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鎮痛剤と私

しばらく前から

 左奥歯に妙な地雷を感じていながらも、どの歯が痛いのかさえ特定できずにいた。春の部署異動の話もあり通院しやすくなる可能性に賭け、有給がないので先延ばし一択だった。

急変

 むし歯の痛みに急変があるとは思ってもみなかった。木曜日の仕事中に歯医者を紹介してもらい(部署の窓から見えていた)帰宅後に検索してみると、初診の予約は10日後から可能だった...。
仕事中に〈ヤバいな〉だったのが、すでに〈ヤバい〉まで進んでいて、夜中には奥歯に心臓が出来ていて寝るどころではなくなっていた。
 亡くなった彼は頭痛持ちさんで鎮痛剤長者だったので、「頭痛い...」と言えばオススメの彼には効かなかった鎮痛剤が貰えた。画して、私はワクチンの副作用用に初めて自分で買った鎮痛剤を飲んだ。

近くの歯科医

 たぶん親御さんの代からの歯科医院なのだろう。予約もない私を1時間後に診ていただけて始業に間に合わせてくださる神様のような先生に会うために、昭和初期の面影というよりは、もっとリアルに昭和初期の45°の階段を登った。
 小さいレントゲンを見ながら先生が「むし歯ではないようですね」とおっしゃった。目から鱗である。
 昨夜、私は思っていた。〈抜いて!とりあえずでもいいから抜いて〉
昨夜より痛みは収まってはいるものの、すでに上の歯が痛いのか下の歯が痛いのかすらわからない状態なのに...。
先生は「とりあえず消毒しておきますね」と小さいコットンボールで歯茎に何かを塗布してくれた。←これめっちゃ効きました。売ってください!魔法の薬!

痛みの中で

 初めは思っていた。あの日、彼が感じていた痛みはもっと凄かったのだろう。歯の痛みなんて死の痛みからすれば比較にならないだろうと。
こんなに痛くても死なない痛さなんだなと。
 そんな殊勝な私は長続きせず、1時間もしないで鎮痛剤を飲み、念仏を唱えた。(頭の中を空っぽにして瞑想というのが出来ないので念仏)
 素人が医者が必要だと思う痛みには鎮痛剤が効かないことを学んだ。


無理やりスピリチュアル的に考えると
 通院後に出社すると部長に声を掛けられ勤務時間の内示があった。
今よりももっと医者通いなんてできない時間配分だった。あの急変は無理やり私を歯医者に行かせる強硬手段だったのか?お願い!痛いのは止めて!!

早朝勤務に対応すべく、早起きの練習がてら〈朝活〉してみようと思い立った。刺繍して通勤用カバンを作ろうと思っていたのに、朝活の最初が医者通いになってしまった。何時に寝れば4:30に起きられるんだろう。3:00に目が醒めてしまい二度寝したら6時になっていた...。ちゃんと起きられるのかしら。


追伸
ねぇ、信じられる?漁港の町に十数年暮らしてお魚を加工していた私は朝の漁港に行った事がないんだよ。そんな私が早番勤務に挑戦するんだよ。
今年の初挑戦が早起き!今度会ったときには夜明けの漁港デートができるんだよ。

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