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Vol.17 実家の階段 ※微ホラー

8月最終日に怖い話を一つ。
いーこの実家の階段の話です。
今回はいーこ目線で書いているので、
文中の「私」は「いーこ」を指します。

霊道が通る階段

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家の作りが悪いのか
ただ単に見えやすいだけなのかはよくわからないけれど実家の階段は凄まじい場所だった。

階段を降りきった正面に扉があって
そこにまた向かい合うように扉がある、
すこーしだけ急な階段。


扉の位置が良くないのか、
そもそもその場所自体が良くないのかは
私にはわからないけど数え切れない霊が階段を通っている。


あまりにも多すぎて
もはや残像写真のように見えていた。


ある時は
戦国時代っぽい笠をかぶった女の人が階段の下の方で休憩しているのを目撃し、
ある時は
透けた水色をした大きな坊主の妖怪らしきものが笑いながら勢いよく階段から降りてくるところを
目撃した。(この妖怪は何回か目撃した。)

そんな場面に遭遇するたびに心臓が飛び出そうになった。
怖すぎるからそっと階段の扉を閉めて
リビングでテレビを付けながら
それらがいなくなるのを待っていた。


夜中にトイレに起きた時なんかは最悪で、

"あ〜
今日は凄まじく霊道開いてる予感がする"

と直感的に思った時は
いつも通るリビング側の扉からは出ずに、
座敷側の扉から出て仏間を通る迂回ルートを使った。

座敷から抜けて仏間に足を2、3歩踏み入れた時に突然それは起こった。

気がついたら自分の視線の高さが
お腹の位置くらいまで低くなっていた。

唐突すぎる出来事に頭の中は「???」のオンパレードだった。何が起こったか理解できない。

身体が前に進まない。
足を曲げたいのに、足は畳を貫通してしまっている。(※物理的には貫通していない。)

一瞬にも満たないその状況に対して
本能的に"え…もしかして魂押し出されてる?"
と思った。

何かが上から私の身体に入ってきたのか??

これで無理矢理動こうものなら
魂が全部出てしまうと確信した。

ここから深夜の【私の体を返せ!抗争】が始まった。

少しでも動くと
得体の知れない何かが上からずいずいと私の魂を追い出そうとする。

私はとにかく動かずに
何とかして自分の身体に戻ろうとする。

その抗争の結果、無事に勝った!✨
今でもその瞬間はよく覚えている。

足が畳から浮いたというか、
"あ!歩けた!膝が曲がる!目線戻った!"
というのがはっきりわかった。

無事でいられたのは
きっと私だけの力ではなく
誰かが力を貸して助けて下さったのだろうなと思う。

余談になるけど、
実家に泊まり仏間の隣の部屋で寝ると
(ここで寝られるようになるのも時間かかった)
仏壇の前で何人もの話し声が聞こえるということが続く時があった。

お盆の時期ではなかったけど
"話し声の正体はもしかしてご先祖様かなあ?"と思ったから
【私の体を返せ!抗争】の時も
たぶんご先祖様が助けてくださったのかなあと思った。

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いーこから聞いた話はここまで👆
ご先祖様だとわかっていても
この体験は怖すぎますね。。

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