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小説 「私を 想って」

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高校二年生の鮎沢鞠毛(あゆさわ まりも)は自分の名前について悩んでいた。 でも、不器用な性格もあって相談できる友達はいない。   父、正臣(まさおみ)の再婚相手の涼花(りょうか)…
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私を 想って 第一話

私を 想って 第一話

 思春期特有の悩みなら数年我慢すれば解決するけれど、
 私の悩みは一生続くと思う。

「鞠毛さん、そろそろ晩ご飯にしましょう」
 私は台所から呼ぶ涼花さんに「はい」と返事をして、通知表を手にとった。
 気が滅入る。その原因は、通知表の中身ではない。表紙に書かれた自分の名前だ。
 鮎沢鞠毛。
 やっと馴染んできた名前であると同時に、ずっと私を悩ませてきた名前。そしてこれからも悩ませ続けていくのだろう

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