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君が輝くその日まで|第二話

第二話 信用

ーーーおねえさんが笑顔で聞くと、みんな静まり返ってしまった。
連がおそるおそるこう言った。
「あ、あの…3人が何で転向したのか聞いてきて、
僕は信用増えたらもしかしたら教えるかもってい…」
「教えればいいじゃないの」
おねえさんはやっぱりぽかんとしながら連の話に突っ込んできた。
「え?いいの?」
「いいわよ、別に。でも、この三人だけね、そんなに知られたくないから」
連がうなづいてから話し始めた。
「僕は、いじめられてたんだ」
その一言で、私たちはすごくおどろいてしまった。
連っていじめられてたの!?誰に!?どんな集団に!?
聞きたいことがたくさんあったけど、
今聞くと雰囲気がどうなるかと思うと、言えない。
英知と英華もそう思ってるだろう。
と思っていたら…
「連、誰にいじめられていたんだ?」
あまり空気が読めない英知が言ってしまった。
連はそのまま、話し出した。
「額に…だ」
「えーーーーーー!?!?!?!?額ーーー!?
額って…あの…人気でイケメンでめちゃくちゃモテる男の子のーーー!?」
「思ってることが声に出てるよ、優菜www」
連が笑った。
え…オーノー…声に出てたのか…恥ず…
顔から火が出てるように顔が熱くなるのが感じた。
顔から…火が出ると…いえば…
ーーーーーキーンコーンカーンコーン…
「英知は放課後に…裏庭か…」
言いたいことがあると聞いて、私は裏庭に向かった。
ザクッ…裏庭についた。
「なあに?」
英知がベンチで本を読みながら待っていた。
「よお」
本をベンチにおいて、あいさつをした。
「言いたいことって何?」
「それは…」
好きだ。

どうしよう。私はそれしか考えられなかった。
私には他に好きな人がいる。でも、その人に告白しても無理だろう、
そう思っていたから、
ずっとおさななじみの英知と付き合うのもいいのかな。
でも…みんな自分の好きな人と付き合いたいよね。
だから私はこう答えた。
返事、少し待ってくれる?

「わかった。」
そう答えてくれたから、私は安心した。
でも、返事、いつしよう。
「ごめん」なんて言ったら、落ち込むよね。
しかも、もう話しかけてくれなくなるかも。
でも、正直に言ったら…英知だもん、平気だと思うけど…
ともかく、返事はとっておこう。
いつか返事をしよう、いつか...ね。ーーーーー
「ーなー!ゆうなー!聞こえてるかー!」
英知が驚いたような顔をしてこっちを向いた。
「はっ!ごめん、ぼーっとしてた」
きっと私の顔は赤い、はずい…
「もう、優菜ったら!」
笑いながら英華が打ち消してくれた。
「でねー…」
ふう…疲れた…
ふと、そう思うと、思い出したことがもう一つ思い浮かんだ。

今日、塾ある日じゃん‼

忘れてたーーー!
秘密基地行くから、って思ってたら…
やばい、お母さんに怒られちゃう、いや、それどころか、
あの怖すぎる金八木先生(きんやぎせんせい)に怒られたくない!
あの人は、筋肉やばすぎて、おなかが割れてて、凶暴な先生…
遅れただけで廊下一時間たつんだよー…
私は急いで荷物をまとめ、みんなにこう言った。
「ごめん、今日、私塾あったから先帰るね。」
「えー?あー、そっか。じゃあ、またね!気を付けて!」
3人が私に手を振ると、私は連の家を出た。
連に質問したいことはたくさんある。
何でいじめられてたの?
連は何かしたの?
なんで、あの秘密基地に家を建てて住んでいるの?
あの家は、前からあったの?
考えながらも、快晴の太陽にあたりながら、私は塾に向かった。
やっぱりあつかった。溶けそう。死にそう。
そういえば、英知への返事はどうしようー…
実は、私にも好きな人がいる。
英知以外に。

それは、額だ。

でも、これは連にも誰にも言えない秘密だ。
本来は優しくて、この前なんで私が大事なものをなくして泣いていたら
一緒に探してくれたんだもの。
なんで、そんな額が連をいじめるの…?ーーー

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