書評 76 「オタク経済圏創世記」
オタクというと、ネガティブな印象がまだまだある。しかし、その日本のオタク文化が多くの国で人気を博していることも、今やよく知られている。
その源流は1950〜60年代の漫画とそこから派生したアニメにあると著者はいう。さらに、海外との比較の中で、日本では作者たちのモチベーションのあり方、そこから生まれた特別な労働環境が短期間に大量な供給を可能とした。また、漫画においては表現対象に制約がほとんど無かったことが多様性を生み出したと。
この、漫画とアニメが産業化していく課程でキャラクター商品やマルチメディア化があったのは誰もが知ることだが、それに加えてライブコンテンツまで派生させたことが大きな収益を生み出すことに繋がったと説く。
著者は実際にこのコンテンツ系ビジネスで活躍して来た。その経験から複数の事例をあげて、上記の論点をわかりやすく解説してくれる。これからのソフト系ビジネス展開の参考書となる一冊。
https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/19/P89980/
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