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クランベリー型形態素

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自分の在り方を探す大学生たちの物語。 今のところ短編集なのでお好きなところからお試しください。
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2020年7月の記事一覧

『一言の寿命』上

 大学一年生という響きで初々しいと言われるが、もう19年も自分をしていて今更その言葉はしっくりこない。所属が変わるたびに初々しいと形容されるのはやりなおしのチャンスなのだろうか。ありがたいが数年おきに訪れる強制的なチャンスなんて余計なお世話だ。もしかしたら人間が経験を積み重ねるのを不都合におもう存在がいるのかもしれない。
 19年。
 今日で19歳になった。特に感慨もないし、誰から祝われることもな

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