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書評 18 「スポーツ国家アメリカ」

ベースボール、バスケットボール、アメリカンフットボール。米国で生まれて拡がってきたスポーツ。その背景には米国の成り立ちや社会の変遷がある。

著者はアメリカ文化の研究者。この国の成り立ちを様々な生活文化の視点から解釈した著作を持つ。米国由来の競技は「選手の専門性」や「選手交代への寛容性」に特徴があると語る。

移民で成立してきた社会であり、多様性を飲み込む要素が無いと社会に根付かない。比較的短い歴史の中でも南北戦争や大規模工業化などの大きな転換期に社会を収めるツールが必要だった。この様な視点から眺めていくのが面白い。

そして、スポーツのビジネス化。観る楽しさを育てたのは米国だ、との主張には頷くところあり。米国スポーツの進展の中にある人種問題は、ビジネス化が解決した面もあった。強く、魅せるプレーを出せるプレーヤーを求め、幅が広い観客層を得る。

大国アメリカの成り立ちを見る一冊。

http://www.chuko.co.jp/shinsho/2018/03/102479.html

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