BOP 22 PHOTOBOOK FESTIVAL
今回、Martin Parr Foundation が主催するBOP22に足を運んだ。
はじめてのBristol、はじめてのPhotobook Festivalということでワクワクしながら参加した。今回のBOPでは、70個ほどのフォトブックのブースがあり、かなり盛況だった。数多くの写真集と向き合うことで、写真の持っている本質や機能、その可能性を再認識することができた。
お昼前に到着し、4時間ほどかけて何百もの写真集をチェックした。特に気に入ったのは以下の四つ。
Kavi Pujara - ‘This Golden Mile’
王道のポートレート。コンセプトと彼のバックグラウンドが凝固につながっており、写真から物語を強く感じることができた。
Jess T. Dugan - ‘Look at me like you love me’
今回一番ビビッときた作品集。この作品もポートレートだが、被写体がとても柔らかく、写真がとても美しかった。作家の想いがしっかりと写真に表れており、ひさびさに写真の美しさを感じることができた。
Chloe Rosser - ‘FORM & FUNCTION’
作品のコンセプトが自分の研究内容に似通っており、身体が様々な角度から切り撮られ、とても興味深かった。
Adam Broomberg & Oliver Chanarin - ‘SCARTI’
多重露光など実験的な要素がかなり多く、写真の機能を被写体と組み合わせることで、新たなドキュメント性が作品に付与されていた。
フェスティバルの最後には、Johny Pitts のトークショーに参加した。
アーティストから直接、作品制作について話を聞くのは初めてであり、彼の最新写真集 ‘Home Is Not A Place’の制作プロセスの裏話を知ることができた。
それぞれの写真や文章に関するコンセントやドキュメントだけではなく、実験要素も含んだ構成など、写真集の機能的な側面についても話を聞くことができた。
特に興味深かったのは彼が好きな作家の色味を真似するためにCineStillを使っていたことだ。徹底した美の追求が求められるだけではなく、個人的なお気に入りも含まれており、それらが介在して彼の作品が形成されているということがとても興味深かった。
今回のBOPで感じたことは、写真のドキュメント性である。
最近の授業や研究ではコンテンポラリーアートに重点を置いていたため、コンセプトや文脈に注目しすぎていたが、今回、数多くの写真集を手に取り、写真の純粋な美しさを体感することができた。
写真はカメラなどの装置を通して被写体を記録することができる。そこには作家のさまざまな考えが隠れているが、その中心にあるのはやはり、作家が被写体に対して何かしらの魅力を感じたということであり、それを通して写し出された被写体の雰囲気とまなざしはとても美しい。作家が被写体と対峙する事で、被写体の持つ魂が写真を通して、鑑賞者にも伝わってくるのではないか。
写真の魅力を再認識させてくれた今回のBOPに深く感謝。
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