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ソラミツ 世界初の中銀デジタル通貨「バコン」を実現したスタートアップ | 今週読んだ本

ふと、手にとって読み始めた、この本。

最初は、ベンチャーが「ブロックチェーン」というバズワードを使った、よくある、受けを狙った未来話かと思ったら、全然そうではなく実は骨太な話でした。

「ソラミツ」というベンチャーが、カンボジアの中央銀行と一緒に、世界初の試みとなる、デジタル通貨を導入を進めたという話。このデジタル通貨には、仮想通貨でおなじみのブロックチェーン技術が使われ、処理能力を高めた独自の技術を確立されて、実用に耐えうる仕組みを実現したという。

「日本発」と言えるのかどうかわからないけど、社会のインフラとして使われるようなことに、日本の、しかもベンチャーが実現した、というのは希望のある話だと思います。

ゆくゆくは、日本にも同じような形で、中銀デジタル通貨が導入されればと思いますが、必ずしも、理想の仕組みのものが普及するわけではないのが、世の常だと思います。

たとえば、理想の言語として「エスペラント」という独自の言語を作り上げましたが、世界の公用語としては旧来の言語が優勢な状況です。

とくに日本は、いまだにFAXがビジネスツールとして活用されたり、ハンコ文化が残っていたりするので、効率的なやり方が主流になるわけではない、という特異な国柄です。

結局、どれだけの利用者を巻き込めるかどうかがポイントだと思うので、現在勢いのあるQR決済のどれかが、そのままデジタル通貨もどきになってしまうような気もします。そうなると、このソラミツのような、せっかくの技術がもったいないことになり、ケータイの二の舞のような、ガラパゴス化していくんだろうと危惧してしまいます。