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講演 / 森創る民のささやき

「森を創る民のささやき」ブログでの記事(2009年1月26日)とその追記記事です。

#88 講演

先週末は、
情報交換などで懇意にしていただいている
とある企業の社長様が関係されている、
勉強会に講師として、出させていただきました。

その勉強会の今年のテーマは「社会起業」で、
それならば「ツバルの森」のビジネスが相応しいということを
その社長様が会に推していただいたのが経緯です。

学生から社会人、企業の方など、
非常に熱心に聞いていただきました。

ところで、
私自身は、今の事業が「社会起業」と感じてはいなかったのですが、
第三者から見れば、世の中のために起業をしたという点で、
「社会起業」の分類になってしまうようです。

しかし、これには少し違和感が感じます。
たとえば、日本の「鉄道」や「新聞」は、
明治ごろ、民から始まったもので、今や社会のインフラですが、
・活動範囲を広げたい
・情報中心地から遠方の人にも情報を伝えたい
などのような、
世の中に必要なものだから提供しようと始まったのだと思います。
当時はある意味「社会起業」だったのではないでしょうか。

しかし、今、新たな路線や紙面ができても、
それは「社会起業」とは見えないでしょう。

製品やサービスなど、社会に必要なものを提供できなければ、
企業としての存在意義は無く、
逆に、必要なものを提供できる企業が世の中に残っていきます。
(ただし、これは良いものはなにしなくても売れるというわけではなく、
営業等の企業活動は必要です。)

その意味では、世の中に必要な製品・サービスを提供する会社は、
広い意味で「社会起業(企業)」の分類に入るのではないかと思います。

ツバルの森の事業が、「社会起業」とみられずに、
普通の事業体として見られるような時。
その時は、企業や個人にとって身近にある
「環境」が実現できた時と思います。

森を創る民のささやき January 26 2009

10年ぐらい前までは、
「社会課題」に対して、
ビジネスでの解決を目指すベンチャーが珍しかったのが、
ここ数年は、SDGsの認知が急拡大していることもあり、
ベンチャーだけでなく、
大手企業でも、課題解決型のビジネスを行うことが
普通になってきました。

従来のように、モノやサービスを単に売るだけでは、
類似品や価格競争の波に飲み込まれ、体力勝負となりやすく、
それよりも、
自社のリソースと社会課題をかけ合わせた方が
強みを活かしやすいということに意識が変わっていったと感じます。

それは、ある意味で、
パラダイムシフトのようなものでもあり、
10年近くも経ると、社会認識が変わってくるものだなぁと思います。

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2008年に設立したツバルの森時代のブログ「森を創る民のささやき」に、後日談を追加し再編集したマガジンです。この購読料の収益は、世の中の環…