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コミュニケーションを意識したポートレート撮影を実践して感じたこと

ポートレート撮影について考える、2022年秋

みなさんこんにちは、群馬県でデザイナー&フォトグラファーをしているまーてぃーです。撮影のお仕事をご依頼いただく中で2021年からは人物撮影にもチャレンジし、2022年春に人物撮影では「撮影体験の提供をすることが大事」ということ実感しnoteに気づきをまとめました。今回は家族写真等の依頼撮影ではなく、モデルさんと一緒に作品撮りをしたい!という思いから写真集を作ることまでを念頭に置きポートレート撮影を行いました。今回の撮影を通して感じたことをここに書き留めておこうと思います。


2022年春に依頼撮影で感じたことまとめ


一方的ではなく双方的コミュニケーションに

今回人物撮影をするにあたって、先ずはモデルさんと一緒にコンセプトを考えました。今回、なぜ撮影を行うのか、写真を通してどのようなコミュニケーションを行うのか、事前の打ち合わせを行いました。モデルさんを撮影しているプロの方には当たり前の流れかもしれませんが、撮影者として人物撮影や写真をコミュニケーションのツールとして実感して1年程の私にとっては初めての経験となりました。以下、打ち合わせでのキーワードを簡単にまとめてみました。

concept
これまでとこれからの自分

私が今回の撮影でやりたかったこと
これまでの撮影方法から自分をステップアップするために、これからの撮影方法を模索する。
・撮影者とモデルさんがお互いに尊重し合い良さを引き出す撮影
・モデルさんが表現したいことを表現できる撮影
・体験を提供する楽しい撮影でモデルさんの素を引き出す撮影

モデルさんが今回の撮影でやりたかったこと
今までは撮られる自分を作り上げていたが、今回は今の自分を自然に表現したい。そして、これからの展望を思い描きたい。
・今までが撮影者から指示のある撮影ばかりだったので自分を表現したい
・コンプレックスを隠す撮影ではなくコンプレックスも自分として出してく(自分がコンプレックスだと思っていることも見方を変えれば魅力になる!)
・将来への不安、今しかできないことを表現したい…etc


撮影しながらお互いの表現を模索中…


撮られる側の気持ちを考える

モデルさんと話をしていると色々な発見がありました。中でも驚いたことは、モデルさんが今までの撮影では、撮影場所、服装、ポーズなどを全て撮影者側が指示をし、撮られる側の考えをほとんど写真で表現したことがないということでした。今回のモデルさんは撮影経験が少ないとのことですが、それでも話を聞いていると世の中の撮影者の傾向がうかがえます。SNS映えを狙って撮影場所を選ぶ(表現を考慮した場所の選定ではない)、風景がメインでモデルさんが人形のような扱いになっているなど、、、撮影者側の思い描いた世界観をつくるために一方的なコミュニケーションを行う撮影は、自分の撮影ではやりたくないと感じました。
そこで今回の撮影では、両者の思いを尊重するために撮影場所はモデルさんのリクエストで「ススキがある場所」をお互いにリサーチ・選定し決定しました。さらに「モデルさんの素」を表現したいというイメージから人工物の多い市街地ではなく自然が多い場所をいくつか選定し撮影場所に加えました。また、服装とメイクは提案した撮影場所に合わせてモデルさん自身に表現したい自分をイメージしてコーディネートをお願いしました。
当たり前のことではあるかもしれませんが、風景や衣装などは写真の要素のひとつであり主役はモデルさんであるということを今後も意識して撮影に臨みたいです。


音楽活動もしているとのことで自分を表現するために弾き語りをしながらの撮影
無茶振りでススキを音楽で表現してもらっています笑


撮影をしながら相乗効果でアイディアが浮かんでくる

撮影当日、お天気にも恵まれ、先ずは観光地をぶらり散策しながら撮影をスタート。撮影をしながら気になるロケーションを探し、モデルさんの気になるポイントや私の気になるポイントを見つけてはモデルさんに表現をしてもらい、それに応えるようなかたちで撮影をしていきました。
撮影の最初から無茶振りをしてしまいましたが、今までの依頼撮影で無茶振りをすることで発想の幅が広がるし緊張もほぐれるという経験があるので、撮影中に何度も無茶振りを挟みました。今回の撮影では無茶振りからたくさんの楽しい写真が生まれました笑 撮影が進むにつれて、だんだんとお互いに緊張がほぐれてきて、撮るぞ!と構えるのではなく自然と撮る・撮られるの関係で撮影ができたのではないかと感じています。


床に置いてあった掃除機のホースで何か表現してと最初の無茶振り
無茶振りに笑う
駐車禁止のキモチ
テッテレー ニューアイテムGET!!
廃墟ポートレート風に撮りたいという要望に、どう表現したらいいか分からないの図 笑
撮影はつづく



「撮るよ!」の前後で力の抜けた自然な写真が撮れる

今回の撮影では半日で約1000枚の写真を撮りました。モデルさんと一緒に写真を選別し、約200枚を選びましたが(今回投稿に使っている写真も200枚中の写真です)、そのほとんどは「撮るよ!」と声をかけてモデルさんが構えている前後で撮られた写真でした。
モデルさんがポーズを取っている時には撮影者もカメラをバッチリ構えて、良く撮ろうとじっくり構図を決めます。しかし、構図を頭で考えすぎた写真は良くも悪くも意図していることで面白みに欠ける感じがしました。それよりも「あっ、それいいね!カシャ」「え、めっちゃいい!カシャ」という感じでファインダーをのぞいて魅力を感じた瞬間に撮る、ファンダーをのぞかないでプレビュー撮影で気になった瞬間を撮る、そうすることで構図は決まっていなくても、写す内容の魅力が最大化するし、偶然撮れた構図は自分で意図していない魅力があります。
さらに、「撮るよ!」と声をかけてモデルさんがポーズをしているときに会話をしていると、ポーズをとり終わった後に会話の流れで笑顔が出ることが多いので、そのタイミングで撮れた写真はモデルさんの力も入っていないため、自然な表情やポーズをとることができると感じました。
今回のモデルさんのテーマである「演技をしていない自分で写真に写る・表現する」を実現するためには撮る側のタイミングや撮影中のコミュニケーションがすごく大切だということを改めて感じました。

あ、カタツムリ!ポーズをして撮影した後に偶然撮れたひとコマ
たまにはキマった写真も
キマった後の笑顔がGOOD;)


楽しく撮影を進めていく中でたまにキメる

ということで、今回の撮影で感じたことをまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。依頼撮影でも意識していた「撮影体験の提供をすることが大事」を今回もベースとして撮影を行うことで、モデルさんからも「撮影が楽しかった」と言っていただけたことがとても嬉しかったです。今回の撮影テーマでもあった「素の私」を表現するために、力の抜けた自然な表情を撮るには、ロケーションの中で見つけた要素で遊ぶように楽しく撮る中で、たまに「カッコ良く撮っちゃう?」くらいの流れで撮ると、カッコよくキメた時にも無理に演技をした表情をつくることなく、自然な表情が撮れるのではないかと感じました。
今回の撮影での気づきを糧に、これからも撮影体験の提供を軸に撮影経験を積み重ねていきたいと思います。ここまで長文を読んでくださり、ありがとうございました。少しでも皆さんの参考になれば幸いです;)

たまにはキメ顔もということで撮影、その時に出た自然な表情で



Special Thanks
モデル:はなあす

https://www.instagram.com/_hanaasu_/





今回の撮影で参考にした本


今回の撮影で使用したオススメ機材


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