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2本のメガネ

 今日、メガネを作りに行ってきた。

家業手伝い

 結婚してなくても個人事業主と一緒に仕事をしていると家業手伝いと言ってもいいのだろうか?お財布が1つになって久しく暮らしていると、給与を貰っているのか貸したお金が帰ってきたのかもわからなくなって、そこでまた貸したり帰ってきたりで見当もつかない。要するに財布は1つだった。
 そんな中で私の老眼が進んで、しかも日によって見え方が違うので100均の老眼鏡を度数をかえて3本使い分けていた。
PC作業・針仕事・その中間といった具合だったけれど、近視で老眼が進んでいない彼は不憫に思ったのか私を眼鏡屋に連れて言ってメガネを作ってくれた。(その前に眼科で検眼してもらったついでに緑内障が発覚する盛大なオマケがついた)
 彼は自分のメガネと度付きの偏光サングラスを作り、遠近両用にビビった私は遠く用と近く用のメガネを作って貰った。家業手伝いの身の上だと仕事をしているにもかかわらず、すべてが「買って貰った」というプレミアムになってしまうのが、死別してからちょっとキツイ。

独学

 このメガネじゃもうよく見えない!テキストを読むにもノートを取るにしても100均のネガネの上からかけられるルーペメガネをしないと見えない。この2重のメガネが面倒くさい。
 定規を取ろうとか、修正テープに手を伸ばすともうぼやけている世界に気が散ってしまって勉強どころではない。
ネットで近々両用というのをみつけてしまいセールの文字に導かれ、もう使うことがない『買って貰った遠く用のメガネ』を持って出掛けた。せめてフレームだけでも使えるかな...と思って。

新しいフレーム

 遠く用のメガネ=焦点が1つ=レンズの幅が狭くてOK
 近々両用メガネ=焦点が2つ=レンズの幅がもう少し必要
という納得の説明で、新しいメガネを作ることにして帰ってきたのだが、このもう使わないメガネも捨てられない。

要するにゴミ

引越しする前に、「捨てて後悔する位なら一端持って帰って引越した後に考えよう」と前向きなつもりでいろいろ持ち帰ったのだが、イザ「考えよう」というタイミングになると、「ここにあるモノ以外に彼との思い出の品は無い」という観念が芽生えてしまって、何も捨てられていない。
今、調理台の上には〈彼が食べるために彼が買ったオイルサーディンの空き缶〉が洗って干してあり、食卓の上にはオイルサーディンが入っていた箱が乗っている。
 工場で使っていたリングファイル式のカレンダーもあと数日で役目を終える。ズボラな彼は書き込み式をカレンダーを愛用するも書き込まないので、要するにゴミなんだけれど、毎日彼が見て私も見ていたんだと思うと捨てがたい。こういった要するに捨てられないゴミがこれからどんどん増えていくのだろうか。リスト化してみたら少しは片付けられるのかなぁ。

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