見出し画像

あたたかい文字

中学生の頃
文通をしていた。


どういったきっかけで
あったこともない人と文通をはじめたのか
覚えていないけれど
同じ歳の女の子と
手紙のやりとりをしていた。

好きなアーティストの話で盛り上がったり
学校の話しを書いて
彼女の字はとっても綺麗で
いつも6枚くらい、ぎっしりと
いろんなことを書いてきてくれた。

数年間続いていた文通は
いつの間にか途絶えてしまい
彼女の名前すら思い出せないのに
文字の美しさはいまだに
頭の中に残っている。


下駄箱に入っていたラブレター。
同級生の男子が書いた
強い濃い文字が
紙にびっしり自己アピールしていた。
何度も書き直したあとを見て
教室に
どんな顔して入ればいいか悩んだ。


部活の後輩が
毎日毎日下駄箱に
手紙をくれた。
小さな可愛らしい文字が
ルーズリーフに綺麗に並んでいた。
申し訳ないから
交換日記でもする?と伝えたら
喜んでいたこと。


今でも記憶に残っているのは
小学6年生の時に
小学3年生の男子からもらった手紙だ。

私の子供時代は
たてわり清掃だったため
1年から6年まで
いろんな学年の子たちと掃除をしていた。

6年生になり
掃除場所で班長になり
掃除をしない男子を怒る役目になった。
タケくんも
ちょびちょびとすばしっこい
小さな子供で
「お前、目がタレ目だから!
たぬきって呼んでやる!」と、
私のことを「たぬき」呼ばわりしていた。
まぁ、年下男子の言うことだしなぁ
はいはい。と上手にあしらって過ごし
掃除中遊んでいるときは
「こらぁ!!」と怒ったり
ちゃんと真面目に掃除をしている時は
「えらいじゃん!」
と、タケくんを褒めた。


数日間
体調をくずして学校を休んだ後
掃除場所にいくと
3年の女子から

「タケくんから、班長へ手紙です」と

紙を渡された。
開いてみると

『たぬきへ
いつもやさしくしてくれてありがとう。
学校を休むことがあるから
からだ大丈夫ですか?心配です。
ぼくはひっこすことになりました。
手紙ください。
ぼくのことわすれないでね
手紙まってます。わすれないでね」


学校で配るような紙に
めいっぱい
大きな文字で気持ちを綴り
新しい住所と
新しい苗字になった
タケくんの名前が書いてあった。

もうタケくんとは呼べないんだな。
さびしく思った。

ただ、住所の字が読めなくて
それでも私は返事を出したのだけれど
宛先不明で返ってきてしまった。

タケくんが願ったように
タケくんのことは
ずっと忘れないものとなった。



夫は付き合っている時も
結婚してからも
手紙をまめに書いてくれる。
夫の字は大きくて筆圧が強い
わたし好みの字。

娘も小さな頃から
手紙を書くのが好き
6歳から習字を習っているので
私より字が上手。

私の手紙ボックスには
二人からの手紙
大好きな方からの手紙でにぎわっている。


私も手紙を書くことが好きで
何かいただいたり
一緒に出かけた後には
お礼状を書く。


今は手紙を書くのにも時間がかかる。
病気のために握力が少ないから、
休み休み書く。
手が痛くなっても
自分の思いを字に乗せて書きたい。



人の書く文字を見るのが好きで
綺麗とか下手だとかではなく
その人がどんな風に文字をうみだして
いるのかなぁ
どんな思いで書いているのかなぁ?
想像すると嬉しい気持ちになる。



先日
まつおさんから


お手紙と、娘にプレゼントをいただいた。

まつおさんの字は
お人柄を表すような優しい字で
家族みんなで笑顔になり
あたたかな気持ちになりました。


まつおさんのお母様が作る
作品はお店で販売されているものより
綺麗に丁寧に作ってあり
まつおさんと同じように
作品から
あたたかさを感じました。


「もったいなくて使えない!
大切な日に使おう!」



娘はニコニコとプレゼントを
何度も何度も抱き締めて
自分の部屋に飾って毎日眺めている。

まつおさん、お母様
本当にありがとうございます。

文字を見るとお人柄がわかる。と
聞いたことがあるけれど
本当にそう思う。

私の字は、大きくてちょっと雑である。
性格もおおざっぱなので、ふむふむ
なるほどなぁっと思う。


仲良くしてくださる
まつおさんが今日Kindle書籍を出版します。


いろんな方に
読んでいただけると嬉しいなぁ!と
自分の事のように思っています。

私も大切にゆっくり読んでいます。




最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

心から感謝の気持ちを込めて。

この記事が参加している募集

noteでよかったこと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?