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アクセシビリティ(ロービジョン)体験会を開催しました

継続的にアクセシビリティ勉強会を実施しています

今までに2回、私の見え方や不便さをプレゼンテーション形式で発表してきました。

同じチームのblindsoupさんが私と二人で登壇したときの様子をnoteにしてくれています。よろしければどうぞ。
https://note.com/blindsoup2p1/n/nc6cc03577a2a

・標識や信号が見づらいので車や歩行者の動きで判断している
・電車のホームが怖い、行き先表示や今通過している駅か分からない
・買い物は小銭は使わずお札のみ、おつりはまとめて郵便局で入金する
・情報量が多すぎる通販サイトは苦手
・外出中はスマホのカメラや携帯ルーペ、フレネルレンズを利用

勉強会ではこんな感想がありました。
・信号機、日差しによっては私も見づらい
・歩行者信号の音で方向を表しているのは知らなかった
・電車の行き先表示は見えていても分かりづらいものがある
・小銭が使いづらいのは海外での買い物に似てる
・見づらい通販サイトに賛同多数
・フレネルレンズってなんぞ??

「へー、ほー」「大変そう」という感想くらいしか予想してなかったんですが、同じように感じている人が結構いることが少し意外でした。

もっとアクセシビリティ対応を身近に感じてほしい

私の見えづらさを理解してもらったり共感してもらうことはできても、障害の話となると重苦しくなってしまう気がしていました。
また「アクセシビリティは特別なことじゃない」と言っても、「まぁ世間の流れ的に」「”べき”論として理解した」という受け取り方をされている方もいるかもしれない。でも私が伝えたいのはそういうことじゃない……。

なので少し趣向を変え、参加者のみなさんに楽しんでもらいたいという思いを企画にしてみました。

体験会タイトル(小)

参加者に響く内容を考えてみた

あまり重苦しい内容にしたくない。
また製品のアクセシビリティ対応に前向きになってもらいたいという思いから、新しい勉強会の形態を考えてみました。
私が伝えられることから、今回のテーマに選んだのは2つ。

見え方は人それぞれ
視覚障害には単純に視力が低いということ以外にも、ぼやけや歪みなどさまざまな見え方がある

視覚障害は他人事じゃない
老眼や白内障などは、かなり多くの割合の人が将来体験することになる

体験会をやってみた

伝えたいことのコンセプトが固まったので、資料や進め方を準備して、参加者の皆さんに体験してもらう「アクセシビリティ体験会」を開催しました。

第1回目の体験会では、私が説明できる「文字を大きくしないと見えづらい」体験をしてもらうことに。
内容は以下で進めました。
・コンセプトの説明
・OSやブラウザの拡大機能の紹介とハンズオン
・視覚障害体験ゴーグル体験
・実際の業務をしてみよう

20200213体験会

体験会の様子

体験ゴーグルとは
曇りガラスのようなレンズや黄色いレンズなどがあり、白内障や緑内障などの体験ができるゴーグルです。

体験会ではこんな感想がありました
・カーソルがどこにあるか分からない
・画面のどこを見ているか分からない
・拡大機能の初期設定が面倒
・スクロールが分かりづらい
・エラーやアラートに気付かない
・拡大していると白と黄色の判別が難しい
・変換候補などが画面に収まってない

実際に拡大機能を使った時に見ている画面を体験したり、少なくない割合の人が早ければ50代から体験するということを知っていただいたので、コンセプトに掲げたことを伝えられたかなと思っています。

今後やってみたいこと

今後の勉強会は、より業務に役立つことを伝えていきたいと思っています。

必要な人へ必要な情報を届ける
サイボウズには色々な部署があり、必要な情報もさまざまなので、それぞれの部署が必要な情報を、それぞれのメンバーのアクセシビリティへの親和度にあわせて伝えていきたいです。

顕在化されていない「見づらさ」を発掘する
視覚障害者ではないものの、色や明るさなどで見づらいと感じている人が少なからずいることが分かったのでお話を聞いて、製品改善に関わる人へ発表したいと考えています。
ユーザーリサーチという未体験の領域へ進んでいくことになるので、これはこれで楽しみです。

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