見出し画像

交通事故「損害賠償保障制度」 不法行為責任

どうも!リバーです。

交通事故といえば、賠償。その賠償を理解していますか?

過失割合だ。慰謝料だ。と言う前に、まずは根本を学んでみましょう。
簡単にまとめるなんてことをすると、気軽に読みやすいという反面、概略しか理解できなかったり、"学ぶ"というよりか"知る"に留まってしまうことがありますので、少し深く説明します。かなり濃い話です。

それでは、行ってみましょう!!

1 不法行為責任

AさんがBさんのメガネを壊してしまった。

この時、BさんはAさんにメガネを弁償(賠償)してほしい。と要求します。当たり前のことですよね?

そう、他人の生命や身体または財物に損害を発生させた場合、精神上の不利益を与えた場合、その損害・不利益を発生させた者は、損害が生じなかったのと同じ様な状態に戻す(原状復旧)責任があります。

これを損害賠償責任と言い、民法に規程されています。

民法709条 不法行為責任                        故意または過失によって、他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任がある。

交通事故の時、自動車の運転者Aが誤って、他人の身体に損害を及ぼした場合には、民法709条により、運転者Aは賠償義務を負います。

※運転者の使用者も損害賠償責任を負う場合があります。(民法715条 使用者責任)

また、AさんとBさんがそれぞれ運転していた2台の自動車が衝突し、Cさんの住宅の塀を損傷させてしまった。などと、2人で第三者に損害を与えてしまったというケースは、共同不法行為と言い、民法719条に定められています。

2 賠償方法は、原則金銭で行います。

損害賠償は、特段の意思表示がなされていない場合、金銭で行います。

民法722条1項 賠償方法および過失相殺                 第417条の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。
民法417条 賠償方法(債務不履行)                   損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。

3 過失相殺(かしつそうさい)

損害賠償の額を決定する時に、被害者側に過失がある時は、裁判所はその過失を考慮して減額した上で、損害賠償の額を決定します。

民法722条2項 賠償方法および過失相殺                 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

4 不法行為の成立要件

不法行為は、4つの要件によって成立します。

⑴責任能力
⑵故意または過失
⑶違法性
⑷相当因果関係

⑴責任能力

加害者に責任能力があるか。

未成年者(判例では、11〜12歳未満)には、「自己の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかった」と判断され、不法行為責任が発生しません。ただし、責任無能力者の不法行為につき、監督義務者(及びその代行者)の責任が問われます。

民法712条 責任能力                          未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。
民法714条 責任無能力者の監督義務者等の責任              1 前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。

心神喪失の間に他人に損害を与えた者は、損害賠償責任を負わない。ただし、酒や薬物などにより、責任能力を欠いていた者が他人に損害を与えた場合は、責任を免れません。

民法713条 責任能力                          精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。

ただし、正当防衛や緊急避難などの場合、他人に損害を与えても損害賠償責任を負わない場合があります。

民法720条 正当防衛及び緊急避難                    1 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。
2 前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。

⑵故意または過失

これには、3つに分類することができます。

故意:結果が解っているのにも関わらず、わざと行動する。
未必の故意:結果発生は解っているが、あえて行動した。
過失:結果発生は解っておらず、行動してしまった。

「故意」と「未必の故意」は、違法と解って行動した責任がある。
「過失」は、注意義務違反により、損害を及ぼした責任がある。

なお、自動車保険・共済は、故意により発生した損害に対して、保険金・共済金は支払いません。

⑶違法性

いわゆる権利侵害を言います。例えば、他人の財産に対する侵害、生命や身体に対する損害、名誉などの人格的利益に対する侵害です。

⑷相当因果関係

不法行為において因果関係が持つ意味は、因果関係を認めうる範囲で加害者に賠償責任を負わせる点にある。ここで、いわゆる事実的因果関係(「あれなくばこれなし」の関係)を前提にすると、因果関係の範囲が広くなりすぎ、損害賠償の範囲が過大になりすぎることになる。
したがって、不法行為法では、事実的因果関係が成立していることを前提にしつつ、損害賠償させるべき範囲をより狭く限定している。これを相当因果関係という。

最後までお読み頂き、有り難うございました!マジな話すぎましたか?それでも、お役に立てれば光栄です!


よろしければサポートをお願いします!サポートいただいた費用は、記事作成活動に当てていこうと考えています。