で評価できるように日々鍛錬を積みます。。。

次回は電験三種最後の記事になります。
僕が電験三種を4ヶ月の勉強で合格する上でどのような勉強をしたのか紹介できればと思います。
最終回の記事ですが、一部有料とさせて頂きます。
精一杯執筆するのでぜひ購読して頂ければと思います!!!

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