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26年間つきまとっていた元病気とお別れした話


もうチェックマーク入れなくていいですよ。


そう聞いた時に胸の中からグッと湧き上がる感情を隠すことができなかった。
26年間、何かことあるごとに入れていたチェックマーク。


この中に過去に患った病気はありますか?

物心ついてからは一度も症状が出ていないのに、なんでチェックマークつけないといけないんだ。
過去の病気なのに、なんでまだ背負い続けないといけないんだ。と。

癲癇(てんかん)という病気

一度は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
実は100人に1人がてんかん患者と言われています。
友達100人作ったら、1人はてんかん患者である確率。
なので「友達100人できるかな?」の歌詞を聞くたびに、1%は僕だよという気持ちをなぜか後ろめたく感じていました。

僕がてんかんの診断を受けて、薬を飲み始めたのは4歳の頃から。
ここでてんかんという病気を少しご説明させてもらえたらと思います。

てんかんは【脳の病気】です。
脳波が乱れており、何か感情の起伏などで脳がパニック(表現間違ってるかも)になり全身痙攣を起こす病気です。
なので、急に意識を失い痙攣を起こすので、車などの免許の取得はできないのはもちろんのこと、毎日痙攣する人はなかなか働くこともできませんし、一人暮らしもしにくいような病気です。

発症原因は不明、かつ完治するための方法は子供の頃の早期発見による薬の投与のみです。
気づくのが遅れた、または成人後(中学生以降とかだったかも)の場合は痙攣を薬で抑えたりは出来ますが完治はできないとされています。

てんかんと向き合うということ

てんかんと診断されていた僕の少年時代は少しだけ人と違った暮らし方でした。
・ゲームやテレビは時間制限(ライトがよくないとされているため)だから話についていけない
・毎日2回必ず薬を飲まないといけない。

特に辛かったことの一つは、何も悪いことしていないのに、薬飲み忘れたら怒られる。(今となっては分かるけど、当時は、、、)
薬を飲むことは別によかったけど、何で怒られなきゃいけないんだと毎日思ってました。

そしてこれだけはてんかんの症状に近いんだろうなと思うのが感情のコントロールができなかったこと。
なんの予兆もなく怒りが込み上げたりすることがしばしば。
そのせいで人間関係がうまくいかないこともありました。
それがなによりも辛かった時期もありました。

なので、高校に上がるときは不安が募り深夜まで姉に「俺は高校でやっていけるのか心配。」という相談をしていました。
今となればそんな面影ないんですが笑

てんかんを通じて悩むことがしばしばありました。
ただ、それは少年時代こら悩むことができ、どうすれば目の前の課題を解決できるのかを思考させてくれる経験になったと思います。
社会人になってからは、より感情というものにフォーカスして色々と学びました。

なによりも大きかった経験はヴィパッサナー瞑想だと思います。
10日間、瞑想以外は禁止。
人と話すのはもちろん、アイコンタクトやフィジカルコミュニケーションも禁止です。
外界との連絡を途絶えた10日間は自分と向きあう為の貴重な経験だったと思います。


今回の診断結果

医療は発達し続けるものです。
当時はてんかんと診断されたけども、今回の診断は「過去のものは熱性けいれんだった」という結論になりました。
専門医ではないので、鵜呑みにはしてほしくないのですが、脳波でてんかん波が出ても症状がでなければてんかんという診断をしないということになったみたいです。
幸い僕はそれに当てはまりました。

つまり、これからは「今までてんかんを患ったことがありますか?」にチェックマークをつけなくてよくなったということです。
過去にてんかんを発症していれば、診断症が必要だったりします。
僕としては「自分は少し壊れた欠陥品だ。」という捉え方をしてしまっていました。
(個人の捉え方なので、過去に病気を患った人に対して欠陥品と思っているわけではないです。当事者の方は共感いただけるはず、、、)

今日からはチェックマークを入れなくていいんです。
欠陥品でなくなったんです。
それが何よりも嬉しくて、母親にラインで報告したところ、「こんなに嬉しいことはない。」との1言。
思わず泣いてしまいました。

今までの26年間。
大げさに書いたかも知らないけども、いつも少し喉に骨がささったような状態がなくなった感覚です。
こんなこともあるんだなと。
もし少しでも同じような境遇の方がいましたら、ぜひ一度診察されてみてください。
もしかしたら心がかるくなるかもしれません。

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