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熱いけどうまい?うまいけど熱い?

行動経済学まんが「ヘンテコノミクス」

原作 佐藤雅彦+菅俊一  画 高橋秀明

人間とは、かくもヘンテコな生きものなり。

行動経済学とは…これまでの経済学は、「人間は必ず合理的あ経済行動をするもの」という前提で構築されていたが、それでは説明できない非合理な行動が普段の私たちにはある。行動経済学とは、従来の経済学では説明しきれない人間の経済行動を人間の心理という視点から解明しようとする経済学のことである。

非常に興味深い本でした。確かに!というヘンテコな自分の行動がこういった理論を持って説明されるとスッと腑に落ちる感じがします。そして、知っておいて損はないなと思います。本日は、そのうちの一部を残しておこうと思います。

アンダーマイニング効果

報酬が動機を阻害するというもの。野球のイチロー選手が国民栄誉賞の受賞を断ったことがあるのは知っていますか?その理由は、このアンダーマイニング効果というものだということです。決して、国民栄誉賞をもらうために野球で優れたパフォーマンスを発揮していたわけではないのだけれど、国民栄誉賞というこの上ない国からの褒賞を得てしまうことで、モチベーションが下がってしまうことを恐れて辞退されたと言います。

これは、報酬をもらってしまうことで、これまでの自分のためにとか、自ら○○を達成するんだといった、内発的な動機が薄れ、頑張ったら評価してもらえるのだとか賞をもらえるんだといった外発的な動機にすり替わってしまうこと。「何かをもらう」これがその人の内なる思いを低下させてしまうということです。

「人から何かもらう」こと。これは嬉しいことですよね。しかもそれが自分にとっても喜ばしいものであればなおさら、喜んでもらいますよね。しかし、この外発的な要因に最も簡単に引っ張られてしまう人のモチベーションというのは、いやはや難しい。

外発的な動機よりも、内発的な動機の方が、高く長いというのはよく言われています。だから、人から「やれ」と言われたことにあまり意味を持たないんですよね。それで、自ら取り組んだことってついつい評価されたくなるし、評価したくなりますよね。それが外発的な動機にすり替わる第一歩なのかもしれません。

親近効果

複数の情報を提示された場合、後に提示された方の情報を印象強く評価してしまう心理効果のこと。

お味噌汁が目の前に出てきました。
一口飲んで一言。
①「熱いけど、うまい!」
②「うまいけど、熱い!」
と言われたら、そもそも、①はうまいことが第一に伝えたくて②は熱いことが第一に伝えたいことなんだなって思いませんか?

おそらく、一口飲んで、うまい!と熱い!を両方思って言葉にしたことでしょう。別にどちらを先に言いたいとかそういうこだわりもないことでしょう。多くの場合、作ってもらえたらうまい!って伝えたいですよね?
それでこれほど、印象が違うということ。これほど違うなら、当然、①の順番で伝えたいですよね。

今回のように、ネガティブな情報とポジティブな情報を両方伝えなくてはならない時ってありますよね。そんなときについつい、良い方を先にして機嫌を…なんて考えてしまう自分がいますが、逆ですね。

今回はアンダーマイニング効果と親近効果の2つを書き留めました。行動経済学っておそらく、多くの人が面白いって思えるものだと思います。
もう少し調べてみようと思います。

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