書評 33 「RE:THINK 答えは過去にある」
よく言われる「歴史に学ぼう」という本とはちょっと違う。
今の時代の様々な課題。その答えは実は過去にあった、もしくはアイデアは出ていた。それを探しに行けば良いと著者は提案します。
例えば、電気自動車。20世紀初頭の米国で既に3万台を超える電気自動車が走っていた。しかし、コストが低い内燃機関の車に席巻されて、世の中から姿を消す。そう、既に100年前に電気自動車はあったのだ。
時代を先取りし過ぎた発明やビジネス。ニーズはあっても実現するための技術がまだ無いアイデア。それが今の時代に蘇る。あるいは昔から定理となっている考え方を見方を変えて今に当てはめる。
一方、明らかに無用なのに消えない。ゾンビの様に何度も同じ過ちを繰り返す事象にも著者は言及する。経済学の観点からはそれがいくつもあると。
「The surprising history of new ideas」この原著の副題の意味の深さが読後にわかります。
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